人形館の殺人 <新装改訂版>



  

主人公・飛龍想一の〝遠すぎる風景〟に秘められた「過去の罪」とは何か?京都の閑静な、お屋敷町に建てられた「人形館」で忍び寄る殺人者の脅威。
「人形館の殺人」は、館の立地条件が他の作品とは異なっている。今までの作品は「十角館の殺人」や「水車館…

					本が好き! 1級
					書評数:148 件
					得票数:3216 票
					
推理小説が大好きです。エレキギターとドラムを演奏します。



  

主人公・飛龍想一の〝遠すぎる風景〟に秘められた「過去の罪」とは何か?京都の閑静な、お屋敷町に建てられた「人形館」で忍び寄る殺人者の脅威。
「人形館の殺人」は、館の立地条件が他の作品とは異なっている。今までの作品は「十角館の殺人」や「水車館…



  

綾辻行人氏の「館」シリーズ第二長篇。「水車館」と呼ばれる異形の館に住む、白い仮面をかぶった主人と幽閉同然の美少女の妻。一年前の奇怪な事件を知る客たちが集まったこの屋敷で起こる惨劇。トリック満載の傑作。
岡山県北部ー山間の地に、「水車館」と呼ばれるこの建物は建つ。欧州の古城を思わせる、石造りの外壁に囲ま…
  



  

冒険ファンタジーの王道をゆく壮大なストーリーだ。故郷を追われ、熱砂の彼方へ波瀾万丈の旅に出る少年・カルス。魅力的な登場人物と不思議な生き物たち。圧倒的な世界観に魅了された。
独楽風(こまかぜ)が吹きはじめ、世界から隔てられてから数百年。最果ての地、「扶桑(バンソー)」という…




  

ケータイもなければインターネットもない1980年代。大学のミステリ研の七人が角島と呼ばれる孤島を訪れ、島の奇妙な建物「十角館」で次々と惨殺される。綾辻行人氏のデビュー作。
S半島J崎沖に孤島・角島(つのじま)がある。半年前、そこにある建築家・中村青司邸、通称「青屋敷」が炎…




  

綾辻行人氏の「館」シリーズを順番に読まず、第五作目を最初に読んだ。魅力的な作品だ。第45回日本推理作家協会賞受賞作である。
雑誌『CHAOS(ケイオス)』の特別企画で「鎌倉・時計屋敷の亡霊に挑む」というのがあった。日本で一、…




  

ストーリー自体がたいへん面白く魅力的です。主人公の奈津江を応援したくなります。三津田信三氏の“家”シリーズの第三長篇です。
三津田信三氏の作品においては「子供」が重要な役割を果たすキャラクターとして登場することが多い。〈刀城…



  

「還らざる道」は至極まじめな物語だ。淡々と描かれるストーリーは、ミステリーというよりも文芸作品の趣がある。
愛知県と岐阜県の県境にある奥矢作湖(おくやはぎこ)北岸側で、男の漂流死体が発見された。被害者は、白陽…



  

両親を交通事故で亡くした十二歳の少年が、祖母と二人で引っ越してきた東京郊外の家。その家、そしてその周辺では怪異現象が彼を襲う。“家”シリーズの第一作目である。
主人公は棟像貢太郎(むなかたこうたろう)、もうすぐ中学一年になる十二歳。昨年の秋に、両親を交通事故で…




  

奇書「迷宮草子」はまるで生き物のように恐ろしい存在です。刀城言耶シリーズが面白く、魅了されたので、三津田信三が登場する作家三部作の一つも読んでみました。
「作者不詳 ミステリ作家の読む本」上下巻の書評である。 奈良県の杏羅町……時空がズレたよう…




  

淡首様の祟りや首無しの化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地に起こった惨劇。首無し屍体が意味するものとは何か?ミステリー史にまた新たな風を吹き込む作品だと思う。
本作は、刀城言耶シリーズの第三長篇である。 関東の奥多摩の奥深く開けた山村、媛首村(ひめか…
  


  

この作品は間違いなく問題作である。リアルすぎる表現、限りなく不愉快、筆者との我慢比べであるが、最後まで読めば心に響くものがある。
この物語の主人公・北原十和子は三十三歳、十五歳年上の佐野陣治ともう六年間一緒に暮らしている。別れてか…
  



  

自分を中学一年生だと思い込むおばあちゃん。入学早々、失敗していじめにあう主人公。父と別居中の母。家族の様々な問題を爽やかな筆致で描く感動的な物語だ。家族全員で読んでもらいたい素晴らしい小説だと思う。
都筑夏草は、私立の中学に合格した。小さい頃からずっと憧れていた、望桜(ぼうおう)学園という中高一貫の…




  

刀城言耶シリーズの第一作。本格ミステリーと怪奇幻想。そして民俗学、歴史学を綿密に踏まえながらも、おどろおどろしい因習の世界を描いた、シュールな物語。とにかく、面白く読めた。
「厭魅(まじもの)の如き憑くもの」は刀城言耶シリーズの第一作目の長篇である。私は、最初に第四作目の「…
  


  

本格ミステリーと怪奇幻想の融合を試みたヘレン・マクロイの幻の名作が新訳で発売されたことは嬉しい限りだ。幻想的な作品ではあるが、上品なテイストが感じられる。
ヘレン・マクロイは、アメリカの女流本格作家である。シャーロット・アームストロング、マーガレット・ミラ…



  

短篇小説の名手が描く奇妙な色合いの「恐怖小説」の数々。いろいろな形での夢の話、夢と現実が奇妙に入り交じってゆく不可思議な世界を描いている。
【あやかしの声】 「私」の妻・静子は大学の図書館に勤めている。窓口の係をしていたが、たったひとりで…




  

ホラーと本格ミステリーの融合を試み、独自の世界観を持った三津田信三ワールドに惹き込まれた。刀城言耶の推理が完結した時のスッキリ感は、それまでのモヤモヤが一気に吹っ飛んだ。
「山魔の如き嗤うもの」は、「刀城言耶(とうじょうげんや)」シリーズの四作目である。 物語の…



  

「鐘」をモチーフにしたミステリーは珍しい。鐘についての史実・伝説が興味深かった。警察の形式的な捜査と、浅見流の自由な捜査が対照的で面白い。
夜、浅見家の菩提寺である聖林寺の鐘が鳴った。住職の話では、鐘をよく調べたところ、鐘から血が滴っていた…



  

日本の政財界を揺るがす程の大疑獄事件に浅見光彦が挑む。たいへんスケールの大きい社会派ミステリーである。
造船、橋梁工事、住宅建設など幅広く事業展開している、日洋プラントに勤める清野林太郎の死体が発見された…




  

木曽の馬籠が舞台の作品である。馬籠・妻籠の宿場町風景も風情があっていい。旅情ミステリーとしても面白い作品だった。
馬籠の永昌寺、島崎藤村のお墓の前で、雨に打たれて、女性が死んでいた。被害者は、東京都稲城市東長沼に住…



  

浅見光彦の自分自身が欠落していた遠い記憶をたどって、事件の核心に迫っていくストーリー。何となく不思議な気分にさせられる小説である。光彦の少年時代や陽一郎の過去の秘密も垣間みることができて興味深かった。
誰もが、自分の少年・少女時代の夏休みの記憶が、おぼろげなく残っているであろう。遠く懐かしい情景が、ふ…