鍵



ミステリの部分もあるが、少し砕けた家庭小説で、両親をなくして残った三人のきょうだいの繋がりがメインになっている。
長男俊太郎は25歳、大手商社を三年でやめ、今は持ち家の管理人生活。耳の不自由な妹が生まれてから、母の…
本が好き! 1級
書評数:645 件
得票数:17435 票
徹夜してでも読みたいという本に出会えるように、網を広げています。
たくさんのいい本に出合えますよう。



ミステリの部分もあるが、少し砕けた家庭小説で、両親をなくして残った三人のきょうだいの繋がりがメインになっている。
長男俊太郎は25歳、大手商社を三年でやめ、今は持ち家の管理人生活。耳の不自由な妹が生まれてから、母の…





読書好きの集まりで百年文庫を紹介された。版画の表紙が素朴で美しかった。お勧めの「絆」から読んでみたがちょっと泣けるようなほかほかと暖かい気持ちになった。
確かに100冊、漢字一文字のタイトルも美しい。一冊に三名の作家の作品がある。知らない作家にも出会える…





美しい風景描写に救われるが、そこに血の跡を残していくインディアン討伐隊。マッカーシーは汚れつつ生まれたアメリカ開拓期の一面にある、人と命を直視する。
半分ちょっと読み残している「平原の町」が気になるが、これはYasuhiroさんがレビューされた素晴ら…



少女を残虐に殺し犯して捨てた犯人が出所してきた。間もなくまた一人の少女を犯して殺した。だがその子は富豪の孫だった。
富豪は三大紙に全面広告を出す。 <この男を殺してください> 黒々としたバカでかい文字が踊…




わらべ歌と詩をモチーフにしている。それは夢の中から生まれたように、今になって現実ににじみ出てくる、夢だったのだろうか。その不思議にとらえられた人たちの話がなにか妖しい情感を醸し出している。
前に読んだ「蝶」は詩や和歌が取り上げられていた。おなじように歌がモチーフになっている。 童話や童謡…





難しい官位の読みや意味にぶつかりながら読んでいると、1100年の流れの向こうに道真という人を感じることができた。 著者の平易な解説で疑問が少し薄れたようだ。
先に読んだ大岡信著の「詩人菅原道真」は、歴史と文学の面から主に道真の残した詩文に光を当てていた。 …





道真と言えばどうして遣唐使廃止の上奏をしたのか、どうして王朝経済を立て直す当然必要な重要政策から降ろされ太宰府のわび住まいで悲惨な死を迎えたのか、ひとまずこの名著から読み始めました。
詩人大岡信さんの著作なので、詩心に込められところを理解するうえで「うつし」という言葉から例をあげて書…





竜崎は、息子の不祥事で大森署に移動になる。彼は前例を引くまでも無くわが道を行く。しかし部下を困らせることが本意ではない。竜崎も少し譲ることにして新しい任地は動き出す。
高輪で強盗事件が起き大森署でも緊急配備をしいた。ところが犯人たちはそれをすり抜け、先で待機していた機…



ユーモアたっぷりで楽しませてもらった。 コージーミステリというのを自覚して読んだのは二冊目ですが、肩の凝らない読み物でこのジャンルはたまの息抜きにはもってこいです。
面白かったです。 なんといってもCIAで訓練された万能(たぶん)女性のスパイがいけている。いけすぎ…





20年の2月に文庫になってから、ずいぶんたくさんの人に読まれている。気分転換に古い本を出して来たので今はもっと増えているでしょう。また今更だけど、このシリーズ読みたいし面白かったし。葛藤は続くのです。
東大法学部卒のエリート竜崎伸也という主人公は、変人だといわれている。彼は公務員の本筋通り、国のために…





太陽の昼は現実、月の光に照らされたのは魔法の夜。ミルハウザーの美しく精緻な言葉が、月夜に目覚め眠れない人々を描き出す、冴える幻想と美。9作目。
ごく短く綴られた物語の積み重ねは、深夜に起きる人たちと月を語る詩のような言葉でできている。夜に目覚め…




図書館では児童書だと聞いたからか絵も美しく、お伽噺風でとても楽しい本だった。(4)まであるが まず(1) は清明の誕生から、都に戻り中納言に仕えるまでの話。
父、安部の保名と葛の葉の間に生まれた清明は、信太の森にいる母に会いに行く。そこは狐が守っている森だっ…



生まれも育ちも恵まれた明生が、「ほかならぬ一人の女性」を求める話。「永遠のとなり」と一緒に、白石ファンの方に強く勧められて読んでみた。
「ほかならぬ人へ」 優秀な家族や係累の中で、自分は生まれそ…



「永遠のとなり」という題名は二人の男の生き方ばかりでなく、理想と現実、自由と束縛、健康体であった過去と、現在の病身、故郷と異郷、もろもろに反するものを自己の中に抱えて生きる人間の象徴かとも思える。
青野精一郎は大学入学と同時に上京して、東京の大手損保会社に入った、花形部署にいたが、合併とともに片隅…




何かに優れていたり、異常になにかにとり憑かれた暗い世界の人も書くという作家なのかと思い、こういう世界もあるだろうという感想だった。
恵まれない孤独な境遇の青年が、スリで生活している。 スリの手際もよく才能があり、効率のいい裕福そう…



信長が浅井・朝倉を破り破竹の勢いで天下を掴みかけていた頃、秀吉が木下から羽柴に改姓した頃、平馬(大谷行部)は16歳、佐吉(石田三成)は15歳だった。
平馬の話はここから始まり、関が原で破れ42歳で亡くなるまで、前後およそ30年間の物語りだった。 滅…





運命に辱められた不幸な人々への憐憫の情溢れる「外套」 幻想的な「鼻」 という表紙の言葉に惹かれて読んだ。名作。
まず、ロシア文学というもの。私の知っているロシアを代表する作家は、「読んだ」というのも今となってはな…



平成2年初刊行の文庫版で平成7年発行。 筒井さんにしては珍しい推理小説。でも読み終わってみみると、やはり読者に対してサービス満点というところの筒井作品だった。
今のミステリ小説はジャンルが豊富で作品数が多くなりストーリーも多彩で、人気作はシリーズ化するのが定石…



題名と表紙の清楚な花を見、作者にも関心があって読んでみたが、多くの代表作に比べて、少しライトな感じがした。
誉田哲也さん得意の警察小説から幕を開けるが、一つの事件が解決したかのように見えて、その背後にいる影が…

親戚のこともあって、介護について少し勉強したので、題名を見て著者が楡さんなので読んでみた。
正直がっかり。現実の介護問題とは程遠い。得るところなどなにもなかった。 収入が年間手取り100…