Xへの手紙・私小説論

この単行本の前半は小林秀雄の創作活動が、後半には文芸評論が収められています。創作として面白かったのは「おふぇりや遺文」。『ハムレット』のパロディ作品で、オフィーリアのスピンオフとなっております。
本が好き! 1級
書評数:351 件
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エラリー・クイーンなどの推理小説に興味を持ち始めました。そしてロス・マクドナルドの影響でフロイトに出会い、精神分析を読み進めていくうちにラカン、アルチュセールなどのフランス現代思想に興味を抱いています。

この単行本の前半は小林秀雄の創作活動が、後半には文芸評論が収められています。創作として面白かったのは「おふぇりや遺文」。『ハムレット』のパロディ作品で、オフィーリアのスピンオフとなっております。

シュルレアリスムに始まる魔術的リアリズムの前史から、アストゥリアス、そして『百年の孤独』を経てイサベル・アジェンデ『精霊たちの家』などの現代作家に至る流れを平易に解説する。南米文学の解説書。

この本はレオナルド・ダ・ヴィンチの伝記ではありません。ポール・ヴァレリーの問題意識に沿う形でレオナルド・ダ・ヴィンチの「知性」を読み解いているのです。
どんな作家にも、評論家にも必ず問題意識があります。ヴァレリーの問題意識は、知性はどうあるべきかとい…

架空の村、マコンドの百年に渡る年代記。しかしただの年代記ではなく、色々な話が錯綜した年代記なのです。途中、戦争に巻き込まれて駅で三千人の死傷者が出たりと様々な出来事が起きます。

マヤの神話を題材にしていますか、リョサやボルヘスとは異なり、アストゥリアスの場合は伝説と夢と日常が題材にしています。例えば、「埋没した都市に住んでいる人々の吐く息を吸っているという」信仰。

戦後だけでもリョサ含め、6人の作家がノーベル文学賞を受賞しています。マジックリアリズム。本書は研究史、アステカの神話、マヤの神話、メソアメリカの神話に分類しながら解説する。

多崎つくるは大学二年の七月から翌年の一月にかけてほとんど死ぬことばかり考えて生きてきた。四人の友人たち、「シロ」「クロ」「アカ」「アオ」から突然、縁を切ると言われたからだ。

リョサ、ガルシア=マルケスなどの技法はマジック・リアリズムと呼ばれ、神話や伝説と絡めてるんです。インカ帝国と一口に言っても地方によって神話が様々でして、本書では地域別に分類して神話を紹介しています。

ラテンアメリカ文学が世界的に注目されています。例えばアストゥリアス、バルガス・リョサガルシア=マルケスは三人ともノーベル文学賞を受賞し、「百年の孤独」は2002年は世界傑作文学100に選ばれています。

カトリーヌ・アルレーといえば、悪女で有名な作家ですが、癖のある作品を書くことでも知られています。アルレーお得意の悪女ものを始め、SF、実録など多彩なアルレーの短篇集です。

インカ帝国とは今のペルーに栄えた文明です。アステカとは違い、文字を持っていませんでした。そのため、スペイン人などが「好き勝手に話をねじ曲げたり、部分的に削除(中略)したりすることができた」といいます。

四色問題とは「でたらめな地図を描いて、隣り合う地域が同じ色にならないようにするように塗り分ける。この場合、色が四色あれば事足りる。どうしてか?」であるが、これはプログラムを使ってようやく証明された。

八歳と十二歳の少女を強姦後、殺すという事件が発生した。トマは息子の動機を探ろうと、関係者に聞いて回る。真犯人をかばっていた、などの意外な展開もなければ、救いもない。

本書はエジプトの神々をギリシャの神々と対比させて論じているのですが、何でこの人はこんなことを問題にしてるんだろう、という印象。 プルタルコスの問題意識はおそらく、異なる倫理観の統一だったと思うんです。

『金枝篇』で有名なフレイザー。彼が各国、各民族に伝わる民間伝承の中から「火をいかにして手に入れたのか」に的を絞って集めた論文集です。昔話の寄せ集めという印象で読みやすかったです

荘子という書物の成り立ち、変遷から、従来の議論を概説しています。中国国内や英仏の議論で、ドゥルーズやデリダ、スピノザなんかも登場しています。

興信所の伊達が信州の日ノ本村で失踪した。村長の車で長野駅まで送り届けたというが、底なし沼付近で彼のライターが見つかる。日ノ本村では七年に一度の祭りが始まろうとしていた。この祭りと伊達との関係は?

「新ハムレット」はハムレットを下敷きにしながらも自己演技などを題材にしています。「女の決闘」は無名な作家を太宰治自身が掘り起こしたという設定で描かれているのです。

マルティン・ハイデガーは二十世紀の哲学界に多大な影響を与えた。この本はハイデガーの『存在と時間』にスポットを当てて、世界内存在、実存、時間などの問題を解説する。

処女論文「ナトルプ報告」から晩年の「存在と時間」まで、〈ある〉という謎に挑み続けたハイデガー。彼は科学技術に対してどういう態度を取っていたのだろうか。また哲学との関係は?
なぜかハーバーマスは技術・公共性という社会学的な問題意識を持っているという思い込みを持っていまして…