エーゲ 永遠回帰の海





エーゲ海を巡る旅行記であるが、立花さんの膨大な知識に基づく歴史観や哲学が織り込まれた途轍もない本。
エーゲ海と言えば私の世代はジュディオングの「魅せられて」ですが、現在のギリシャとトルコの間の海であり…

本が好き! 1級
書評数:337 件
得票数:11607 票
昔からずっと本は読み続けてます。フィクション・ノンフィクション問わず、あまりこだわりなく読んでます。フィクションはSF・ホラー・ファンタジーが比較的多いです。あと科学・数学・思想的な本を好みます。





エーゲ海を巡る旅行記であるが、立花さんの膨大な知識に基づく歴史観や哲学が織り込まれた途轍もない本。
エーゲ海と言えば私の世代はジュディオングの「魅せられて」ですが、現在のギリシャとトルコの間の海であり…




結構真面目に書かれている文豪たちのエピソードですが、如何せんこのタイトルとジャケットはないでしょう?なんかエロいし、いかにも下世話な感じがします。
本書は文豪たちの人生における負の側面にフォーカスした一見下世話なゴシップ本かと思いきや、きちんとした…




解釈によって様々な読み方ができる小説だが、愚かで矛盾に満ちた人間という存在への愛おしさが込められていることは間違いないだろう。
台湾人のアリスは学者で作家、夫と息子を山の遭難で亡くし生きる希望を失っている。南の島、ワヨワヨ島のア…





本書の副題は「死んだらどうなるかは自分で決めなさい」、それはどのように生きるのかと同じ問いである。
本書は「不思議なキリスト教」で有名な橋爪大三郎さんが死をテーマに書かれたものです。所謂スピリチュアル…




内戦のようなものはあるにしろ基本的に他国に侵略されたことがない日本とは比べ物にならないほどの深い歴史の闇が染みついているオートラント。そしてその闇とアドリア海に面するまばゆい光とのコントラスト。
悪魔たちが姿を現わす決心をする、あの正午の時間をもう知っていた、と言っておこう で始まり 悪魔たち…



多分このサイトの皆さんの大多数に興味のないオブジェクト指向プログラミングについてあれこれ書くつもりはありません。現在の教育について物申したい。
とはいえ、全く本書に触れないわけにもいきませんので超大雑把に紹介いたします。 まずオブジェクト…




逢坂版長谷川平蔵シリーズ第3弾。普通の捕物帳のようなストーリーオリエンテッドでありながら、池波版の特徴である人物オリエンテッドもしっかり継承している。
本書は逢坂版長谷川平蔵シリーズ第3弾です。池波正太郎の鬼平犯科帳の人気は衰えることなく、中村吉右衛門…



半沢直樹の新作はオーソドックスな倍返しもの。半沢直樹があまりにもビッグネームになり、池井戸さんとしても作品の自由度が失われているのかもしれない。
東京中央銀行大阪西支店の取引先である仙波工藝社への買収案件が、大阪営業本部から半沢直樹にもたらされる…




テレビ等でも話題となった「繊細さん」の本。あっという間に読めるにも関わらず参考になることも多く、自分が少しでも「繊細さん」かなと思う方は読んで損はないと思います。
本書は一時話題となったHSP(Highly Sensitive Person)について書かれた本であ…




「シャイニング」の続編。エンターテイメント性の中にもキングらしい味が散りばめられ、続編というイメージに捉われていた私には、意表を突かれながらもとても楽しめました。小説も映画も是非「シャイニング」から。
この物語は幽霊屋敷物の傑作「シャイニング」の続編にあたります。とはいえ、主人公のダン(シャイニングで…




SF土木小説とでも言うべき壮大な物語だが、経済・経営小説とも言える緻密さを兼ね備えた不思議な小説。
技術者であるマック・アランは壮大な計画を持っていた。それはニューヨークからバミューダ群島、アゾレス群…




冬のホラーの定番と言えばコレ。オカルト現象の起こる過程はオカルト漫画の金字塔「うしろの百太郎」に通じるものがある。
上下巻通じての書評となります。 作家として行き詰まりを感じているジャックは一冬の間、オーバール…



ある目的を持って西を目指す犬と、出会う人々との間の、束の間の触れ合いを描いた連作短編集。
中垣和正は駐車場で犬を見つけた。シェパードの雑種のようだ。首輪を見ると多聞という名前らしい。ほってお…




本書は単なる探検記ではない。むしろ副題の「闇に隠された人類史」の方が本書の本質を表している。
本書の題名を見ててっきりこの本は豪胆で命知らずな冒険野郎による探検記なのだろうと勝手に決めつけて読み…




バグダードのフランケンシュタインを生み出したのは確かに悲惨なイラクの状況であるが、またフランケンシュタインは混沌としたイラクそのものでもある。
舞台はバクダードのバターウィイーン地区。古物商のハーディーは盟友のナーヒムを自爆テロで失った。人の死…



タイトルの印象では筆者が村上春樹から影響を受けたことについてのエッセイかと思ったのだが、内容としては村上春樹の半生をなぞり、その哲学やスタイルについてまとめたものである。
私は題名だけ見て内容については調べないまま本を手に取ることが多く、結果として題名から想起したものと実…





「あんこう」のように無駄なところがまるでなく面白さがギュッと詰まった小説です。
プリンストン大学の地下金庫からスコット・フィッツジェラルドの5つの長編の原稿が盗まれた!「楽園のこち…




作者は日本に8年住んでいたイギリスの素晴らしいストーリーテラー。とかく外国の物語の中にはその国で暮らしていなければ分かりにくいものが多い中で日本人でもすっと入っていける。
この物語はホリー・サイクスという一人の女性、ある特殊な能力があるために奇妙な戦いに巻き込まれる以外は…



薬物中毒が原因で罪を犯した男が自分を取り戻し人生をかけて罪を贖おうとする物語。
幼少期から過敏で精神的に脆い祐は家庭を持ち子宝に恵まれながらも薬物に溺れそれを買う金欲しさに橋野とい…




村上春樹の短編集には珍しくファンタジー色があまりない。以前刊行された「猫を棄てる」で語られたように村上春樹自身の人生の回想のような印象を受ける作品が多い。
村上春樹の短編と言えばファンタジーであったり少し意味不明な話が多い印象を私は持っていますがこの短編集…