人を、殺してみたかった 名古屋大学女子学生・殺人事件の真相




社会がますます不安定化していくこの時代、こうした凶悪犯罪者をどう扱っていくのかは、類似事件を防止する意味でも、非常に大きな問題だ。
2014年12月、当時、名古屋大学理学部1年だった安倍マリー(仮名)は、下宿していたアパートで知人女…

本が好き! 1級
書評数:594 件
得票数:10324 票
「ブクレコ」からの漂流者。「ブクレコ」ではMasahiroTakazawaという名でレビューを書いていた。今後は新しい本を次々に読む、というより、過去に読んだ本の再読、精読にシフトしていきたいと思っている。
職業はキネシオロジー、クラニオ、鍼灸などを行う治療家で、そちらのHPは→https://sokyudo.sakura.ne.jp




社会がますます不安定化していくこの時代、こうした凶悪犯罪者をどう扱っていくのかは、類似事件を防止する意味でも、非常に大きな問題だ。
2014年12月、当時、名古屋大学理学部1年だった安倍マリー(仮名)は、下宿していたアパートで知人女…




真実の奥には更に別の真実がある、という重層的な物語構造を持っているいるところがミソ。読者よ、ゆめ欺かるるなかれ。
英語版Wikipediaによると、この『虎狼』はモー・ヘイダーによる〈キャフェリー警部〉シリーズの第…




本作が奇書と呼ばれる由縁は、その来歴と物語の構造によるものと思われる。そこで語られるのは、史実の中に虚構を混ぜ込んだ、言わば「ヨーロッパ・中東裏面史(嘘)」である。
ポーランド人の大貴族にして旅行家、考古学者、歴史家であるヤン・ポトツキによって書かれた奇想小説──こ…




この村には、よく星が降る。星といっても流れ星が見えるわけでもないし隕石が落ちるわけでもない。僕の村に降り注ぐ星は、国民的アイドルとして一世を風靡した天宮星(あまみや せい)である。(「星の降る村」より)
1997年に第1巻が刊行されて以来、今も新たな巻が刊行され続けている《異形コレクション》。編者である…




人はとかく人生をあれこれこねくり回すが、人生でなすべきことは実は三つだけだ。愛すること、愛されること、許しを与えること。それ以外はどうでもいいことなんだよ。(下巻p.301)
あなたがこの本を手にされたのはたまたまだろうか? だとしても、どうか最後まで読んでほしい。ボルティ…




本書『トゥルー・クライム・ストーリー』は、「トゥルー・クライム・ストーリー(=犯罪実話)」という名のフェイク・ドキュメントの体裁を取った謎解きミステリ。
ミステリの世界でノックスと言えば、本格謎解きミステリの中でやってはいけない10のルール「ノックの十戒…



2018年の各種ミステリ・ランキング第2位の話題作(?)。で、実際に読んでみた結論。叙述トリックを使わずストーリーテリングだけでどんでん返しを仕掛けたことは評価するが、読んでいて退屈だった。
物語はヒースロー空港のビジネスクラスのラウンジで、ある男女が出会うところから始まる。男は既婚者で、女…




小惑星が地球に衝突して人類が死滅する世界を生きる刑事、ヘンリー(ハンク)・パレスの物語〈最後の刑事〉シリーズ3部作の掉尾を飾る作品。残り7日間となった世界でヘンリーは妹を捜す。
スピリチュアル系などでしばしば聞かれる質問の1つに「あなたの命ががあと1週間──3日でも1か月でもい…





複素解析学の世界的に知られた教科書を翻訳してきた笠原乾吉による、複素解析学の入門的教科書/参考書。第7,8章まで読み進めることができれば、見たことのない景色が広がっているのが分かるだろう。
本書『複素解析 1変数解析関数』は、笠原乾吉による複素解析学(複素関数論)の入門的教科書/参考書で、…




ハヤカワ・ポケミスの#2000を記念して出された、馬伯庸による明代の中国を舞台にした、滅法面白い歴史冒険小説。
『両京十五日』は、馬伯庸による明代の中国を舞台にした、滅法面白い歴史冒険小説である。ハヤカワ・ポケミ…



モンスターが多すぎる(笑)。
ミステリには、残虐な事件を起こす怪物のような人間がしばしば登場する。けれども、そうした人間はミステリ…




この『赤毛のレドメイン家』は、時代がやっとそれに追いつき、そして追い越していった作品だ。
創元推理文庫は扉ページにその作品のあらすじ紹介が書かれているが、イーデン・フィルポッツの『赤毛のレド…



浦賀和宏はメタレベルにまで及ぶ超絶技巧の作家だが、その反面、技巧が超絶的すぎて作品自体を壊してしまうこともある。本書もまた、作品が壊れるか壊れないかのキワキワを狙った超絶技巧が使われている。
警告:この『浦賀和宏殺人事件』が初めて読む浦賀和宏の著書だという方。 あなたがYMOの熱狂的なファ…




お客さんは疲れた顔をしているねえ。お客さんは憑かれた顔をしているねえ。(「穴」より)
井上雅彦のアンソロジー〈異形コレクション〉シリーズは、50冊目となる 『蠱惑の本』 に続いて、45冊…




『ピクニック・アット・ハンギングロック』という謎。
1900年のバレンタインデー、オーストラリアの寄宿女学校、アップルヤード学院では、近くにあるハンギン…



スピリチュアル系自己啓発書やビジネス書などでよく見かける「夢」、「やりたいこと」、「ワクワク」といった言説に疑問や限界を感じている人は、本書を読むと気づきになることがあるのではないだろうか。
(特にスピリチュアル系の)自己啓発書やビジネス書などに、しばしば「あなたにとっての夢/本当にやりたい…




舞台を北海道へ移しての『奇譚蒐集録』シリーズの第2巻。このシリーズは「伝奇小説」ではなく「伝奇ミステリ」だ。その理由は…
大正3年、東京帝大理学部生物学教室講師、南辺田廣章(みなべだ こうしょう)と、彼の護衛も兼ねた書生の…




『枕草子』、『方丈記』、『徒然草』が収録されているが、その現代語訳には、それぞれの訳者の世界観、人生観が色濃く現れていて、「翻訳」というものを考える上で非常に興味深い。
池澤夏樹個人編集による日本文学全集第7巻には、現代語訳された『枕草子』、『方丈記』、『徒然草』が収録…




塔とその破壊者の関係は、生命の樹木と妨害者の関係に似ている……と考察をはじめると稗田礼二郎めいてくるが、《塔》は、世界樹の象徴とも受け取れるところが面白い(「解説」より)
井上雅彦は光文社文庫から〈異形コレクション〉シリーズと銘打ったアンソロジーを出しているが、それとは別…




ミシェル・フーコーの〈生政治学〉をキーワードに、政治・社会システム論と、ネットワーク論、セクシュアリティー/ジェンダー論、生命論がクロスオーヴァーする地点を見据えた立論を試みた本。
最近、政治についていろいろ思うところがあり、檜垣立哉の『生と権力の哲学』を読んでみた。檜垣はそこでミ…