表題作のほか、嫌いでも好きでもない人間と同居関係になった子供の機微が描かれる短編が収録。申し訳程度についているそちらの短編のほうが好きでした。

　瀬尾まいこ感想４作目。過去感想『 温室デイズ 』『 天国はまだ遠く 』『 卵の緒 』 【裏表紙粗筋…

いじめに耐えた中で掴んだのは、本当に些細な変化だけ。

　瀬尾まいこ感想３作目。間に幸福な食卓を読みましたが、それも好きでした。 　過去感想『 天国はまだ…

決定的に共依存の関係になっていってしまった父と娘を通して、家族の意味を探している長編。途中で読むのを辞めてしまうよりも、最後まで読んだ方が後味が幾分かいい。

【裏表紙粗筋】 落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった…

文化祭でつくるミステリー映画の脚本を担当していた人間が、体調を崩してしまった。その代わりに、彼女の用意していた結末を推理してほしい……。先輩からの難題に折木が挑む。

　古典部シリーズの２作目。米澤穂信さん３作目。 　過去感想→『 氷菓(古典部シリーズ１作目) 』　…

事件、事件の連続で、ミステリーを読むのに疲れた方に、読んでみてほしいミステリー。

【裏表紙粗筋】 いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い…

精神疾患の療養のため、無職の男女がのんびり過ごす、穏やかな日常。

　仕事を辞め休養のために選んだ町は、ロードサイド店が多くある、都会から少し離れた静かな場所。 　智…

自分の代わりにサキという女性が生まれた「可能世界」に紛れ込んでしまった"ぼく"が、全てが上手く回っている「可能世界」を目の当たりにして、自分の不要さを痛感してしまう、なんとも残酷な話

【裏表紙粗筋】 亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖か…

瀬尾まいこのデビュー作。もっといろいろな小説を読みたくなる、中編２編が収録されています。

「天国はまだ遠く」に続いて２冊目。デビュー作だそうです。 　さまざまな笑顔が描かれている場面が多い…

家族が突然「変身」したら、自分は、どうするか。

【裏表紙粗筋】 平凡なセールスマンのグレゴール・ザムザは、気がかりな夢からさめたある朝、一匹の巨…

生徒に愛娘を殺された女教師の復讐

【裏表紙粗筋】 「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」…

第二部からは感情が先行し過ぎている部分があったものの、それでも「抑えたな」と感じさせるくらい、事件調書や反省文の内容は酷い。

【裏表紙説明】 長野県の狭い地域で、相次いで起こったリンチ殺人。弟を守るため、ろくに顔も知らぬ少…

芸道に取り憑かれた青年を取り巻く稽古や恋のお話が、ほどよく混ざり合って、やわらかい仕上がりになっている作品

　日本の伝統芸能の一つ、文楽として一般に知られている人形劇(人形浄瑠璃)を演じる、若手大夫のお話。芸…

伊坂幸太郎を読み始める方へ贈りたい一冊

　伊坂さんを読み始める方へ贈りたい一冊です。小さいけれど特別なやさしさが各編に詰まってる。 　…

音楽が大好きな死神・千葉が出会う様々な人生

【裏表紙粗筋】 CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、…

歴史の転換点として非常に重要な位置を占める事件を小説化。

　結果は知っているはずなのに引き込まれる緊迫感。無駄のない的確な筆致で、非常に上手くまとまった小説で…

失踪した友人を探し、とある島に降り立つ主人公。描写で引っ張り、その中で、じわじわと事件の核心に迫っていく。

　小野さんはそれぞれのカテゴリの体裁を借りながら、私達が「前提として疑わないこと」を掘り下げてくるか…

劇的に希望を見出していくわけでもなく、「これから」が始まっていく物語

【裏表紙粗筋】 イタリア雑貨の買い付けをしながら一人暮らしをしていた私の家に、七歳下の従妹チエち…

問題提示が前面に出た意欲作

【裏表紙粗筋】 東城大学医学部付属病院の“チーム・バチスタ”は心臓移植の代替手術であるバチスタ手…

登場人物の心理が絶妙なバランス感覚で書かれている青春小説

【裏表紙粗筋】 中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少…

中絶を拒否するために新たな人格を創出した女性。夫と精神科医は、病状が深刻化していく中、死霊の憑依などまで疑い始める。

【裏表紙粗筋】 若くして成功した夫との新しい生活。だが予期せぬ妊娠に中絶という答を出した時から、…