蒼空時雨
零央の秘密には驚かされた。が、20年以上孤独に生きてきた紗矢の性格が思いのほか軽く感じてしまった。また、零央の演劇部での日々がバックボーンとして描かれてないので、全体的に人物描写に稚拙さを感た。
本が好き! 1級
書評数:250 件
得票数:398 票
好きな小説のジャンルは問いませんが、自らの傾向を見てみると比較的ミステリーが好きなようです。ただどんな小説にもミステリー要素というものが存在している為、一概にひとくくりには出来ないのですが、「犯人を当てる」もしくは「謎を解明する」という部分を物語のキーポイントにしているような小説を読む事が好きなようです。答えを読者に投げかけるような小説も嫌いではありませんが、そういう突き放した小説には読むべきタイミングがあり、そのタイミングを間違えると、どんな名作も駄作になると思っています。人の出会いと同じく本との出会いもタイミングが合うと幸せです。
一応、評価というものを付けています。評価方法としては衝撃度・独創性・洗練・感性・余韻を意識してますが、はっきりいって当てになりません。自分の為のメモ書きのようなものです。独創性がなかろうと、面白いと感じたものが面白い!で良いと思ってます。また、一度目に読んだ本が二度目には色あせて見えたり、その逆があったりという事も良くあります。10歳の時に読んだ本が60歳になっても同じように面白いとは思いません。本の面白さとは『本の内側』である内容・表現と『本の外側』である読み手の心境・環境が合致した時に生まれるものだと思っています。
ただ、個人的ランキングの上位(★8~10)に入る作品は、読んでいる自分自身の感情(楽しい、嬉しい、悲しい、恐ろしいetc)が突き動かされるような作品が多いようです。スポーツものに関して内側から燃えるような感情が湧きあがる事が多いのですが、数が少ないので日々探し中です。また、青春ものは疾走感がある話も好きですし、逆に思春期特有のほろ苦さがある話も好きです。
また、作者に対して「コイツはやられたぁ」と思うような作品も比較的好きです。叙述トリックも大歓迎です。善意なる騙しには思わず笑みがこぼれるようです。倒叙ミステリーも好きで犯人が論理的で頭の回転が早ければ早いほど面白く感じます。
零央の秘密には驚かされた。が、20年以上孤独に生きてきた紗矢の性格が思いのほか軽く感じてしまった。また、零央の演劇部での日々がバックボーンとして描かれてないので、全体的に人物描写に稚拙さを感た。
文章全体に綻びのような違和感があるが、僕は最後の文章を読むまでその綻びの正体に気が付きませんでした。やっぱり女性は怖いなぁ、笑。ただし、恋愛小説としては決して面白い訳ではないので注意!
作者の性格が見てとれるような緻密さでした。導入部に若干入りにくさがありましたが、キャラも立っていて面白く、読み応えのある小説でした。貴志祐介の初作品だったので他の作品も読んでみたいと思います。
面白かった。陣内のキャラクターが「砂漠」に出てきた西嶋と少しだけ被るような気がしました。いや、陣内の方が少し適当な印象かな^^;西嶋の方がどちらかといえば好き。
読後感の悪さという印象はあるが、物語全体を通した主人公の行動が愛情から生まれている事を意識すると少しだけ救われた気持ちになる。初めての北村作品が今作だったのでテイストの違う他の作品も読んでみたい。
伊坂幸太郎の他の作品から入ったので、冒頭はちょっとついていけない部分があったが、なんのその。後半に向かってグイグイ押し上げられてしまいました。’単純に面白かった。’
長文レビューにて感想。
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長文レビューにて感想。
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長文レビューにて感想。
H24/04/05 初塔山作品。題名をもう少しシンプルでインパクトのある言葉にしたほうが、多く…
箱の中の失楽のオマージュ作品。これは本当に判断が難しい。乾くるみの本で一作目にこの作品を読んでいたら他のは読んでなかったかもしれない。正直読むのに苦労した。ついていけなかったので自分向きではないかも。
素直に驚いた。これは推理小説ではなくて、捻くれた恋愛小説なのでしょう、笑。読み返すとニヤリとできて面白い。あえて①を付けてミスリードしてるが、(おそらく)続編が出ないところも面白い。
「柩」の結城中佐の過去といつの間にか閉じられていた瞼に結城中佐の魅力を感じた。登場が少ないのにとんでもない存在感の結城中佐。よく考えると存在感とカリスマ性があり過ぎてスパイっぽくないのも面白い。
結城中佐が格好良すぎる。人格部分や人間背景を敢えて掘り下げてないような印象を受けた。これはドラマ化されたら是非見てみたい。「XX」が結城中佐の隠れた人間性がほんの少し見えて魅力のある話だと思った。
ガッツリとミステリーだと思ってると置いてけぼりを食ってしまう印象。森島有佳と他の参加者が話している記述があるのはどうなんだろう?エピローグを読むとやはり4人存在するのか?それは精神世界での話なのか?
長文レビューにて感想。
H24/04/02 飛鳥井先生の作品は何故だか妙に肌に合う。驚くほど自然に身体に入ってくるので…
真賀田博士の「矛盾が綺麗」という言葉。合理的でないものの美しさを感じることが出来るからこそ人間だが、その普通の感性に近づいていく事に可笑しさを感じる真賀田博士も矛盾しており「綺麗」だと感じてしまった。
2段ほど飛んだ話だったきがする。初期のころの犀川は「動機」という存在に対して否定的だったが最近はそう見えない所がある。何にしても萌絵はいつも危なっかしくて、犀川は変わっているが誠実で格好いいと思う。
シリーズ全編を通して作り上げた固定観念を使って、見事に騙してくれて気分が良いです♪最近騙されまいと身構えて小説を読んでいる所があるので完璧に騙されたのは久々だった。西之園家は・・・血だな(笑)
IQの高い中学生の文章を読んでる感じ。私は「森氏の小説」のファンであって「森氏」のファンではないという事を強く感じてしまった。ただし、最後の締めの言葉は思わずニヤリ、この文章の乗った小説を読みたい。
面白かったが、犀川と萌絵の登場シーンが少なかったので物足りなかった。自分は犀川が好きなんだなぁとしみじみ思う。最後のネックレスは救いではあるが、あのタイミングで偶然出会うのは少し出来過ぎかな。