フランバーズ屋敷の人びと 3 めぐりくる夏




  

夫は喪われたが、子供を得て、遺産を引き継いだクリスチナ。復員したディックと負傷したマークとの間で心揺れるが。
1916年、喪服に身を包んだクリスチナは、フランバーズ屋敷に戻ってきた。 夫・ウィリアムは彼の…

					本が好き! 1級
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色々世界がひっくり返って読書との距離を測り中.往きて還るかは神の味噌汁.「セミンゴの会」会員No1214.別名焼き粉とも.読書は背徳の蜜の味.毒を喰らわば根元まで.




  

夫は喪われたが、子供を得て、遺産を引き継いだクリスチナ。復員したディックと負傷したマークとの間で心揺れるが。
1916年、喪服に身を包んだクリスチナは、フランバーズ屋敷に戻ってきた。 夫・ウィリアムは彼の…




  

従兄との政略結婚を厭い、その弟:ウィリアムと叔父の家を出奔したクリスチナ。しかしウィリアムの興味は飛行機へ、軍へ,そして雲のはてへと向いていく。
「フランバーズ屋敷の人々」第二巻である。 時代は1912-1914年、コルセットと裾を引きずる…




  

21歳になったら受け継ぐことになっている遺産目当てに少女は叔父の家に引き取られる。彼女は抗うことはできない。運命は、常に彼女を蚊帳の外にして廻っていたのだから。
「フランバーズ屋敷の人びと」は1929年生まれのK.M.ペイトン女史による大河小説である。全5巻。 …




  

壊れた機械の間に横たわって、少女は思った。この痛みがわたしを去ることはない。これは、わたしを出産する苦しみ。
美しい絵本である。 表紙は光沢のある布で装丁されており、手触りからもううっとりする。 痛みから産…


  

20数年ぶりに読んでみたが、やはり面白いのか面白くないのかわかんない。なんであんなにブームになったんだろう?
何とも懐かしい……。「宇宙皇子」復刊。 ……と、読書仲間に書影を見せたら、皆揃って「いのまたむつみ…




  

坑道の冥き闇の中で、一筋に走る銀の鉱脈。その鉱脈は己で切り拓いて行かねばならない。 過酷な時代の中、それぞれの路をそれぞれの方法で進んでいく名もなき男女たち。
生野銀山には、女神が住むという。 男たちに泡沫の財宝の夢を見せ、その精気を奪い、肺を侵して命を奪っ…




  

生野銀山。それは宝の山であり、同時に無慈悲に命を奪い取る魔の山でもあった。その麓に生まれ育つ少年少女の群像劇。
玉岡かおるは、「あと少しでどこかに届く」と自分が勝手に思っている小説家だ。 「どこか」とは、例えば…



  

大正から昭和の初め、神話のように急成長をとげ蜃気楼のように消え去った巨船・鈴木商店。 その航海の一部始終を、一家の母として見届けた女性の一代記。
玉岡女史の大河小説は、「天涯の船」に次いで二作目です。 前作と同様、明治時代の神戸を船出して、世界…



  

日本人の目が、憧れと野望を込めて海の彼方をみつめていた時代。――明治の時代。 波頭を越えて、お互い想い合いながら何度もすれ違う男女の姿を、浪漫たっぷりに描いた大河小説。
行き行きて重ねて行き行く 君と生きながら別離す 相去ること万余里 各おの天の一涯にあり 道…




  

イスラームとは宗教ではなく、法という事。
この本の出版は2012年。 プリマー新書という子供向けのレーベルで語り口は「です、ます」調で柔らか…




  

「ぞっとするのよ。あなたはすごく、すごく多くのものを与えられているのに、目指す地点があまりにも低すぎる」「きみは立ったまま死ぬ方がいいという。ぼくは膝をついて生きるほうがいい」
勇を鼓して地球を離れた最初期の植民者たちは、人々をその適性に応じて14の色属にわけた労働組織をつくり…



  

名ハンター、コバヤシ教授。彼は狙った動物は逃したことがないーーホモ・サピエンスの雌以外
「先生、ツバメがきました」……というのは丸山薫の「北の春」。(スキーーー) 「先生、カエルが脱皮し…




  

少女は得てして汚いものや異性を遠ざける。自らが一番穢れていることを忘れる為に。これは戦争の物語であり、少女の物語でもある。
幼女と、少女と、女は違う生き物だ。 女と生まれた者たちは、その種の垣根をまるで羽化するように越えて…

  

後世に叩き台とされて消え去ってしまった世界初の抗生物質、その開発者を世に知らしめるというコンセプトには異論はないが、物語としての完成度は著しく低く、筆者の黒歴史に刻まれるであろう。
さて、本屋で題名を見かけてまず感じたのは「今更、ノ社のバルサルタン批判かよ」という呆れだったが、よく…



  

サンダカンにある「からゆきさん」の墓は、日本に背を向けている。
「からゆきさん」 唐行という高粋な名前だが、その実情は海外で春を鬻いだ海外売春婦である。 …



  

私は時代劇を郷愁と共に語りたくなどない。時代劇よ、永遠なれ。
私は代劇を観て育った。 なにせ当時民放は二つしかなかった.都会ではトレンディドラマが流行っていたか…




  

これは、我々の物語でもある。 生まれてから同じ場所から一歩も歩まずに死んでいく人間は少ない。人は皆移民だ。 その普遍性ゆえに、この本は、文字を超え国境を越えて愛された。
男がたった一人、家族を故国に残し新たな土地に足を踏み出す。 言葉も文化も何もかもわからぬ、不安と希…


  

歌と文字の出会いーー「うた」ゆえに「にほんご」が生まれたという考えに異論はあろうが多分にろまんちっくな説ではある.
うたの歴史は数万年単位の歴史を誇るが,文字の歴史は数千年単位の歴史に過ぎない. 世界には独自の文字…




  

日英同盟×海軍×遺伝子操作=かのバルチック艦隊を全滅させた伝説の海軍、カッパ!
「リヴァイアサンークジラと蒸気機関」「ベヒモスークラーケンと潜水艦」に続くスチームパンク三部作、完結…



  

トルコ×メカ×スチームパンク=女の顔がついた芋虫ちゃん
20世紀初頭ーー。 世界は、遺伝子操作した獣を駆使する英・仏・露などの<ダーウィニスト>陣営と、機…