誰かが足りない





分かりやすい、優しい物語だった。うっすらとした寂しさが絵になったような日々の中に、訪れた「ハライ」というレストランでの幸せな時間が、しみじみとしみる。
読む本の中にはむずかしい漢字ばかりの時がある。鋭く心の中をかき回してあとはわずかに理解の外にあるよう…
本が好き! 1級
書評数:645 件
得票数:17435 票
徹夜してでも読みたいという本に出会えるように、網を広げています。
たくさんのいい本に出合えますよう。





分かりやすい、優しい物語だった。うっすらとした寂しさが絵になったような日々の中に、訪れた「ハライ」というレストランでの幸せな時間が、しみじみとしみる。
読む本の中にはむずかしい漢字ばかりの時がある。鋭く心の中をかき回してあとはわずかに理解の外にあるよう…




題名が気に入って、というか気になって。 ミステリといえるようないえないような、面白くてじんわりと怖い、という短編集だった。 北村さんは「陰のある短編集」にしたそうだ。
☆マスカット・グリーン 馴染んだ夫婦におせっかい女が噂を耳に入れる。そういえば夫は理由をつけて私の…




アメリカの郊外に住む主婦が巻き起こす謎解き、ドタバタミステリ。訳者(浅羽莢子さん)はあとがきでドメスティックミステリのジャンルに入れ、日常ミステリ、家庭ミステリと言い換えている。
これは訳者の時代(1997年13版)にはこういう分類だったのだろう。ちょっと思いついてコージーミステ…





身近な出来事で、勘違い、行き違い、誤解、早合点、何もかも思い当たる、エッセイにするとこうなるのかな。 講談社のエッセイ賞を受賞した岸本さんに、今更だけれど。
読んで暫くして、不意にぽかっと浮かんでくる、ほんと不思議だなぁ、あるあると言う感じが好きだ。 これ…




説経節の「小栗判官」を備忘録に。
伊藤比呂美さんの詩作品は、昔の詩誌で読んだことがある。性にまつわる言葉が力強く直説的にまた喩として埋…



時代は様々ですが、印象的な人達を大雑把に知ることができました。夢枕獏さんの選んだ奇想家は獏さんの著作関連のものが多い、時間を作って読んでみたいと思ったけれどこれは参考書のように広く浅く、だが面白かった
見逃したという前に知らなかったが、NHKで放送したという「知るを楽しむ、この人この世界、夢枕獏の奇想…




病的なわがまま女とまとわりついて離れない男の話。しかしこんな生き方もあるのかと思う。まほかるさんは読んでおかないといけないと思ったのは正解。
よくできた姉と崩れた妹。でもどこにでもあるように、出来た姉でも何か抱えているものがある、それを見せま…




「ニジンスキーの手」で登場した赤江獏さんは亡くなられたけれど、何冊か集めた本がある。奥付を見ると昭和60年の5版だった。でも再版されているということはファンがいるのでしょう、嬉しかった。
今年早々にバレエダンサーの友人と話していて、ニジンスキーを思い出した。 赤江獏さんの作品は…



アパートの部屋から明日出て行こうとしている二人の気持ちを、交互の独白で表現する。 そこはもう荷物を出した後のがらんとした最後の一夜の部屋で、非日常の見慣れない夜である。
こういう形式は珍しくないが、それがお互いが殺人事件の犯人ではないかと密かな疑いの気持ちが潜んでいると…





「死者の書」から「曼荼羅って」となり、次には「密教」「空海」と私の好奇心は広い広い読書の海に向かっていく。空海の生きた四国の地には私にもつながっていて、切れ切れの記憶がこの本を読んで少し鮮明になった。
空海というより弘法大師という名前が親しい。その上「南無大師遍照金剛」と唱えるお遍路さんの言葉は今にな…




7世紀から9世紀にかけて、およそ10年に一度出航した遣唐使船。平城京遷都から1300年を記念して開催された「遣唐使船再現プロジェクト春日大社シンポジウム」の記録。
学問的な関心よりも「空海」関連の書籍を読んでみようと手に取った一冊で、古代、東アジア大陸から文化を取…



お休みが多いからか、最近我が家で男の料理が流行っている。でもハンバーグ。「ジューシーだ」「ちょっと硬い」などと言いながら、休日のハンバーグ道を極めようとしている(かも)。ミンサーまで買ってきた。
私は長年の家庭の味もおいしいと思うが、男の料理は特にジューシーさに拘りがあるようだ。 それにしても…




記者ウエルズ・シリーズの4作目、これで取りあえずシリーズが終わる。構成で見ると、粋な書き出しで話の導入部からとても面白い。
先の情報屋の一件で編集長が変わり、アイビーリーグ出身の、元気のいい気の強い女性がやってくる。 …




先のレビューを間違って消してしまいました 涙。時間かかかりましたが何とかワードの中の原稿を見つけましたのでまたあげました。投票をしてくださっていた方々に心からお詫び申し上げます。
附言より 説教節や伝説を小説形式にしたことに言及されています。 「この話は、高安長者伝説から、…




ウェルズの記者魂に触れる。シリーズ三作目。
使っている情報屋のケンドリックから、上院戦に立候補中の議員のSM写真を買わないかと連絡がきた。しかし…




ハードボイルドでも、主人公はソフトな印象のジョンウエルズという記者。彼がいい。シリーズは四作出ているが読み始めのこれが二作目。
マンハッタンは大雪だったそして、それは初雪の夕方だった。 若い女性が虎に腕を食われた事件も一息…



これが本屋さんで時々見る中村航の青春小説なのか、読みやすい、と、空き時間に読んでみた。
長く飼っていた愛犬が年老いて死んでいくという。 それを見舞いに行くのに、古いバイクを直して同行…





藤原伊織さんは若くして突然に亡くなったが、この作品は江戸川乱歩賞と直木賞を同時受賞をして話題になった。
私はこの作品も好きだが、「シリウスの道」「ひまわりの祝祭」「手のひらの闇」などに夢中になった。もう次…




「内助の功」ってコウなのか?
10年ほど前に大河ドラマで放送されていたのを初めて知った。やはりNHKは豪華キャストで、顔ぶれをしみ…



本選びで時々失敗をする。アンデルセンの童話なのですが、なんだか暗い話が多く、序でに暗い感想を残します。
雑談は大変役に立つ(ことが多い)もので、特に本読みが集まると意外な発見があってやめられません、結構な…