覇王の番人(下)
下巻はまずまず良。それは本能寺・山崎合戦に至る光秀の心性が克明に描述され、その頂点が14章「敗れ去る者」の光秀の述懐だ。でもねぇ…、その後がねぇ…
上下巻中の下巻。 がっかりな上巻に比し、下巻はまずまず良。それは本能寺・山崎合戦に至る光秀の…
本が好き! 1級
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下巻はまずまず良。それは本能寺・山崎合戦に至る光秀の心性が克明に描述され、その頂点が14章「敗れ去る者」の光秀の述懐だ。でもねぇ…、その後がねぇ…
上下巻中の下巻。 がっかりな上巻に比し、下巻はまずまず良。それは本能寺・山崎合戦に至る光秀の…
織田信長を殺した明智光秀を主人公とする中編小説。上巻は、室町将軍義昭追放から越前・加賀一向門徒の根切り描写まで。◆前半生が謎な光秀なのに、これに光を当てない本作は創造力の翼を羽ばたかせず、残念な仕儀に
2011年刊行。 明智光秀を主人公とする中編小説。上巻は、義昭追放、長篠の合戦を経、越前・加…
香港騒擾が知らしめた東トルキスタン・ウイグル族の独立・自治権拡大運動への中国共産党政権の弾圧の実を開陳。中国や戦前日本など、司法権が刑事・公安警察機構の活動を抑止せず、三権分立なき社会の問題が暴かれる
2006年刊(「諸君」初出06~07年)。 著者は中央大学非常勤講師。 香港騒擾でかえって…
投与薬物の機能と持続性の解読は、医療過誤・薬害防止の面で極めて重要。本書は薬物体内動態の機序に関する一般向け解説書。分解・排出上の腎・肝臓の役割や加齢の影響など、興味深く社会的影響の大なる指摘が満載
1997年刊。 著者は九州大学薬学部教授。 体内に投与された薬物がいかなる機能(薬理効果の…
「蟹工船」ブームを通じ「労働」の内実が持つ現実が暴かれることで、過去の著作の現代的意義が再認識されつつある著者小林多喜二への根源的な共感・シンパシーに裏打ちされた人物評伝である
2009年刊。 著者はシカゴ大学教授(日本文学・日本文化)。 「蟹工船」ブームが現代日本に…
消費税増税時に騒ぐだけで、入りの総体、税活用の決定過程、支出の効率性・奏効性に無関心な吾々。しかしそれが「消える税金」を生む原動力だとの観点を押し出し、過去の行財政改革を踏まえ、現状批判と改善策を提言
2014年刊行。 著者は弁護士(元大蔵官僚)。 税金を取られる時に騒ぐだけで(しかもその対…
新自由主義経済政策下で腐敗が進んだエジプト・ムバラク独裁政権を「アラブの春」に乗じて倒壊させたムルシー政権。が、同政権は軍による人民への発砲・死傷事件により3年で崩壊。この変転を軍の行動に注視し解読
2013年刊行。 著者は中東調査会客員研究員。 非民主的独裁政権であり、かつ新自由主義…
欧州人の世界観を規定している聖書・キリスト教。この聖書の記述に規定された欧州人の歴史観を普遍史というが、17世紀以降の科学革命、中国文献やエジプト遺跡を踏まえ、普遍史の解体=世界史の成立過程を粗描
2013年刊行。 著者は埼玉大学名誉教授(ドイツ近代史)。 欧州人の世界観を規定し、あ…
近代の所産として成立[可視化]した社会概念を分析する学問は近代思想史そのもので、社会学こそ「社会」に関する近代思想の追跡だ、との観点で社会学者(社会学を越境する思想家も)の議論を秀逸な比喩を通じ解読
2019年刊。 著者は元京都大学教授。 社会概念の成立[可視化]は近代の所産。その社会を分…
25年間、ソ連で捜査検事であった著者。ソ連邦のような独裁=非三権分立国家での刑事司法・公安警察の問題を暴く本書は、独裁主義国のみならず、疑似的一党体制が継続している日本の問題点と留意点を提示してくれる
1986年(底本1984年、訳出前原著1984年)刊。 著者はソ連邦捜査検事・弁護士。 ユ…
水門都市を離れ、プレアデス監視塔の「賢人」を求めるスバルら一行。砂漠横断行に苦難し、圧倒的な魔獣群の力に何度となく死に戻りに見舞われる。が、その行き着く先に居たのは…
水門都市を離れ、プレアデス監視塔の「賢人」を求めるスバル、ラム、ユリウス、ベティ等々。一方、水門都…
国境周辺の砂漠に出現するゴブリンと暗躍する盗賊ら。この謎に立ち向かい、ゴブリン退治に出るのは、御存じゴブリンスレイヤー一行。依頼主はあの貴族令嬢剣士。良い意味で通常運転の巻である
国境周辺の砂漠に出現するゴブリン、そして砂賊[砂上を海上の如く船で行き来できるため]と見紛う兵士達…
著者の経験とは➀中国残留孤児の二世。➁外務省のスパイ。➂中国公安による拘束・服役歴。④解放後、日本国内での右翼団体による脅迫だが、外務省(官)に協力した憂き目の典型。軍人と軍属の関係性も彷彿と
2009年(底本2008年)刊。 著者は旧「日中経済新聞社」創設者。 著者の属性・経験…
借金の棒引きと思われがちな徳政令だが、内実はそれとは異質な原状回復であり、かつこれを正当化する社会的含意も存在した。本書はその実を文献をふんだんに解読することで解説していく
1983年刊。 著者は東京大学名誉教授(日本中世史)。 2007年まで刷数を重ねたロン…
物語としては完結している中、後日談・延長戦的な最終巻である。もちろん、ギャップコメディとしての面白さは健在
物語としては完結している中、後日談・延長戦的な最終巻である。 もちろん、ギャップコメディとして…
明治維新の分析は多様な視点で可能だが、本書は、幕末維新期の外交=欧米による外圧と、対北・対台・対半島・対琉(沖縄)への事実上の植民地的支配の端緒ないし成立過程につき重きを置いて叙述したものと言えそう
1997年刊。 著者は大阪大学文学部教授。 タイトルからは、全世界史的経過の中で明治維…
検閲を効率的に行う有益な方法は、表現者をして自主的に規制に服従せしめること、つまり忖度させることに尽きる。これこそ著者が「空気の検閲」とした要素、例えば一罰百戒的な先例処罰の実施にあることが見えてくる
2018年刊。 検閲と言っても実は多義的だ。規制主体・規制手段・対象媒体・判断基準。この多義…
野崎まど原作の「HELLO WORLD」スピンオフ。本編主人公の同級生「勘解由小路三鈴」目線での来し方と三鈴の恋を描く。本編よりも情緒的かつ真っ当な青春小説に思えるのは、三鈴の心情をテーマにした故か?
野崎まど原作の「HELLO WORLD」スピンオフ小説。 本編主人公の同級生・友人である勘…
電脳空間へのダイブものということでは、どうしても、SAOの小説一巻と比べてしまうが、現実感という観点では、普通の人を描く本作の方に一日の長がありそう
松坂桃李が出演する映画版は既視聴。 あの奇作「バビロン」の野崎まど作品なので原作小説も…
あすなろ白書においては、個人的にはアダルティな雰囲気を前面に出した第二部の方が好みかも
1993年刊行。個人的には第二部の方が好きである。アダルティな雰囲気が悪くない。 ●第8話 新…