悪魔の涎・追い求める男 他八篇―コルタサル短篇集

数年越しの積読本を読んだ。
数年越しの積読本を読んだ。 長く積んでいる本の中には、積んだ理由さえはっきりしなくなっているものも…

本が好き! 免許皆伝
書評数:2238 件
得票数:70701 票
本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

数年越しの積読本を読んだ。
数年越しの積読本を読んだ。 長く積んでいる本の中には、積んだ理由さえはっきりしなくなっているものも…

厳しさの中にも包み込むようなぬくもりのある優しさとしなやかさを感じさせる物語たちが愛おしく思える1冊。
先頃読んだアンソロジー 『絶縁』 に収録されていた書き下ろし作品「穴の中には雪蓮花が咲いている」が素…





朝鮮近代史を背景にした4世代にわたる家族の物語だ。愛と友情の物語でもある。疲れ果て傷ついた女たちの傷を癒やす物語でもあり、母娘の再生の物語でもある。
心というものが取り外しのできる体内の臓器だったなら、胸の中に手を入れて取り出し、温かいお湯で洗っ…

10年越しの願いが叶って、とうとうゾラン・ジヴコヴィチの『図書館』を訪れるときがきた!
はじめてゾラン・ジヴコヴィチに出会ったのは、忘れもしない2011年に東京創元社が刊行した21世紀東欧…

生粋のシャーロキアンを自認するあなたも、ホームズならいくつか読んでいるというあなたも、ホームズ?ほとんど知らないのだけれど…というあなたもきっと楽しめる!
この小説は香港人である私からシャーロック・ホームズへの恋文であると同時に、シャーロキアンである私か…

このシリーズ、今後も追いかけてみようと思わせるのに十分な、読み応えたっぷりのアンソロジー。(以下敬称略でお届けします)
“サイノフォン”という聞き慣れない言葉と、劉慈欣の名前に惹かれて手にした本。 なんでも華語文学の新…

闘うことも抗うことも許されなかった女たちの目に映る、争い死んでいく男たちの物語は、同時に、嘆き悲しみながらもしたたかに生きていく女たちの物語でもある。
10年にわたったトロイア戦争の最後の年。 トロイアの近隣都市リュルネソスが、ギリシア連合軍によって…

神々の思惑に振り回される人間たちの喜悲劇なのでは…と思っていたが、よくよく考えてみれば、自分たちが身勝手な欲望によって引き起こした戦争と殺戮の責任を、神々に押しつける人間の方がよっぽど身勝手なのかも。
※上下巻合わせたレビューです。 そもそも二人を争わしめたのは、いかなる神であったのか。 …

もしかして、あなたも私も「きらら」かも。
親子以上に年の離れた読友Kちゃんの、“とてもよかったがどう良かったのか言い表すのが難しいので、是非読…

北村薫ほど“読むに際して膨大な教養を必要とする作家”はそうそういないという気がしている。
最初にお断りしておくが、私は決して北村薫の良い読者ではない。 忘れもしない2015年。 作家が …

イギリスの児童文学作家バーバラ・レオニピカードによる『イーリアス』の再話をおよそ半世紀ぶり(!)に再読。この再話の一番のウリはなんといっても、『イーリアス』以前のあれこれを語るプロローグだ。
ホメーロスの二大叙情詩『イーリアス』と『オデュッセイア』が、ギリシアとトロイア(イーリアス)との間の…

大正時代を舞台に文豪をはじめ多くの著名人たちをかりだして、実話とフィクションを織り交ぜながら繰り広げられる“大正浪漫ミステリ”。どこまでが実話でどこからがフィクションか気になる読者も多いはず。
江戸川乱歩に野口英世、 鈴木三重吉に芥川龍之介、 島村抱月と松井須磨子 与謝野鉄幹と与謝野晶子…

シリーズも15作目となれば、多少のマンネリ感は仕方が無い…と思うでしょ?でも安心して、相変わらず面白いから!
レディ・ジョージアナ(ジョージー)は、 ヴィクトリア女王のひ孫にあたるラクノ公爵令嬢。 結婚前ま…

今回も主役をはるのは訳あり難ありのベックストレーム。何を隠そうこの警部、絶対にお近づきにはなりたくないと思うような本当に嫌な奴なのだ。
それは確かに誰から見てもありふれた事件のように思われた。 元々知り合いだったアル中(最近では“…

「すべて、というのは--厚かましく、うぬぼれで膨れ上がった言葉だ」と、シンボルスカはいう。
ポーランドの詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカ(1923~2012)が2002年にまとめた詩集の全訳。 …

“知られざる真実”はもちろんのこと、同時代の作家や俳優との交流など、20世紀前半の英米文化史としても興味深い1冊。
著者のアン・スウェイトはイギリスの著名な伝記作家で、東京女子大学で教鞭をとったこともあるのだそう。 …

収録作品は全部で十篇。モーパッサンの多面的な文業やその魅力を紹介することをめざして編んだという中・短篇アンソロジー(全三巻)の第一弾。
光文社古典新訳のこの本は、モーパッサンの多面的な文業やその魅力を紹介することをめざして編んだという中…

ロンドン結婚相談所シリーズ第3弾!シリーズも3作目ともなれば、顔なじみやご贔屓の登場人物たちも増えてきて、あの人この人の活躍も楽しみ。
元腕利き英国諜報部員で頭脳明晰なアイリスと、鋭い観察眼と貴族の人脈を持つ最愛の夫を戦争で亡くしたグウ…





出し惜しみするわけではないが、どんな話だったかとあれこれ説明する気にはなれない。ただただこの世界に浸っていたいとしか。たとえ、溺れてしまっても……。
3冊目の短編集『陽だまりの果て』で、第50回泉鏡花文学賞を受賞した大濱普美子さんのデビュー短編集。 …

タイトルからして楽しい話が詰まっているはずはなかったが、“絶縁と接続を繰り返しながら”明るくなったりどす黒くなったり、思わず自分の足元の色を確認したくなってしまう読み応えたっぷりのアンソロジーだった。
アジア9都市9名の若い世代の作家が、「絶縁」をテーマに書いた短編小説を収録した日韓同時刊行のアンソロ…