遠い声遠い部屋
みずみずしいタッチと繊細、指摘な感情表現で描く少年の心。ジョエルの〈父親〉探しの旅は成長の旅でもある……。
ある日、叔母のもとに「ジョエルを引き取りたい」という手紙が届きます。そしてジョエルは父親の住む村に…
本が好き! 1級
書評数:239 件
得票数:444 票
エラリー・クイーンなどの推理小説に興味を持ち始めました。そしてロス・マクドナルドの影響でフロイトに出会い、精神分析を読み進めていくうちにラカン、アルチュセールなどのフランス現代思想に興味を抱いています。
みずみずしいタッチと繊細、指摘な感情表現で描く少年の心。ジョエルの〈父親〉探しの旅は成長の旅でもある……。
ある日、叔母のもとに「ジョエルを引き取りたい」という手紙が届きます。そしてジョエルは父親の住む村に…
液体空気をかぶって、顔を失った男の話。〈顔〉を失うことはアイデンティティの喪失とも解釈できる。〈見られる〉ことがなくなって、次第にアイデンティティ喪失へと……。
主人公は液体空気をかぶって顔を失います。この小説において、顔を失うことはアイデンティティの喪失とも…
法律とはどうあるべきか? 刑罰は何のために科するのか? 『社会契約論』に基づいてベッカリーアの刑法の構想が語られる。
ベッカリーアが生きていたフランス革命以前の時代というのは封建主義がまだまだ根強く、また教会の権力も…
ルソーの教育思想を小説の形で説いている『エミール』。下巻はエミールだけでなく、妻になるべき少女ソフィーの教育方針も表している。
エミールの下巻これは少し番外編という感じがしました。この本はエミールという架空の少年を通してルソー…
エミール中編では青年期の教育方針と信仰について示されている。信仰についての箇所はサヴォワ助任司祭の口からルソー自身の信仰についてあるべき姿を考えています。
ルソーが自身の教育論を説明するために生み出したエミール。さて上巻では少年期の教育方針について語られ…
エミールという架空の人物を作り上げ、どうやって教育したらいいのかという方針が語られる。基本的に自然のままに育てようという方針。上は少年~十二歳。
ルソーはどちらかというと哲学者というよりも社会学者というイメージが僕にはあります。哲学のようなあの…
『反時代的考察』下巻では、厭世的なショウペンハウエルを論じた「教育者としてのショウペンハウエル」、形式よりも情動を重んじたワーグナー論「バイロイトに於けるリヒャルト・ワーグナー」を収録。
上巻では「ダヴィッド・シュトラウス」を始めとする俗物的な当時の風潮を批判していました。つまり、意志…
俗物文化として当時の教養主義を批判した「ダヴィッド・シュトラウス」や、歴史の〈進歩〉という概念を批判した「生に対する歴史の利弊について」を収録。
当時のドイツは俗物ばかりだったとニーチェは思っていたようです。しかも彼らは、「自分の「教養」こそま…
今でいうライトノベルみたいな感覚。勧善懲悪で、決闘も恋愛もあります。傲慢な役人からはアメリカ独立戦争の影響が窺えます。
ゾロは弱きを助け強きを挫く義賊。しかし役人の態度がひどく、ひそかに応援するものも少なくなっ買った。…
たいがい、人に小説を勧めると「あらすじは?」と聞かれます。でも『Self-Reference ENGINE』にいたってはあらすじなんか意味がありません。
たいがい、人に小説を勧めると「あらすじは?」と聞かれます。でも『Self-Reference EN…
イランの神話で、自分たちの統治を正当化するための叙事詩。例えば蛇王ザッハークや英雄ロスタムの話などが語られる。物語としても面白い。
『王書』は中世のペルシャの詩人、フェルドウスィーがまとめた叙事詩。神話は「神」の「話」ですが、これ…
これは捜査過程を見せる/捜査過程で魅せる小説。クイーンやカーのような派手さはないけど、じわじわと犯人を追い詰めるさまが面白い。
ダークという女性がフレンチ警部のもとへ助けを求めてやってきた。通勤電車の中で知りあった女性に誘われ…
アマンダ・ウィングフィールドは娘、ローラに若いころの夢を託して、紳士と結婚させたがっていた。しかし足の悪いローラは引き込もってしまう。ある日、アマンダにせっつかれ息子、トムは同僚を紹介するが……。
セントルイスの裏街に住むアマンダ・ウィングフィールドは娘、ローラに自分が若いころに見た夢を託してい…
長年、文字(エクリチュール)は音声(パロール)の代補でしかない、と見なされてきました。ルソー『エミール』『告白』などを手がかりに文字/音声の二項対立を崩していく野心的な試み。
西洋思想史の中では<文字(エクリチュール)>は<音声(パロール)>を転写したものにすぎない、代わり…
いままで河合隼雄を読んできたけど、ちょっと症例が少ないです。不登校や悩み事の例を求めている人は不満かもしれません。
「ティファニーで朝食を取れるようになっても、わたしはわたしのままでありたい」……。そう願うホリーとの回想録。
「ティファニーで朝食を取れるようになっても、わたしはわたしでありたいの……」。そう願うホリデイこと…
エマは町医者のシャルル・ボヴァリーと結婚するが、その生活は退屈だった。その退屈から逃れるためにロドルフやレオンに恋をするが、虚飾に満ちた生活を送るようになる……。
エマは町医者、シャルル・ボヴァリーと結婚するが、退屈な生活を紛らわすためにレオンと不倫をする。 …
フレディは女遊びが激しいが、世渡り上手な警官。ある日、ナンパした女が殺される。彼は拷問の末にエディという遊び人を自白をさせるが、冤罪だとわかり……
フレディは女遊びが激しいが、世渡りが上手い警官。例えばいい勤務条件を取り付けるために、上司のゴルフ…
ポストモダン文学からも語ることができる(?)ミステリー。でもなぜ今(さら)この手の小説なのかが問題。
事故で全盲になってしまったポールの自伝執筆を助けるため、ジョン・ライダーは雇われる。しかし、ふとし…
キリスト教を広めるために中国へと渡ったパール・バックの母、ケアラ。だが、それは苦難の道のりであった。パール・バックが母の姿を追う!
まず、僕は自伝や一族の年代記があまり好きではありません。 なんというか、自分はこんなに苦労した…