お父さんと伊藤さん
伊藤さん、なんかいいなぁ。のほほんとしていて、だけど実はすごい人なのかもしれない。
本が好き! 1級
書評数:249 件
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読書は心のオアシスです。
伊藤さん、なんかいいなぁ。のほほんとしていて、だけど実はすごい人なのかもしれない。
「”普通”じゃない」ということ。それが周囲に受け入れられればこんなにも温かい物語になる。心、癒されました。
八王子出身の山本さんが地元愛満載の一冊を書いてくれました!(^^)!。過去の作品の人物も登場してファンにはうれしい限り。”お仕事小説”の一ジャンルを築いたと言っても過言ではない?
古い洋館に住む老婦人のためにスープだけを作る料理人として雇われた主人公。吉田篤弘の『それからはスープのことばかり考えて暮らした』を思わせるタイトルだけどミステリー仕立て。食は人と人をつなぐものですね。
ヤングアダルト小説かと思いきや、かなり現実的な問題を描いている。パパとママに起きた離婚騒動。パパの”愛人”宅に同居することになったミドリ。その相手はオトコだった。当初は三人楽しく暮らしていたが…。
美味しそうな表紙につられて手に取った。時代物の題材は掘りつくされつつある感じ。でも書きようによっては面白くなる。当時の材料と道具で作ったお菓子、どんな味がするんだろう。
人間のいい面と悪い面が見えてくる。近未来の世界で起こる様々な出来事に人は何を思って行動するのか。3.11以降書かれたという意味も分かる。
突然死んでしまった妻に息子とともに残された夫。妻の隠された一面を知ることになり、心の整理がつかないまま一年が過ぎていた。冷凍庫に残された妻の”遺品”を整理することで恢復への手がかりを見つけていく。
周りの目には”愚鈍”と映る千春だけれど、心の中には星のような光を宿していた。どう見たって不幸としか言えない人生なのに、彼女自身はそう思っていないように思える。
「ひとり日和」の頃と同じタンス。お見かけした風貌からはおっとりしたイメージを持ってしまうのだけれど、辛辣な視線がこの人の特徴。
江戸時代、武士のシューカツ物語。現代のサラリーマンに例えられることは多いけれど、老人が居座って若者が職につけないとか、注意されるとすねる部下、コネがモノを言うなど、現代に通じるものがある。
出版社勤務の”私”。ということは”落語家と女子大生”コンビシリーズのその後かと思いきや、別人ぽい感じ。北村さんらしく、ところどころに古今東西の文学の香りがちりばめられている。
あとがきによると、このシリーズが映画化されて、監督との対話のなかでこの作品が生まれたということです。もともと裏にあったストーリーが浮き上がってきたような感じ。それにしてもゴリさんはオカマ役が多いなぁ。
3年前に夫が行方不明になってから一人でことり屋を切り盛りするおけい。九官鳥になぐさめられながら夫の帰りを待っている。鳥を籠に閉じ込めるのは残酷なようでも、人は鳥に癒されたり励まされながら生きている。
ありがちな設定だけど面白かった。現実はそんなに上手くいかないよ、と思うけど…。「置かれた場所で咲く」。大事なことです。
百合江さんの晩年の生活ぶりを知り読み進めると「こんな苦労しても結局…」と思い、ページをめくる手が重くなった。でも彼女の幸せは、私が考えるようなものではなかった。これが直木賞以前の作品とは意外。
一編ごとに登場する人々がどこかでつながっていて、「そういえばこの人どこかで出てきたな」と発見するのが面白い。それぞれの想いに耳を澄ませて聞いている著者の視線が温かい。
高校の同級生だった女性たちとその周辺の人々の数十年に亘る人生模様。イタイくらいにまっすぐな順子の人生に、幸せとはなんなのか考えさせられる。
空想と現実とが混ざり合ったような短編集。その中で現実的な部類の『妻が…』では、妻に先立たれた夫が、妻が生前に申し込んでいた料理教室に干し椎茸を煮て持参する事になる。あてずっぽに調理するが思いかけず…。
突拍子もない設定と事件の始まり。あぁ『ダヴィンチ・コード』だ。このシリーズ続くのかな?