犯罪者 下





上下巻合わせて1000ページ弱の長さを感じさせない、スピード感溢れたクライム・サスペンス。脚本家の小説だからか、物語の魅せ方に上手さを感じました。
初太田愛さん。ドラマ「相棒」の脚本家の一人でもあったんですね、なるほど。文庫の上下巻で約1000ペ…
本が好き! 1級
書評数:171 件
得票数:2587 票
某地域包括でケアマネ兼社会福祉士で仕事中。
ミステリを中心に、日本の古典や民俗学、宗教学が読書傾向。年を重ねるに連れて読書スピードが落ちているのが、もっかの課題。。





上下巻合わせて1000ページ弱の長さを感じさせない、スピード感溢れたクライム・サスペンス。脚本家の小説だからか、物語の魅せ方に上手さを感じました。
初太田愛さん。ドラマ「相棒」の脚本家の一人でもあったんですね、なるほど。文庫の上下巻で約1000ペ…



著者自画自賛、渾身のアリバイトリックという事ですが、トリックそのものよりもその可能性を読み手の思考から排除するミスディレクションの部分の方に魅力を感じました。
深谷さんは古本屋でよく本は見かけますが、これが完全に初読。なぜこれを手に取ったかというと、アリバイト…





1/15修正。モリミー10年目の集大成は、闇に広がるダーク・ファンタジー。無限に続く夜の世界の結末には、無限に広がる物語の可能性。作中に登場する銅版画・・見たい。
森見登美彦10年目の集大成(どこからの基準で10年目かよくわかりませんが)という事で、結構大々的に…



ゆったりとしたリズムの物語に福永さんの訳がハマっていると思う。現代の本格ミステリとは肉付けの方向性は全く違うけど、骨格の部分は案外と通じるところがあるのかもしれない。
フランスの資産家ハーロウ夫人の死に対して、毒殺の告発状が届く。告発者は義弟ワベルスキー、告発された…





謎のドS美少女マツリカさんとどM体質の柴山くんの掛け合いに磨きが掛かってる。学園の謎を通して成長していく柴山くんの姿がなんだか青春してて眩しい^^
謎のドS系クール美少女マツリカさんが、語り手である柴山くんの学園でおきる、ちょっと不思議な事件の謎…





「あひる」同様、どこかズレた家族の日常を淡々と描きながら、読み終わった時なんとも表現しがたい感覚にさせてくれる。
語り手である娘のちひろが小さい頃、どうしても治らなかったアトピーの様な症状を治してくれた不思議な水…



正直最後まで文章は肌に合わなかった。でもそれだけで切る捨てるのは勿体無い、なぜ戦時中のビルマが舞台なのかという確固たる理由を持った小説。ミステリとしては弱いけど、戦争ものとしてはあり?
太平洋戦争中のビルマ、日本軍の屯駐する山中の寒村で起きた日本兵将校の殺人事件。 その解決の為に奔走…




派手さはないけれど、五篇の短編のどれもがミステリとしてのクオリティが高い。さらにホラーから青春物、ガチ本格からユーモアまで様々のテイストの作風のどれもが嵌っているのもすごい。次の作品も期待。
新年1作目は、2018年版「本ミス9位」の本書。再デビューってなんだ、と思って著者の経歴をググる。…



作品が恐らく狙ったであろうところは好みだったけれど、その肝心なところが淡白だったのが残念。
鳥飼否宇さんの作品は今回が初めて。鳥飼さんも時代物は初めてなので、これも縁でしょうか(何の?)。 …





新人のデビュー作ながら、今年度国内ミステリ三冠に輝いたのは伊達じゃない。◯◯◯という設定がただのクローズド・サークル作りに終わらず、作品としても重要なキーパーツになってる構成は新人離れしていた。
鮎川哲也賞受賞のデビュー作で2018年版国内ミステリランキング三冠(このミス・本ミス・文春)、ネッ…





とにかく何処を切り取っても素晴らしい、極上のミステリ体験。もしこの本を読んだことがない、そして内容もよく知らないという幸運な人がいたら、拙い感想を見る前にまずまっさらのまま読んで欲しい、
今年新作の映画が公開、とりあえずそれを見る前にということで、未読だった本作に挑戦。クリステ…



サイコスリラー系サスペンス作家としての地位を着々と築きつつある印象。突出した個性はないけれど、安定して読めますね。童謡殺人としては、もう少しひねりが欲しかった気もしますが・・・。
グルーバーの作品を読むのはこれが三冊目。他2冊はシリーズ物だったので、ノンシリーズはこれが初めてだ…


素材は上々、ただそれを盛り付けただけになってるような印象が惜しい。ラストの展開も調理の仕方を変えれば、結構印象に残るのになぁ・・・
一本釣り漁師をしながら、「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」優秀賞受賞という経歴が気になる受賞後第…



ここまでくると、ミステリ部分と歴史・神話部分の乖離を突っ込んでもしょうがなし。自分の気になる場所やテーマの時を読むのが吉なのだろうか・・・。
QEDシリーズ復活第2弾は中編を二編収録。最初の表題作「白山の頻闇」は1作目からの時間軸の延長の物語…



デビュー作に登場した刑事コンビが再登場。前作よりも科学的なものもイメージはしやすかった反面、著者の好みなのか展開もにたような印象を受けて、前作以上の驚きと楽しさには欠けるかなぁ・・。
デビュー作「ジェリーフィッシュは眠らない」で登場した、マリアと漣のコンビが再登場。作中「ジェリーフィ…

「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」優秀作という事で、いかにも島田荘司好みの医学的ベースなミステリ。新人の作品としては読ませるエンタメ系サスペンス。でも一番おおっと思ったのは著者の略歴だったりして
村の有力者以外立入禁止の雛祭りを覗こうとした少年に降りかかる災厄から幕を開けながら、一転して厚生労…




日本推理作家協会賞受賞作。現代風のトリックやロジックで引っ張っていく作品ではないけれど、往年の社会派ミステリを彷彿させる展開と描写の水準は高かった。
刊行時にちょっと気になってた未読の作家さんの作品。70回日本推理作家協会賞受賞作という事で挑戦。 …



死体鑑定を巡るドラマ性は結果としてついていくるもの。著者の揺るがない「死体は語る」という姿勢には共感を覚えた。
上野さんの名前はこの本が出るまでは失礼ながら存じ上げなかった。たまたま書店でこの本を見かけて図書館に…





でてくる登場人物は見事なまでに共感できないのに惹きつけられる。沼田さんは「イヤミス」の名手と言われているけれど、これは「イヤミス」というより、「クズミス」だ!!(褒めてます)
沼田さんの作品は「ユリゴコロ」につづいて2作目。イヤミスの名手らしい、実にどーんときます。八年前に…




(ブログ再録)夏目漱石の「坊っちゃん」の世界を、うらなりの視点から描くオマージュ的佳作。視点が変わるとまたエピソードの印象も変わりますねぇ。
夏目漱石の『坊ちゃん』は近代文学の最高峰の一つとして知られており、平成の世になっても読み継がれている…