背徳経営



権謀術数渦巻くだまし合い。大銀行である会社と金融界の醜い権力争いの内幕を描く。旧題名は 『大罪』。
著者は旧第一勧銀に入り、97年の第一勧銀総会屋事件では広報部次長として混乱収拾 に当たった。高杉…

本が好き! 1級
書評数:528 件
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10年前に毎日が日曜日状況になってブログを開設しました。
内容は読書感想文、好きで描く水彩画作品の紹介などです。
読む本は雑食。推理もの、時代物、ノンフィクション、ハー
ドボイルドなど大好きです。



権謀術数渦巻くだまし合い。大銀行である会社と金融界の醜い権力争いの内幕を描く。旧題名は 『大罪』。
著者は旧第一勧銀に入り、97年の第一勧銀総会屋事件では広報部次長として混乱収拾 に当たった。高杉…



全国の迷宮入り事件がすべて警察庁刑事局刑事企画課情報分析支援第二室(通称裏店)に送り込まれる。室長補佐の安孫子警視正が難事件を解決に挑む。
作者遠藤武文は2009年『プリズン・トリック』で江戸川乱歩賞を受賞した。本書は受賞 後第4作…



防衛省の高級官僚が汚職(収賄)で逮捕され実刑が確定した。その一部始終が家庭内のプライバシーまで含め仮借なく明かされる。頭はよいが気が弱く、脇の甘い普通のお粗末な人なのになぜここまで叩かれたか。
たいてい高級官僚に枕詞をつけるとすれば”大物”と相場は決まっているが、ここは 敢えて”小物”とし…




東京証券取引所の大納会をターゲットに、マーケット大暴落を狙う「金融テロ」が企まれた。大震災で事実上見殺しにされた被災地の憤りと恨みが政府の無為無策を糾弾する。金融サスペンス。
これは金融経済小説か警察小説か。 2005年に『デフォルトー債務不履行』でデビューした相場英雄…



警視庁刑事部が公安のカモフラージュ作戦に振り回されている。その背後に何があるのか。駆け出し刑事宇田川が真相解明に奔走する。
主人公は宇田川亮太。多分30歳くらいの巡査部長。警視庁刑事部捜査第一課殺人犯 捜査第五係の一員で…




スターリンは暗殺されたのか。第二次世界大戦末期、世界征服の野望を目論み水素爆弾開発に一歩先んじたロシアをたたくにはスターリン暗殺しかない。アメリカが託した暗殺者スランスキーへの作戦名は「雪の狼」。
スターリンは史実としては1953年3月脳溢血で死亡したことになっている。血も涙も ない偏執的独裁…



大企業の子会社。そこには独特の負の企業文化があって、そこで働く社員・幹部はそれぞれに悩んだり苦しんだり、怒ったり泣いたり、諦めたり奮起したりしている。企業小説または職場小説のひとつ。
初出が日本経済新聞電子版(2011.5.2~2012.5.21)とある。単行本化で大幅な加筆 修…



およそヤクザ集団らしくないが、任侠を絵に描いたような阿岐本組。オヤッサンが兄弟組親分に頼まれて病院の再建に取り組む。「任侠シリーズ」第3弾。
今野敏は主として警察もの。「任侠シリーズ」は初めてだ。今野敏は結構幅広い ジャンルの作品を書いて…




希代のストーリーテラー、R・ゴッダードの20作目の作品。帝政ロシアのロマノフ一族の系譜をめぐる暗闘。流れるようなストーリー展開で楽しい本。
<上・下通しての感想です> R・ゴッダードの20作目の作品。 英国外務省に勤務するリチャード…




直木賞受賞作家朝井かまての作品。浮世絵師の頂点に立つ葛飾北斎とその三女葛飾應為榮女の生涯を描いた。もちろん主役はお栄。作中登場の江戸っ子たちの応酬が歯切れよく、文章もテンポよくすいすい読める。
第140回直木賞(2014)受賞作家朝井かまての作品。浮世絵師の頂点に立つ葛飾北斎 とその三…




諜報ものの第一人者ジョン・ル・カレのスパイ小説。東西冷戦終結後の、イスラムやチチェンのテロ集団とその支援組織に対峙する西側諜報組織の、複雑に入り組んだ駆け引きが面白い。
舞台はドイツの港町ハンブルク。痩せこけたアラブ系トルコ人の若者が町をさまよ っている。 イッ…



テーマは少年犯罪がかかかえる社会的課題。果たして少年院で教導・更生は図れるのか。3人の殺人を犯した犯罪少年を通して少年法の問題点を問う。
<上・下通しての感想です> この作品のテーマは少年犯罪。 14歳未満の少年は刑法において「罰…




濃霧で全便が欠航となったロンドンの空港で一人の若い女性が途方に暮れて泣きじゃくっていた。気の毒に思った中年の弁護士が自宅に一晩泊め、翌日空港へ向かう地下鉄まで送ってあげた。その女性が何故か行方不明に。
2003年1月、濃霧ですべての便が欠航となったロンドン・ヒースロー空港で一人の若 …




稀代のストーリーテラーR・ゴダードの作品。人妻との愛を捨てて名声を選んだ建築家ジェフリー。駆け落ちを裏切った12年後、彼女が殺人の罪に問われて裁判に掛けられた。これを救おうと駆け回るのだが…。
<上・下通しての感想です> 久しぶりのゴダード。1994年といささか古い作品であるし、時代設定も…



難解な文章でつづる高村薫の犯罪小説。動機も殺意も解明できない凄惨な強盗殺人事件をめぐる警察と犯人らのやりとりは不条理に満ちた社会の縮図か。作者の狙いはどこにあるのか。『レディジョーカー』の合田登場。
<上/下通しての感想です> 高村薫の作品からは久しく遠ざかっていたが、この度大作『冷血(上/下)…




アメリカ・イエローストーン国立公園で「猟区管理官」として勤務するジョー・ピケットは、妻や娘に襲う天然ガスパイプライン敷設を進める開発会社の妨害に敢然と立ち向かう。
著者のデビュー作(2001)。 C・J・ボックスは米国ワイオミング州に生まれ育ち、牧場労働者、…



物質と反物質の僅かな揺らぎが今の我々の宇宙をそしてわれわれ人類も作った。それは無から有が生まれるということである。わかります?
いつもいつもインターテイメントだけでは脳がやわになると最近話題の宇宙物理学の 本に取り組んだ。 …



2013年第5回日経小説大賞受賞作品。現役の財務省キャリアの作品が受賞し注目を集めた。日経小説大賞では2011年第3回受賞作品「野いばら」(梶村啓二)にはいたく感動したものだが。可もなし不可もなし。
東大法学部を出てメガバンク帝都銀行の総合職第一期生として入行した吉沢環。総合 職女性たち…




R・ブロックの殺し屋ケラー・シリーズの1冊。オハイオ州知事暗殺の濡れ衣を着せられて指名手配されたケラー。「俺のことはアルと呼んでくれ」の依頼人に嵌められたのだ。仲介人トッドと二人で復讐に立ち上がる。
久しぶりに面白い本を読んだ。ローレンス・ブロックの殺し屋ケラー・シリーズの1冊。 いつもの…




定年退職した元刑事神場。在職中の冤罪と思しき後味の悪い事件の記憶に悩まされる。そんな罪悪感と後悔を抱えて始めた四国遍路の最中に、再び類似の少女失踪事件が起きた。贖罪の思いで事件解決の糸口を探る。
読後感がさわやかな作品である。 一見長編ミステリー・警察小説と受け取られるが、むしろ警察とい…