流亡記/歩く影たち

この作品『流亡記』は著者28歳の時にフランツ・カフカの残した万里の長城をめぐる小説断片に着想を得て書かれた作品とのこと。
町は小さくて古かった。町はたいていひっそりと静まって、日光と微風と黄いろい塵のなかにねむっている。町…
本が好き! 1級
書評数:288 件
得票数:6286 票
これまで読んできた作家。村上春樹、丸山健二、中上健次、笠井潔、桐山襲、五木寛之、大江健三郎、松本清張、伊坂幸太郎
堀江敏幸、多和田葉子、中原清一郎、等々...です。
音楽は、洋楽、邦楽問わず70年代、80年代を中心に聴いてます。初めて行ったLive Concertが1979年のエリック・クラプトンです。好きなアーティストはボブ・ディランです。
格闘技(UFC)とソフトバンク・ホークス(野球)の大ファンです。

この作品『流亡記』は著者28歳の時にフランツ・カフカの残した万里の長城をめぐる小説断片に着想を得て書かれた作品とのこと。
町は小さくて古かった。町はたいていひっそりと静まって、日光と微風と黄いろい塵のなかにねむっている。町…

この短篇集は、表題作の2作品の他に「樹」「風花」「退屈な少年」「影の部分」「未来都市」「夜の寂しい顔」の6編が、収録されています。表題作の2篇をレビューします。
『廃市』 卒業論文を書くために「廃墟のような寂れた水郷の田舎町」にやってきた大学生の「僕」の10年…

この作品は、あの浅間山荘事件をモチーフにしている。 作者桐山襲、享年43歳没。早逝が惜しまれる。
私が本を読むようになってから今日まで、多くの文学者が鬼籍に入られた。思い返せば1992年は私にとって…

SF新人賞としての評価軸を超えて、これほどまでに「刺さるかどうか」だけを問うてくる投稿作は初めてです。 第11代SFマガジン編集長 溝口力丸
《2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの…

5月で83歳をむかえるボブ・ディラン。 今夜もどこかのステージで歌っているのだろう? 運命のひとひねり( Simple Twist of Fate)に抗おうともせず!!
昨日、NHK総合TVで《アナザーストーリーズ ボブ・ディラン~ノーベル文学賞 原点のステージ~》が放…

巻末の多和田葉子さんの「海に向かえ山に向かえ言葉に向かえ」というエッセイに、はからずも涙した。 イチ押しのお薦め本です。そして心より御冥福をお祈りします。
この作品集は、表題作である『おどるでく』で1994年に芥川賞を受賞している作品の他に、これまでに作者…

今年は、安部公房・生誕100周年記念だそうで、新潮文庫で記念フェアが開催されているようです。映画『箱男』もベルリン映画祭に招待され話題にのぼり、年内に公開されるようです。
最初期の作品のひとつである『デンドロカカリヤ』と『詩人の生涯』についてレポートします。 他に、全部…

フランスによる植民地化の波のなかで、抵抗しつつも滅亡の道をたどるサハラの民の物語と、その末裔である現代の少女ララの遍歴を合わせ、神話的世界を作りあげたノーベル文学賞受賞作家の後期代表作。
一九◯九 〜一九一◯年冬 サギエト・エム・ハムラ 何週間も何か月…

能登大地震で石川県知事馳浩氏の苦闘ぶりに元プロレスファンとして同情を禁じ得ない。また妻の高見恭子さんのことも脳裡をよぎった。父親は作家で詩人の高見順である。というわけで高見順の小説を読んだ。
1937年(昭和12年)に勃発した 支那事変後の翌年に東京浅草に移り住んで執筆をはじめた作家高見順。…

「人が人を弔うことの本質」とは何かを探る、今までに読んだことのないノンフィクション作品です。
エンジェル フライト —国際霊柩送還士—」とは、海外で亡くなった日本人を日本の遺族のもとへ送り還し、…

パワナという語は、ナティック語というインディアンの言葉で「くじら」を意味する。 登場人物は少年ジョンと船長のスカモン。二人はそれぞれ1911年の地点から、1856年の捕鯨航海を回想する。
太古の昔、神が海難から救うためにヨナを鯨に呑み込ませ信仰と悔い改めのメタファとして後世に遺すために旧…




「コスパが重視され、どこか個人個人が寄る辺なく立っているという今の空気感を込めた」と。インタビューでの作者の弁。読者の期待を裏切らないおすすめの短編集です。
直木賞受賞作『流』の続篇を含む6つの短編集。 「I love you Debby」「ドン・ロドリゴと…

それにしてもラストはハッピーエンドなのかそれとも……と思わせ…もう一度ページを後戻りさせる著者の手腕は見事である。
1975年、台北。偉大なる総統蒋介石の死の直後、主人公の祖父は何者かに惨殺された。 17歳の主人公…

この本は2017年に河出書房より復刊され、全国学校図書館協議会選定図書にも推薦されている。
70年代の連続企業爆破事件で指名手配中の桐島聡容疑者(70)が末期癌で入院先の病院で本名をあかし、そ…

『炎の人─ゴッホ小伝─』三好十郎を青空文庫で読みました。いや~!圧倒されました。以前に吉本隆明がNHKの教育テレビで三好十郎について語っていたのを突然思い出したのです。舞台を観てみたい。
三好十郎(1902年〜 1958年)は、昭和初期から終戦後の復興期にかけて活躍した劇作家、詩人、小説…

「家出ようと思うんだけど、一緒に来る?」身勝手な親から逃れ、姉妹で生きることに決めた理佐。しかし小学生の妹律を巻き込んでよいのかどうか葛藤する姉の理佐。姉妹を追い込んだ背景にはそれなりの理由があった。
1981年、18歳と8歳の姉妹は、離婚した母親とその母親の恋人に愛想をつかし、家を出た。この物語はそ…

『すばる2024年2月号』すばるクリティーク 反戦のための序章 ─梅崎春生『桜島』論 奥憲助
《「誰もがいずれは死ぬ」。「大切なのはどう生きるかだ」。(中略)さらに彼は戦場で息子を亡くした親の前…

今年は、安部公房生誕100周年で、また27年前に彼の小説『箱男』を映画化しようとして頓挫し、その映画の完成がついに実現した年でもあるそうです。
石井岳龍監督の手によって映像化された映画「箱男」(2024年内公開)が、第74回ベルリン国際映画祭(…

日本では2092年、新型インフルエンザの蔓延により10代から20代女性の85%が亡くなった。つまり子供を産む人間がほとんどいなくなったのです。
深刻な人口問題を解決するため、国民投票によりある法律が可決された。 国家の存亡をかけ、一八歳か…

78年前の作品。混迷の時代の今こそ読むべき作品ではないでしょうか?痺れました。震えました。自分のなかでは戦争文学の記念碑的な小説のひとつとなりました。大岡昇平氏の『野火』とともに。
この短編集は第一次戦後文学を代表する作家の 作品集ではじめて読みました。このレビューは『桜島』のみ…