カジュアリーナ・トリー




「永遠の夜の国」を抜け出た人々の葛藤とその運命
サマセット・モームの短篇集というだけでもう、 面白いだろうということは予感されたが、実際に読んでみ…
本が好き! 1級
書評数:243 件
得票数:3991 票
読むことも書くことも孤独な作業ですが、言葉はいつも語られ受け取られるためにあるものだと思っています。誰かに喜んでもらえる言葉を語ることができれば嬉しいです。できることならば…。
近・現代日本文学を中心に、外国文学、児童文学、医療・健康関係の本、必要に応じて読んだ実用書などについて書いていきたいと思っています。
不定期でアロマテラピーインストラクター、セラピストの仕事をしています。




「永遠の夜の国」を抜け出た人々の葛藤とその運命
サマセット・モームの短篇集というだけでもう、 面白いだろうということは予感されたが、実際に読んでみ…




自分自身のもつ絶対感覚によって外界を捉え、冴え冴えとした言葉で捉えた世界を彷徨する孤独な作家
尾崎翠、という名前を聞いたことがある人は、 もしかしたら、私が思うよりずっと少ないのかもしれない。…



自然と生命の変わらない営みに、感謝の気持ちが湧いてくる物語
みなさんが秋の訪れを感じるのは、どのようなときでしょうか。 9月の終わりから10月の初めにかけ…



経済的な「老後不安」に向き合うきっかけになる一冊。 特にNISAと不動産投資に興味のある方におススメです。
「老後不安」──超高齢化社会・低成長時代の現代日本に生きていれば、 誰しも歳を重ねるにしたがって、自…




命が尽きた後も、形が失われたとしても、永遠に生き残る精神性、あるいは生命の痕跡
デビュー作 『廻廊にて』 が単行本として上梓されたのが1963(昭和38)年、 それから3年後の1…




おやすみなさい。子どもたち──また明日、変わりなく安寧な世界が始まりますように。
9月は月が大きく綺麗に見える季節ですね。 夜寝る前に灯りを消しても、思いがけず明るい月明りに 驚…





いつか生まれる「シェイクスピアの妹」のために──百年前に書かれた、百年後の私たちのための本。
ヴァージニア・ウルフというと、私の読書経験の中では、 かなり難解な作家(もちろん日本語訳で読んだの…



照れながらも真剣に…1980年代を生きた若者たちへ送る言葉
この本は、私にしては珍しく発刊当時にリアルタイムで読んでいない (おそらくは…)単行本だった。 …




深い闇を抱えながら、自分の運命を力強く生き抜いた女性の物語
最近賞をとった作品や、ベストセラーになっている作品は 基本的にはすぐには手に取ることは少ないのだが…




冒険の夏到来! 子どもの自然な好奇心、そしてそれを見守る大人の愛情の物語
感染症の流行に加えて最近のブームもあって、 夏の行楽として、キャンプは以前にもまして人気が高まって…



死後の世界はあるのだろうか。あるとすれば、そこで個々人の意識はどうなっているのか──まだ謎は謎のままのように思える。
「死は存在しない」といわれても…実際、幾人かの家族や近しい人の死去を 体験した身としては、死は厳然…



新しい社会を生きる、新しい価値観を持った若者を「素材としての人物像」として描いた作品
テキストとして選んだ新潮文庫には、「二百十日」、「野分」の 漱石の二つの作品が所収されているが、こ…




子ども時代の日常の風景が、その人の心身に刻まれた大切な拠り所であることを思い出させてくれる絵本
海の近くで育った者にとって、海はなつかしい故郷の風景であるだけでなく、 子ども時代のかけがえのない…



誰か「わたし」を救ってあげてほしい。この「凄まじい孤独」のラビリンスから。
読書が楽しみのための行為だとすると、この本をその目的のために読む人が 一体、どのくらいいるのだろう…



この本を断捨離できるくらい、実践していきたい「断捨離」。
断捨離をしたいのに、断捨離の本を買うと、 その「本」というモノが増えるという矛盾…と多少葛藤はあっ…




せいいっぱい手をのばし、言葉を探し、大切な人の心を探す旅を続ける決意
今(2023年)からほぼ40年まえに出版された、村上春樹の4冊目の短篇集。 …40年! 作家も読者…



家族それぞれが、今日一日、そして一日、また一日と、死なないでいることを積み重ねるための、ぎりぎりの希望
若い世代の作家の作品で、何か心に刺さるものはないかと、 探していたところ、幸運にもこの作品に行き当…



元気で、楽しく、かわいい、子どもたちに似たカエルたちのお話
夏が近づいてきました! 田植えも終わって、田んぼのほうも、そろそろ主役?のお出ましで、 賑や…




他者の力に怯え、自分の存在価値に疑いをもって傷ついた若者の、挫折と再生までの物語
先日読み終わり、ここでも書評で紹介した短篇集、 『メアリ・ヴェントゥーラと第九大国』 の作者、 …



時代や状況の制約を受けながらも、常により望ましい自分に向かって 歩き続けようとする一人の女性の思索と試行の記録
何事でも真の重大事に直面するとき、人は常に孤独である。 私がかくも歴然と一人ぼっちであること…