三つの革命 ドゥルーズ=ガタリの政治哲学
なぜマイノリティ性への生成変化が資本主義を打倒する戦略となるのか。
ドゥルーズ=ガタリ連名による著作 『アンチ・オイディプス』(1972年) 、 『千のプラトー』(1…
本が好き! 1級
書評数:103 件
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ライフワークの沖縄関係を中心に人文系を読んでいます。
なぜマイノリティ性への生成変化が資本主義を打倒する戦略となるのか。
ドゥルーズ=ガタリ連名による著作 『アンチ・オイディプス』(1972年) 、 『千のプラトー』(1…
だから男性が女性に「なる」ことはもとより、女性が女性に「なる」ことも避けられない。いや、男性が女性に「なる」ためには、女性が女性に「なる」ことが不可欠である。
冒頭からリゾームという言葉のイメージの噴出に息が切れそうになる。リゾームとは樹木やその根とは違い点…
日本では翻訳すら十分でない後期ラカン、現代ラカン派の仕事を丁寧に紹介.。
精神分析を可能にした条件とは、近代精神医学が依拠した人間の狂気(非理性)とのあいだの関係を、言語と…
資本主義経済に生きる我々は欲望という「病」をもつ。
『アンチ・オイディプス』は、「欲望機械」「器官なき身体」「分裂分析」「接続と切断」といった言葉の発…
「新橋方面近道」と表示された薄暗い通路に足を踏み入れるには勇気がいるようだ。
「新橋方面近道」と表示された薄暗い通路に足を踏み入れるには勇気がいるようだ。奥を覗いても人の気配が…
自意識を切りすてる《自己放棄》と「心の傷」のあいだに、古山高麗雄の文学はかろうじて成立している。
文芸批評家時代の若き柄谷行人は、『古山高麗雄集』(1972年・河出書房新社)の解説を次のように書き…
安吾のスタイルは、小説が批評的エッセイのようであり、批評的エッセイが小説的であった。
柄谷行人はこれまで常に「え?どうしてこんなふうに読めるの?そんなこと書いてないだろう!」といった驚…
仮の宿を求める主人公がモチーフの初期3作品。
著者初期の3作はいずれも仮の宿を求める主人公というモチーフがある。『われら青春の途上にて』は、お上…
戦争作家の《自己放棄》のかたち。
分厚い『柄谷行人書評集』のなかで最も面白かったのが本書の解説として書かれた一文であった。恥ずかしな…
「居る」こととは、身を委ねる、頼る、依存できることである。
沖縄の精神科デイケア施設で心理士として勤務した4年間をエッセイ形式で綴った学術書。現在の自分の関心…
そもそも人が自殺を考えた時、身近な他者に助けを求められるか。
子どもの自殺予防においてなされる「SOSを出してほしい」、「援助希求能力を高める」というスローガン…
著者にとって、《信じる》とき、根拠はない。しかし、《信じよう》という姿勢をとれば、言葉が変わる。
統合失調症など危機的な状況を生きる当事者とその家族。当事者は親と口をきかず部屋に閉じこもる。ときに…
兄の結婚式に出席し「ここではないどこか」に連れ出されるという妄想譚へと変成させた作家の想像力。
アメリカ南部の田舎町で育った12歳の少女フランキーは、兄の結婚式に出席し、そのまま新婚夫婦にハネム…
『君の名は。』『この世界の片隅に』『逃げるは恥だが役に立つ』といった数々のサブカルチャー作品で、想像力によって資本主義を超えるという目的を考える。
本書では、『君の名は。』『この世界の片隅に』『逃げるは恥だが役に立つ』といった数々のサブカルチャー…
「する」と「される」の外側に出たいと希求すること。その内側に囲われた息苦しさが私のまわりにあるのがみえる。
中学に入学し、初めて英語を学び、能動態と受動態という2つの態がある(それだけしかない)と教えられた…
「暇」と「退屈」は、しばしば混同して使われる。暇な人間が必ず退屈するわけではないし、逆に、退屈しているとき、その人が必ず暇というわけでもない。
ウサギ狩りをする人は、ウサギが欲しいから狩りをするのではなく、気晴らしが欲しいからそうする。つまり…
本が売れなくなった時代に本屋はなぜ無くならないのか?著者はその関心を東アジアへ広げる。それは図らずも「民主化」をキーワードにした旅となる。
本が売れなくなった時代に、本屋はなぜ無くならないのか?それどころか、本屋を始める人が後を絶たないの…
「ヴァイブレータ」とは、女と男の棲まうトラック車内の波動のことだろうか?
お気に入りの映画の原作を読んでみたくなった。初赤坂真理。 主人公の30代のルポライターの女…
人々が「心」をむき出しにするあまり、これまで個人の「内面」とされてきたものが外部に晒され、ときにメディアによって増幅され、私たちはその刺激でいっぱいいっぱいになっている。
物質的に豊かになった社会の陰で、うつ病やPTSDといった「心の病」が蔓延している。私たちは今こそ「…
思想家ドゥルーズの評価で再評価されるマゾッホ。
構成は単純この上ない。マゾヒストの男ゼヴェリーンが愛する女ワンダをサディストに仕立て上げ、主従の契…