ノースライト




ノースライトを主役とした家はミステリーの発端であり、そして主人公が行きつく終着点でもある。
バブル崩壊後、経済的困窮もあり家庭不和となり離婚したが大学時代の同級生が経営する岡嶋設計事務所に拾わ…

本が好き! 1級
書評数:337 件
得票数:11607 票
昔からずっと本は読み続けてます。フィクション・ノンフィクション問わず、あまりこだわりなく読んでます。フィクションはSF・ホラー・ファンタジーが比較的多いです。あと科学・数学・思想的な本を好みます。




ノースライトを主役とした家はミステリーの発端であり、そして主人公が行きつく終着点でもある。
バブル崩壊後、経済的困窮もあり家庭不和となり離婚したが大学時代の同級生が経営する岡嶋設計事務所に拾わ…




まるでテレビドラマのような型破りMBA公務員による町興しストーリーであるが、主題は巷に溢れている過去の偉人の同じようなものよりもはるかに生々しく説得力のあるリーダーシップ論である。
息子が6年間福岡の大学に在籍していたことから半年に一度ほど福岡を訪れていました。住んでいたのが丁度福…




読んでいない名著が世の中には沢山あると実感させられました。あまり科学の本を読んでいないが興味のある方にはなおのことお薦めできる面白い本です。
本書は科学を分かりやすく紹介してくれると定評のあるサイエンスライター竹内薫さんによる科学の名著の紹介…




佐野元春の楽曲からイメージした10の物語。佐野元春が好きな人はもちろん、知らない方でも十分に楽しめます。なんといっても小川洋子さんの短編集ですから。
ジャネイロさんの書評を拝読させていただき読もうと思っていた一冊です。本書には小川洋子さんが佐野元春さ…





宗教とはなにか?その答えは本書にはない。だから考え続けることが重要なのです。
再読です。上下巻まとめての書評になります。 庶民に寄り添う宗教団体「ひのもと救霊会」は開祖行徳…




定番的な物語もあり、美しく幻想的な物語もあり、バラエティに富んで楽しめる一冊。
ポーランドのラブクラフトと言われるグラビンスキの短編集第四弾です。「動きの悪魔」「狂気の巡礼」「火の…




人の悪意を書かせたら右に出る者がいないシャーリー・ジャクスンの数少ない長編の一つ。微妙にこの作品の後の「丘の屋敷」や「ずっとお城で暮らしてる」に似ています。
成り上がりのハロラン家当主の息子ライオネルが転落して死亡した。当主リチャードは痴呆気味でリチャードの…




アンナ・カヴァンの第3短編集。印象が全く異なる様々な作品が集められておりカヴァンの小説家としての力量を感じさせます。
アンナ・カヴァンは幼少期から精神状態が不安定であり、また成人してからも結婚が破綻した後死亡するまでヘ…



経済ヤクザが経済ヤクザという看板を掲げて商売してくれれば良いのだが。
学生の頃、カレル・ヴァンウォルフレンの「日本権力構造の謎」を読みなるほどと思ったことがあります。それ…




西洋幻想譚がお好きで、ある程度知識がある人には楽しめるかもしれませんが、単に怖い幽霊話を読みたい人にはお薦めできません。まさにフォークロア的な話が多く怖さというよりもロマンを感じてしまいます。
本書はアーサー・マッケンなどの小説の翻訳をしている南條竹則さんによるイギリスにおける幽霊を題材にした…





尾崎豊ではないが、支配からの卒業というテーマは時代が変わろうとも姿カタチを変え生き続けるのだろう。
この作品は元々映画を観たことがあり、もちろん名作と言われるだけあってとても印象深い作品でした。ジャッ…



さすが多和田さんの文章と思わせるがこの実験的な小説のスタイルが私には理解ができなかった。
ハンブルグにいる優奈は女優志望でフランス語を勉強したいと思っている。優奈は友人のレネからボルドーにい…




専門書というより著者の経験や知識に基づく科学エッセイに近い内容。分かりやすく、またとても興味深い内容が多く現代に生きる人々は読んで損はないと思います。
題名からしてコンピューターセキュリティについての方向性について著者の見解や方法が提示されているのだろ…




現在のリアルなフランスの社会状況を描く問題作。最もリアルなのはどのような社会になるのが理想的なのか提示できないところである。
主人公フロラン=クロード・ラブルストは46歳で抗うつ剤が必要な状況だ。貴族階級の出であり親の遺産によ…




ジャケットの写真では知的かつ神経質で難しそうに見えるが、少年のような自由で好奇心いっぱい、しかも広い心を持った人であった。正に20世紀の天才であり、今世紀になってますます彼の偉大さが再認識されている。
クロード・シャノンという天才をご存知ですか?恥ずかしながら私は知りませんでした。どこかで名前は聞いた…



虚数を中心として数学、宇宙物理学、量子力学などについて分かりやすく現実の世界に当てはめて丁寧に説明する科学エッセイ。さすが竹内さんは説明がうまい。
本書は日本のサイエンスライターで最も有名といえる竹内さんによる虚数にまつわる初心者向け案内本です。虚…




表面上はミステリーのようだが、実は純文学にかなり近い作品。物語の最後の場面の切れ味が抜群であり、「さよなら渓谷」という題名と共に鮮やかな印象を残す。
この小説はジャンルとしてはミステリーなのかもしれませんが、ミステリー部分はほぼ本筋ではありませんので…




泥棒を主人公とした横山さんの小説では珍しい短編集。渋いという評価は可能ですが、カタルシスはあまりありません。
横山さんは好きな作家ですが、元々私は同じ作家を集中して読むという習慣がないため好きな作家でも歯抜けの…





避けられない愛しい人との別れに対して生きている人が持つべき心のありようについて一石を投じた作品。なんとなく読んでしまえばすっと終わってしまうがこの物語の凄さは後でジワジワとやって来る。
小山内堅は東京駅にあるホテルのカフェで奇妙な親子、縁坂ゆいとその娘るりと会うべく待ち合わせをしていた…




本作品はもちろんグリコ・森永事件の真相についての作者の仮説であるが、作者にとって二重の意味で仮説の内容は重要ではない。
父親から引き継いだテーラーを経営する曽根俊也は家で探し物をしているときにテープを発見する。テープには…