碆霊の如き祀るもの
シリーズのお約束、怪異とミステリのハイブリッド、堂々巡りする探偵の推理は健在。ミステリとしてのクオリティはそこまで高くはないけれど、とにかく異様すぎる動機が印象に残ります。
実に「幽女の如き怨むもの」以来6年ぶりの刀城言耶シリーズ。その間に、本来シリーズの一作として構想さ…
本が好き! 1級
書評数:171 件
得票数:2587 票
某地域包括でケアマネ兼社会福祉士で仕事中。
ミステリを中心に、日本の古典や民俗学、宗教学が読書傾向。年を重ねるに連れて読書スピードが落ちているのが、もっかの課題。。
シリーズのお約束、怪異とミステリのハイブリッド、堂々巡りする探偵の推理は健在。ミステリとしてのクオリティはそこまで高くはないけれど、とにかく異様すぎる動機が印象に残ります。
実に「幽女の如き怨むもの」以来6年ぶりの刀城言耶シリーズ。その間に、本来シリーズの一作として構想さ…
名作はいつの時代に読んでも色褪せない。過去の名訳にリスペクトした新訳の読みやすさもあり、タイムリミット物のスピード感、緊張感を堪能できます。意外な結末を引き立てるプロットも秀逸。
“The night was young, and so was he. But the ni…
ラノベ系に見えて、構造はクラシカル。色々と物足りないところはあるけれど、ミステリの構造としてはオーソドックスかつツボは押さえてると思うので、今後の期待。
コンビニが舞台、そして登場人物の設定からして、日常の謎系連作短編集かと思ってたけど、実際に読んでみて…
形のないものを言葉にすることの難しさ。この小説はそのハードルを軽々と超えるだけではなく、言葉と比喩の素晴らさによって、ピアノのメロディをビジュアルとして表現しきっている。
形の無いものを言葉にし伝えることは難しい。 高校生の時、偶然ピアノの調律に出会った外村。彼は…
国内における刑事コロンボへのオマージュ的シリーズといえば、まずはこれ。安定の作品クオリティは5作目になっても変わりなし。そろそろ新しいドラマ版を見たいと思うのは私だけ?
国内での倒叙形式として刑事コロンボへのオマージュたっぷりのシリーズといえば、映像では古畑任三郎、小…
どのシリーズを読んでも、同じように見える安定の高田節。従来のコンビパターンから一人パターン(今の時点)になっても、基本は変わらず。過去の高田作品の諸説を読んでないと、正直しんどいかも・・。
でました、高田さん新キャラ歴史ミステリ。QEDも再開してるし、毒草師もあれば、連と響子のシリーズ(…
罪を暴く立場の検事が、罪を裁く側に回る。なかなか難しい設定で、ストーリー展開も正直無理筋だなぁと思わなくもないですが、すれでもグイグイ読ませるエンタメ性はあります。
かつて時効となった殺人事件の容疑者の男と、時を経て再び検事と殺人事件の容疑者として対面することになっ…
あえて犯罪者と被害者の家族の視点を省くことによって、事件に直面したとき、自分はどう反応してしまうのかという命題を読み手に突きつけてくる。安易な救済の無い、実に重い作品だと思う。
薬丸岳さんの作品はこれが初めて、映画化をきっかけに手に取りました。 ジャーナリストの夢に破れ…
かつては寡作作家のイメージが強かったので、最近の刊行ペースにびっくり。それでも作品の安定感は相変わらず。猫丸先輩も登場するし、ファンとしては楽しめる内容だと思います。
作品としては本格ミステリというよりはストーリーそのものに捻りを加えたものも多く、個人的にはそちらのタ…
一人の世界的歌手の死を様々な視点から描くことによって、戦争に対する書き手の思いが浮き上がってくる。文章面など色々粗いところもあるけれど、皮肉の効いた終わり方も含めて印象に残る。
国同士の紛争。血の跡で出来たとされるブラッドライン。超大国アメリカの介入。架空の国同士の紛争ながら…
(ブログ再録)突如その姿を消した人気花魁。その失踪事件を軸に、吉原という特殊な世界の在り方、花魁の葛藤を描き出してます。
(ブログ再録 2007/9/8) 第137回直木賞受賞作のこの作品。 この回の他の候補は…
実在の人物であるエンリケタをモデルにしたジャンル分け不能の不思議な読後感。それでもこの小説の主役は、エンリケタでも、彼女を追うコルボ警部でもなく、舞台になったバルセロナの街そのものだと思う。
20世紀の初頭、実際に存在した「バルセロナの吸血鬼」エンリケタ(作中でも同名)をモデルにした小説。…
(ブログ再録)のりりんはミステリ作品だけでなく、評論ももっと評価されていいと思う。
悩める名探偵あるいは作家。 僕が敬愛する法月綸太郎の評論集である。 とはいってもこの本のため…
初のロス・マク作品。ハードボイルドには詳しくないけれど、等身大の探偵としてのアーチャーの魅力、事件に家族の姿を投影するスタイルは、シリーズ1作目ですでに試みられてたんだな、と思う。
海外小説を比較的苦手にしてきた自分の中で、ハードボイルド小説となるとさらに敷居が高い。このジャンル…
世の中にはいろんなことを真面目に取り組んでる人がいるんだよ、だから自分の興味が一編的とされるところからズレていたとしても、けっしておかしいことが無いだんよ。
漫才師兼お笑い芸人兼大学非常勤講師である著者が集めた「ヘンな論文」が紹介されているこの本。全部で1…
句読点の乱用で読みにくい文章、まるでプロットを読んでいるような肉付きの無さ、推理も意外性も無いクライマックス。往年の西村作品を読み漁っていた自分としては、非常に寂しい気分になった・・・。
かつて愛読していた西村京太郎トラベルミステリー。去年久しぶりに『終着駅殺人事件』を読み返したけれど、…
一部の登場人物が狙いすぎだけど、それでもB級パニック映画的テイストの面白さには磨きが掛かってる。読み終わってみると、なるほど、このタイトルは考えられてるな、と思いました。
安生正さんの本は『生存者ゼロ』に続いて2冊め。『生存者ゼロ』と同様こちらも日本を舞台にしたパニック…
歴史パートより現代パートの方がリアリティが薄いという、高田ミステリのお約束は今作も踏襲。天岩戸伝説や天照大神、邪馬台国や卑弥呼に興味がある人には面白いかも。
『鬼門の将軍』に続く出版社勤務の萬願寺響子と、その従兄弟であり高校生の漣が主人公のシリーズ(?)第…
序盤はいわゆるパンデミック物を思わせて、後半はソフトな西村寿行な展開。表現のバランスの悪さがテンポを損ねているところもありますが、捻りのあるストーリー展開は楽しめました。
事件の発端は北海道の石油採削基地で、職員全員が皮膚が剥がれるほどに腐敗したような状態の無残な姿で発…
『ラプラスの魔女』の前日譚だけれども、肝心の能力が短編の中で活かしきれてない。それなりに楽しいけど、読み終えてしばらくすると印象に残らない。これもまた東野ミステリのもう一つの特徴なのかも。
『ラプラスの魔女』の前日譚。全5話収録、そのうち4話に前作のヒロイン・円華、最後の1話に地球化学の…