私にふさわしいホテル
新刊だと思って読んでました。『ランチのアッコちゃん』以前なんですね。共感を呼びそうにないヒロインだけど、「もっとやれ」とけしかけたくなる感じ。ところで実名で出てくる作家はOKなんでしょうか?
本が好き! 1級
書評数:249 件
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読書は心のオアシスです。
新刊だと思って読んでました。『ランチのアッコちゃん』以前なんですね。共感を呼びそうにないヒロインだけど、「もっとやれ」とけしかけたくなる感じ。ところで実名で出てくる作家はOKなんでしょうか?
認知症の父をめぐる家族の奮闘の日々。三人娘と老々介護の母、父の病状に振り回される様子も、あまり悲壮感を感じずに描かれている。この手の主題にしては、重すぎず軽すぎず、読みやすかった。
”手抜き”がモットーのケータリング業を営む主人公。ある少年との出会いから、料理を始めた頃の自分を取り戻してゆく。最後の晩餐、私もトーストがいいな。
「火・風・水・土」それぞれの”ケンゲン”という特異体質を持つ4人の女の子たち。それゆえの悩みを助け合い、励ましあいながら生きてきた。恒例の登山でひさしぶりに全員集合する。SFチックなストーリー。
40代独身女性編集者と、10代の娘を持つ主婦。別々の立場の二人は詩人”藤堂孝雄”を通じて”本当の言葉”を回復してゆく物語。コピーとも歌詞とも違う、「詩って何だろう」という疑問に答えを示してくれる。
世界の各地を舞台に描かれる短編集。世界は狭くなったと言われるけれど、実際に行ってみる事はなかなか簡単ではないので、ちょっと旅行気分になれる一冊です。
江戸時代に活躍した画家たちが生き生きと描かれています。円山応挙の弟子・吉村胡雪と孤高の画家・深山筝白は衝突しながらもお互いを認め合っている。破天荒な二人の人生に芸術の本質が垣間見える。
『猫を抱いて象と泳ぐ』とか『麦ふみクーツェ』の雰囲気を思わせるのは異国の物語だからでしょうか。10歳時の身長で成長が止まってしまった主人公は、幼いころに両親と見たサーカスに憧れて入団する。
悩める働く女性たちの救世主”アッコさん”。でも、その助け方は生易しい方法じゃないし、見込みのない奴は助けてくれないだろう。後半の関西編も面白かった。
”あの”高村さんの小説とは思えない感じの小説。じいさん、ばあさんのやりたい放題のブラックなところが”社会派”な感じなのか。読んでいくうちに四人組を応援したくなってくる。
待望の”私”シリーズ。もう続きは読めないと思っていた。おなじみの登場人物たちの近況が知れてうれしい。時々顔を出す、”私”の夫が気になる。文学探偵の師匠も健在で、久しぶりに昔の知り合いに会えた気分です。
ご両親を亡くされてからの心境が多く綴られています。それ以外にも犬や猫の死についても書かれていて、彼女の小説のテーマであるところの”死”についての考え方が分かります。
素晴らしい構成、エンディング。そうか、そうゆう展開があったかと…。新井素子さんらしさのあふれた”あったかい”一冊でした。
共作のようですが、どのような形で執筆されたのかは不明。小説を書く「How to本」みたいに読めるし、青春小説としても…。
漫才、文学、すべての表現芸術は、その人ひとりによって生まれるものではない。また、それまでそれに携わってきた人や違う分野からも影響を受けて作られたものだ。それは科学や哲学にも言えることだけれど…。
『指輪物語』を想像させるファンタジー。息子・央介の放蕩を改めさせようと両親が連れてきた”睦月童”イオ。人の罪を映し出す力を持ったイオに救われた央介は、やがて彼女の”呪い”を解くべく奔走することになる。
短編集のようだが、それぞれの物語はつながっていて、”タイコー”と呼ばれる人物がキーになっているようだ。この人たちの幸福とともに、自分の人生の無事も祈りたくなる。
事故で妻を亡くした小説家の話。死んでしまったら話したくても話すことはもう出来ない。後悔も誤解も取り返すことは出来ないのだ。そのうえで、残された者は自分の中で折り合いをつけていくしかない。
自分のキャラ設定に悩む女子高生・若菜。曽祖母は愛人、祖母はシングルマザー、母は別居中、という状況や友達との関係の中で、同じように悩む”文学少女キャラ”の高橋とともに”自分探し?”をする。
「それからはスープのことばかり考えて暮らした」と同じ空気感。主人公が思い入れを持つ1986年、当時活動していた”ソラシド”という女性デュオに興味を持つ。異母兄妹の”オー”たちと彼女らを探し始める。