アメリカン・マスターピース 準古典篇 (柴田元幸翻訳叢書)




両大戦間の仮初の平和の中で、作家たちは何を見て何を感じていたのだろうか。
翻訳家の柴田元幸氏が、アメリカで発表された短篇の中で 「名作中の名作」を選んで編んだといわれる短篇…
本が好き! 1級
書評数:242 件
得票数:3991 票
読むことも書くことも孤独な作業ですが、言葉はいつも語られ受け取られるためにあるものだと思っています。誰かに喜んでもらえる言葉を語ることができれば嬉しいです。できることならば…。
近・現代日本文学を中心に、外国文学、児童文学、医療・健康関係の本、必要に応じて読んだ実用書などについて書いていきたいと思っています。
不定期でアロマテラピーインストラクター、セラピストの仕事をしています。




両大戦間の仮初の平和の中で、作家たちは何を見て何を感じていたのだろうか。
翻訳家の柴田元幸氏が、アメリカで発表された短篇の中で 「名作中の名作」を選んで編んだといわれる短篇…



現実と非現実の境界にある無明の世界に触れたときの、曰く言い難い肌感覚を描いた作品群
明治41(1908)年1月から6月までの『坑夫』の連載が終った後、 続けて朝日新聞紙上に発表された…



何もない一日の有難さ、かけがえの無さが伝わってくる作品
初夏のこの時期は、梅雨に入る前、あるいは梅雨の中休みの日などに、 この上ないほど爽やかな、空を見上…




時代の変化を先鋭的に察知し、それに切り込んでいった先駆者としての芥川
これもまた、多くの人が国語の授業等でその一部を読んだだけで、 知っているようで知らない、日本の近代…





厳しい言葉は、大きな期待と深い信頼の裏返し──それは、愛情と言い換えてもよいのではないだろうか。
先日読んだ、安部公房・三島由紀夫・大江健三郎の 三人の作家による鼎談・対談集『文学者とは何か』と …




物語を語ることの意味や覚悟のようなものの重さが、痛いほど心に沁みてくる
1985年秋──今からもう40年まえに出版された村上春樹の短篇集。 手元にある単行本の帯には、 …



信長が思い描いた未来の世界はどんな世界だったのだろうか。
辻邦生というとフランス文学の研究者でもある故、 ヨーロッパを舞台とした作品が多いイメージがあるかも…





文学が意図的に前衛であった時代の、もっとも先鋭的な三人の文学者の言葉の力をまざまざと見せつけられた。
日本文学の現在地を知るには、やはり戦前~戦後を実際に知る 文学者の言葉を聞くことが、まず必要なのか…





子どもたち同士の関係がとてもリアルに、そして愛おしく描かれた絵本
4月に新年度が始まり早一カ月。 子どものみなさんも、大人のみなさんも、 新しい生活にはもう慣れた…



たとえ嵐の中で揺れ動いても、まだ若さという恩寵の中に居て守られていた時代の幸福な物語
前作『虞美人草』に続き、東京朝日・大阪朝日新聞で、 1908(明治41)年1月1日~4月6日の約3…



他力本願で縺れた恋愛に終止符を打った男たちは、その後、幸せな夫婦関係を築けたのだろうか。
この作品は1907(明治40)年の6月から10月にかけて、 朝日新聞(東京・大阪)に連載された夏目…



自分が自分らしく居られる場所であれば、それだけでもう、いいのですね。
春になりました! 新しい生命の息吹に満たされ、 そして、新しい世界と出会う季節です。 様々な花が…





もし『源氏物語』が失われていたとしたら
一年かけて少しずつ『源氏物語』を読んで やっと読み終わった直後の今の感想を記しておきたい。 …





『源氏物語』は、自分が好きな訳者、読みやすい版で読むと、さらに楽しい。
ちょうど一年ほど前、この『本が好き!』で、『源氏物語』を みんなで読んでみよう!というコミュニティ…



浮舟よ、がんばって生き延びて! そして、100年後の妹たち、1000年後の娘たちも──。
さて。いよいよ最終回、前回までのところでは、 全然これで物語が終わる感じもしないのだが…。 つい…



喪失ということをどう描くのか。悲しすぎる雪の物語。
今年は例年になく、雪の多い年でした。 立春がすぎてもまだ、窓の外は白いカーテンのように雪に遮られ、…



「出家」という、現世を捨てることしか選べない人生って、一体…。
大方の予想通り?浮舟、通りがかりの尼君一行に無事助けられ、 一命をとりとめる。 運よく助かった命…



一体、この男たちにとって女性とは、女性との関係とは何なのだろう。
浮舟の身投げ、というまさかの結末で終わりを迎えた 縺れた三角関係。 薫と匂宮、それぞれ悲嘆にくれ…



がんばれ! 浮舟。自分勝手なお花畑に連れ込もうとする男たちを、あざとく翻弄してほしい。
はい、始まりましたよ。新たな闘いが…。 薫vs匂宮の浮舟争奪合戦の帖が幕を開けた。 前帖で、…



女性たちとって、本当に満たされるに値する愛をもった男は、もう登場しないのだろうか。
さて。中姫君から浮舟の存在を聞き、その姿を垣間見た薫。 薫と浮舟の恋という新しいステージが幕を開け…