流星シネマ




音が重なり共鳴するように優しく響き合う何気ない交わりが温かい
青空が雲で覆われるように、川が暗渠となり目には見えずとも今なお流れ続けるように、この世界は目視できる…

本が好き! 1級
書評数:604 件
得票数:10215 票
ジャンル問わず、読みたい本を
雑多に読んでいます。
共通の、また新しい世界を
一緒に楽しめたら幸せです。
よろしくお願いします。




音が重なり共鳴するように優しく響き合う何気ない交わりが温かい
青空が雲で覆われるように、川が暗渠となり目には見えずとも今なお流れ続けるように、この世界は目視できる…




合わせ鏡で比べながら進んでいくような、2重の謎に混乱も興奮も高まる。
作中作の外側の方が気になりながら下巻を開くと、下巻は現実パート!不思議の国と鏡の国を合わせ鏡で比べな…




誰しもが秘密と嘘を抱え、誰もが誰かを訝しむ。嘘と誤魔化しに囲まれた人間の邪悪さの本質とは。
「この本は私の人生を変えた」 編集者の私が出会った作中作「カササギ殺人事件」が、どう本編と交わ…





銀の鈴ふる声を遠くに聞きながら、遠い日の花冠が胸に甘く痛む。
不思議の国よりもキャロルの心情が色濃く透けて見え、陰鬱とした翳りさえも感じさせる鏡の国を、矢川訳はサ…





どこかしらに不思議が介在する色とりどりの短篇たち。
どこかしらに不思議が介在する色とりどりの短篇たち。 特にお気に入りなのが、ミステリーのように先…





色彩の豊かさと陰影の美しさ。色とりどりにパッチワークされたような世界に心が湧きたつようにきらきらと煌めく。
金のりんごが生る不思議な木からある日突然実が消えた。犯人は眩いばかりの光を放つ美しい金の鳥。その見事…





編み物辞書的役目もしてくれる、必携の教則本!
数年前にも今度こそ!とこの本から再スタートしたはずが…。でも今回は違う!多分…。次はないと思えと自ら…





遠い過去の悪夢ではなく、今なお世界に点在する地獄の叫びが聞こえる。
「私は旅をしながら生まれた」2歳で故郷シチーリアを離れ、日本へとやって来たダーチャを含むマライーニ一…





正しき女の子生活を営むマリィちゃんと後ろ暗いお友だち候補。かわいさと残酷さの狭間でそっと寒くなる瞬間の甘美。
森のはずれの一軒家に引っ越してきた小さなマリィ。かわいいマリィの元へ次々にやって来るお友だち…候補に…





自分を取り巻く世界の真実に凍り付く
多少の波は人生の中であったものの、3人の子供たちと優しい夫、裕福で幸せな暮らしに満足しているジョーン…





理不尽に立ち向かう聡明な強さに希望が灯る
イタリアの作家であり、詩人、劇作家でもあるダーチャ・マライーニの短篇集。 クローン問題に果敢に…




果つる底なき虚栄心!読書家としてのひとつの到達点に辿り着いたド嬢は最早、活字嫌いの本好きのふりをしている少女ではあらない。
VR空間でも電子書籍を読む突き抜け感でその存在を更に強靭にした神林さんが「百年の孤独」を読んでいると…




誰かの幸福の為に奮闘する手紙魔サリー嬢一代記!
続と銘打つからには前作の書簡スタイルを踏襲しているであろうけれど、でも結婚したジュディと誰の?と謎め…





思いつきの幸福、ぺしゃんこの絶望。目まぐるしい日々の輝きに心が弾む。
孤児院で育った少女ジルーシャ・アボット。その孤児院に沢山の寄付をしているある人物から、国語力を認めら…





幸福に射す仄暗さ。「サン・ジョルディの日」の始まりの物語を詩情豊かに味わえる薔薇咲く時節にぴったりの物語。
天翔ける翼を持ち、毒の息で村人の命を奪い、大海に身を投じては漁人たちの船を沈めた、禍々しき悪獣ドラゴ…





サブダによる見事な仕掛けが飛び出すワンダーランド
何度開いても感動的な、サブダによる見事な仕掛けが飛び出すワンダーランド。アリスがうさぎの穴に落ちてい…





文字で振り返る時代の楽しみを存分に味わえる、その冠に納得の文芸誌。
「高級少女文芸誌」という辺りに、おおお、と時代を感じるけれど、久しぶりに再読してみると「まさに!」と…





逞しさやユーモラスさから造形されたキャラクターが魅力的
銅板画にガッシュで彩色された、山本容子さんのアリスの世界。テニエルの不機嫌さとはまた違った、逞しさや…





少女の面影が消える瞬間を後ろ手に去って行くナイトの姿は痛々しい程に切ない
高杉さん訳はキャロルの心情を其処かしこに感じるので、今回は自身を一番色濃く投影したとされる白のナイト…





註釈が丁寧に添えられ、通常版と比べても遜色のない素晴らしい1冊。
品よく端正な高杉訳をほぼそのままに、少しだけ児童書らしい表現に変わっていたり、註釈がその都度丁寧に添…