ハグとナガラ
旅小説というより、中高年女性応援小説。男子にはちょっとピンとこないなぁ
土佐日記の例を挙げるまでもなく、古今東西旅というものは男がするものであった。東方見聞録然り、東海道…
本が好き! 1級
書評数:2211 件
得票数:30076 票
「本を褒めるときは大きな声で、貶すときはもっと大きな声で!!」を金科玉条とした塩味レビューがモットーでございます。
旅小説というより、中高年女性応援小説。男子にはちょっとピンとこないなぁ
土佐日記の例を挙げるまでもなく、古今東西旅というものは男がするものであった。東方見聞録然り、東海道…
アナザーフェイスシリーズ第4弾ですが、今までの流れとは少し変わって人情噺を絡めてきています。こちらの雰囲気のほうが好きです。
有能だからと言って上司に贔屓されている「嫌な刑事」大友鉄が活躍するシリーズの第4弾。この男ハンサムで…
台本通りに舞台上で刺殺された劇団主宰者。引き続いて起きる劇場型見立て殺人事件。知り合いが起こした殺人事件を担当する刑事はいつもの勘が冴えません。これに伴いストーリーも混乱していて・・・。
妻を亡くし男手ひとつで息子を育てつつ警視庁・刑事総務課に勤める大友鉄が主人公のこのシリーズです。い…
「自分らしく」生きることの素晴らしさを謳う「ぶす小説」であり最高の「猫小説」。他人の目を気にしすぎて引きこもったり、希望を持てなかったりする若者に読んでほしい。
小説の書き出しはあまり気にしないのではあるが、本書の一行目 きりこは、ぶすである。 は流石に衝撃的…
表題作「獅子吼」は格調高い文体で反戦思想、過酷な運命を受け入れざるを得なくなった時の矜持、善なる人間の性を謳いあげた浅田次郎渾身の名短篇だと思います。
泣かせ屋、浅田次郎の6編の短編集ですが、それぞれに味が違うにもかかわらず、浅田節が根底に流れていい…
主人公は耳が聞こえない女子高生・麻里子が殺人事件に巻き込まれる話。障碍者を主人公とした小説はこのご時世何かと難しそうだが、ミステリとしてもなかなかうまくまとめています。
障碍者が出てくる話はとかく差別だとか、特別扱いするなといった意見が出たり、過剰に美化したり現実と乖…
政と源は幼馴染の74歳のジジイ。2人とも独居していますので三浦さん得意のオッサンならず、ジジイ版BL小説家と思いきや、なかなか泣かせる人情噺になっています。
ジジイが主人公の小説といえば「3匹のおっさん(有川浩)」や「四人組がいた(高村薫)」「銀齢の果て(…
人類最強シリーズ2巻目です。「純愛」のタイトルには偽りあり、勿論恋愛小説ではありません。人類にもはや敵がいなくなったので作者が困ってる感じがひしひしと伝わります。
「人類最強の熱愛」、「人類最強の求愛」、「人類最強の純愛」、「哀川潤の失敗1」、「哀川潤の失敗2」の…
人類最強がゆえに全人類にハブられたり月に放り出されたりする哀川潤。この西尾維新が創造した最も愛すべきキャラクターは既に地球上に敵がいなくなったので、まさかのSF展開となります。
破天荒なスケールと世界観、独特すぎるというより異様なキャラクター群で魅了した「戯言シリーズ」と「人…
凝ったプロット。引っ張る謎、そして粋な登場人物たち。和製探偵小説のひとつの頂点に立てる名作です。
欧米は探偵小説の名作が多くみられますが、日本での探偵というとあまり脚光の当たる職業ではなさそうで浮…
松本清張賞のミリタリーサスペンスですのでかなり期待したのですが・・・・
「推定無罪」「推定少女」「一応の推定」「推定相続人」…ミステリは須らく推定する者ですが、題名の堂々と…
オタク礼賛のべたなストーリーですが、作中に出てくる小説3本がいずれもコテコテでいい味を出しています。こんなにこっぱすかしい小説を読むのはなかなか経験できずにかえって新鮮。
社史編纂室なんていう部署は仕事ができない社員を飼い殺しにするためにあるに決まっているのですが、そこ…
ヤクザの阿岐本組が崩壊寸前の組織を再建するというユニークな「任侠シリーズ」第3弾。まさかヤクザが医師や看護師の代わりになるわけでもあるまいし、これは設定に無理があり過ぎると思ったのですが・・・
このシリーズに共通しているのは、ヤクザでありながら、正論、道徳で物事をはかり、問題点を的確に把握し…
葉室版、女の眼から見た「シーボルト事件」です。
葉室といえば武士道を美しく描く歴史小説家という印象ですが、本小説は「シーボルト事件」という史実を下…
ヤクザが荒れた学校を立て直すという異色すぎる学園小説。「ヤクザはそもそも学校なんかまともに行ってないだろう」と突っ込みたいところまでも今野さんは押さえていてそつがないエンターテーメント小説です。
学園モノなのですが、主人公は学生でも先生でもない理事という経営陣。そいつらが全員ヤクザといったヤク…
ヤクザが出版会社を経営って、フロント会社にするには出版不況もあり、旨味がないんじゃないかって・・・いやいやそういうどろどろした物語ではなくって、スカッと楽しめます。
所謂ヤクザコメディー。プリズンホテル(浅田次郎)系のお話です。世間から鼻つまみ者の反社組織・暴力団…
旅屋という題名からてっきり旅館を舞台にした物語かと思っていたのですがこれが意外にも「代理旅行業」。こんな商売がうまくいくとはとても思えませんがコロナ下ならひょっとしたらね。
主人公は売れないタレント『おかえり』こと丘えりか。このダジャレ感覚は大嫌いで、経験的にこういう小説…
たった200頁ほどの掌編ながら(だからなのか)難解な小説です。謎が多くて、その解や作者の言わんとする点が掴めません。もやもやとした読後感ですがそれもまた楽しです。
終始ぼんやりと薄い膜がかかったような語り口。過去に訳ありなことは伺い知れるのですが、その正体を意地…
紹介には青春小説とありますが、とんでもなく重い社会派小説です。いじめられていた主人公が大学で正義の味方研究部も入部して変わっていく話。常識としてとらえられている「勧善緒悪」の根幹を考え直させられます。
タイトルはずばり「正義のミカタ」。でもこれは正義の味方ではなく正義の見方であることはすぐわかってき…
仮面病棟舞台・田所病院でまた事件。病院内の閉鎖空間で起きる拉致・監禁事件ですが仕掛け人(殺人犯)は意外なところにいて…これまた斬新なアイデアと思われます。
拉致されて廃病院に閉じ込められた五人。クローズド・サークルものの定番のおぜん立てで、どうやらこの中に…