神学・政治論(下)

後半部は国家論について。聖書分析から国家論へは飛躍が大きいが、「一人一人の人間ができる限り安全に暮らせるように(中略)自分自身や他人に害を及ぼさない限りで確保する」とホッブズに近い考えを見せている。
本が好き! 1級
書評数:507 件
得票数:848 票
エラリー・クイーンなどの推理小説に興味を持ち始めました。そしてロス・マクドナルドの影響でフロイトに出会い、精神分析を読み進めていくうちにラカン、アルチュセールなどのフランス現代思想に興味を抱いています。

後半部は国家論について。聖書分析から国家論へは飛躍が大きいが、「一人一人の人間ができる限り安全に暮らせるように(中略)自分自身や他人に害を及ぼさない限りで確保する」とホッブズに近い考えを見せている。

今でいうテクスト・クリティークの嚆矢。スピノザの切り口が面白い。古代イスラエルの預言者による記録の寄せ集めが旧約聖書なのですが、テクストの綿密な読解、当時の生活がどうだったのかを検討していくのです。

キャラクター小説より「私」小説の書き方というべき本。偏りは否めませんが、小説作法というよりは文芸批評です。

漱石に先見の明があるかのように思うかもしれません。しかし漱石も神経衰弱になるという精神的な死を体験しています。その経験の末、自分本位に行き着きました。他人より自分の価値観を大切にしたのです。

科学はどのように発達するのでしょうか。クーン以前では今まで累積的な知識の蓄積が、科学の発展を支えてきたと考えられてきました。しかし、クーンはここにパラダイムという概念を登場させました。

ラカンの文体になる前のラカン。よく引用される「症例エメ」、そしてスキャンダラスな「パパン姉妹の犯罪」など犯罪者の精神分析や、患者の手記からの精神分析が収録されています。

売れっ子作家のノエルと新妻のバーバラとの甘い結婚生活は長く続かなかった。彼女の夫を名乗る人物から電話がかかってきたのである。スキャンダルの発覚を遅らせ、その間に正式な離婚手続きをしようとするが……

ウィリアム・フォークナーは、南部の黒人をテーマに淡々と社会を描写しています。この短編集は「嫉妬」「エミリーにバラを」以外はほとんど黒人への差別、偏見が描かれています。

科学史を紐解きながら、どうして無責任態勢になったかを探求していきます。しかしその19世紀末の姿勢では変わりつつありますし、変わらなければいけません。科学者の倫理に関する諸問題を紹介しています。

ゲーテは有名な詩、「魔王」で早くから日本人に親しまれてきた。また彼と同じ時期に活躍した戯曲家シラーなども日本に馴染み深い。近現代で言えばリルケ、ハイネなどの詩も収録されている。

ボルヘス作品の特徴は博覧強記な文学、哲学の知識──特にルネサンス期の哲学──にあります。 この本は講演録なのですが、そこでもさまざまな詩人を引用しながら、詩とは何かについて語っています。

アンソロジーを読むメリットは新しい詩人が発掘できる他に、もう一つあります。個人の詩集だとどうしても文体、テーマなどが画一的になってしまいがち。ブラウニング、シェイクスピア、チャールズ・ラムなどを収録。

石油王のエヴァと結婚したリヨネル。ハネムーン中、モーターボートの炎上事故で、エヴァは死亡。シェザーヌは顔も見分けがつかないほどに火傷を追ってしまう。これを機会に彼は一芝居打つことにしたのだった……

ある日、ペーター・シュレミールは影と金貨が無限に出てくる袋とを交換する。しかし恋に落ちる。やがてデート中は何とか誤魔化していたが、婚約の一歩手前になって影がないと発覚して破談になる。

ちょうどその頃、猫と話せる知的障害者のナカタがヒッチハイクで四国へ向かっていた。入り口の石を見つけないといけないと言う。しかし田村カフカの父親殺しの容疑者だった……。

世界でもっともタフな15歳、田村カフカは東京から四国に家出する。道中、姉と思われるさくらに出会い……。四国では父親が何者かに刺殺されたとニュースで聞き……。

「雨」は叔孫豹が雨の中を権力争いに敗れ、逃げる描写から始まる。そして山中の小屋で一人の美女と出会い、一夜をともにする。 政権を取ると、女が十五歳の少年、牛を連れて訪れる。彼女は牛を叔孫豹に雇わせるが……

精神科医でパラノイア、精神分裂病など多くの講演を行なったジャック・ラカン。彼は聴講していた多くの哲学者に影響を与えた。本作では、コジェーヴの講義などがラカンの思想形成にどう影響していったのかを探る。

ソフォクレスはどうして『オイディプス王』を書いたのかは戦争にある。籠城戦もまたアテネにとって悲惨な結果をもたらした。籠城戦の最中に疫病が流行し、アテネ城内はわずか二年間で約四分の一が病死した

女子中学生の芳山和子が理科室の掃除をしていると、準備室で大きな音がした。彼女が行ってみると、試験官が割れていて、そこからラベンダーの香りが充満していた。その香りを嗅いだ途端、和子は気絶してしまう……