白村江




蘇我氏を下し権力を手にした葛城の皇子は、大化改新という大目的のために権謀術数の限りを尽くす。 この本のみそは、なぜ日本は半島不介入の国是を犯し百済に出兵したのか、そしてなぜ敗れたのか、その謎解きにある。
歴史小説ではあまり扱われることのない時代、壬申の乱以前の倭国が朝鮮 半島三国(高句麗、新…

本が好き! 1級
書評数:528 件
得票数:7670 票
10年前に毎日が日曜日状況になってブログを開設しました。
内容は読書感想文、好きで描く水彩画作品の紹介などです。
読む本は雑食。推理もの、時代物、ノンフィクション、ハー
ドボイルドなど大好きです。




蘇我氏を下し権力を手にした葛城の皇子は、大化改新という大目的のために権謀術数の限りを尽くす。 この本のみそは、なぜ日本は半島不介入の国是を犯し百済に出兵したのか、そしてなぜ敗れたのか、その謎解きにある。
歴史小説ではあまり扱われることのない時代、壬申の乱以前の倭国が朝鮮 半島三国(高句麗、新…




連合赤軍山岳ベースにおける大量殺人事件を題材にした小説。山岳アジト(迦葉ベース)における陰惨な殺人事件の生き残りたちが、首魁の一人永田洋子の獄中自殺を契機に当時の記憶をたどる。桐野夏生らしいタッチ。
あさま山荘事件又は連合赤軍事件を題材にした小説。月刊文芸春秋に連載された。 39年前リ…



真実、悪の本質といった人生究極の問いにいくら答えを求めても水泡に帰する。人の善悪を問うのは全く無意味なのだ。…シーラッハ独特の人生観を、共感覚に乗せて描く。
著者が邦訳にあたりドイツの原書と同様表紙カバーにこの写真を使うようこだわっ たという。 写真…




70歳を過ぎてから文章を書き始めわずか5年で世を去った吉野せいの作品「洟をたらした神」を含む短編16。開墾の厳しさ、産み育てた6人の子供らへの誇り。亡くした幼子への鎮魂譜など珠玉の掌編。
著者は70歳を過ぎてから小説を執筆し、1975年「洟をたらした神」で大宅賞、田村 俊子賞を受賞し…



バツイチの介護士結城彩と余命3ヶ月の末期がんの資産家の老人。二人の欲と周辺の人物の欲が互いに交錯し思わぬ結果に向かう。
サスペンスに分類されているようであるが、内容はサスペンス性に乏しい。 主人公の結城彩35歳…



猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ。最近担当猟区で不可思議な出来事が起きている。ジョーは引き継ぎのために5日間のパトロールに出かけた。そこで双子の兄弟に襲われ重傷を負う。
おなじみの猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ。ワイオミング州トゥエルブ ・スリーブが担当区域。妻の…




単純な企業小説ではない。企業スポーツの宿命、企業の存亡と一連托生であることとスポーツと同様に企業にも大逆転があることを証明する愉快な物語。
「ルーズヴェルト・ゲーム」?なんじゃこれは。 そもそも「ルーズヴェルト・ゲーム」とはなんぞや。野球…




28歳で世を去ったのロジャー・ホッブスのゴーストマンシリーズ第2作。ゴーストマンとその師匠、殺し屋ローレンス、香港マフィアが三つ巴の凄絶な抗争を繰り返す。21世紀最高のノワールノベルとされる。
21世紀最高のノワール・シリーズ第2弾。21世紀に書かれた犯罪小説で10指に 入る傑作とされ…



気が弱くてすぐに人を信用してしまう石田真人。妻にも見限られている。銀座の美人ママにだまされて株不正取引の罠にはまる。ワル同士の騙し合いは面白いが中身は単純。
西川三郎の題名が一字の作品第3作。ほかに『瘤』、『欲』がある。 『瘤』を先に読んだが、『罠…




凄腕の心臓外科医織田祐一郎から求婚された看護師結子。彼女には親しい男靖男がいる。一方織田の父親とその友人が横浜みなとみらい地区で殺された。実は靖男には織田祐一郎との間に数奇な係わりがあった。
企業経営者にして作家の西川三郎の作品。 横浜・みなとみらい地区の「臨港パーク」にある公衆…




江戸時代末期、イギリスの海軍少佐と水戸藩の武家の女性との悲恋物語。いまスコッツウォルズの地に咲き乱れる清楚な野いばらは日本女性成瀬由紀の精霊か。
清々しい読後感の小説である。見事な構成力と力強い文章力が印象的である。日本経済 新聞がジャンルを…




サンクトぺテルブルク生まれの祖父は、ロシア革命の翌年、一家でオランダに逃れてから亡くなるまで朝な夕な孫の「ぼく」に愛する故郷のことを語り続けた。『ハリネズミの願い』の作者が綴る自叙伝的作品。
オランダ生まれの医師であり作家の作品。ロシア人の祖父の記憶を語る自伝的作 品集。39の掌編が…




台湾の推理作家文善の作品。機密ファイルの誘拐事件発生。身代金は10万ドルは仮想通貨で払え。指示通りに動かないと証券取引所の終了前にファイルを公開するという。時代性に富む本格推理小説。
台湾の作家の作品を読むのは初めてである。 本作は第3回「島田庄司推理小説賞」受賞作である。同賞…




「料理好きの結婚詐欺師」梶井真奈子(カジマナ)の取材をきっかけに6キロも太った男性週刊誌記者町田里香。次第にカジマナの魔力に取りつかれたかに見えたが…。首都圏連続不審死事件の木島佳苗がモデル。
第157回直木賞候補作品。獄中の結婚詐欺師にして殺人罪に問われているカジマナ (梶井真奈子)に取材…




アン・ズルーディの「ヘルメス・ディアクトロスシリーズ」第4弾。ギリシャの小島カルコス島のイコン <悲しみの聖母>が偽物であることを知ったヘルメスが贋作事件の謎解きに挑む。緻密な描写が魅力。
舞台はエーゲ海に浮かぶカルコス島という小島。話はここから外へ出ない。 主人公はアテネから来た…




殺し屋と保安官補が死力を尽くしての襲撃、反撃、逆転、再逆転が続くノンストップサスペンス。
ジェフリー・ディーヴァーの作品はこれまでリンカーン・ライムの登場する 『ボーン・コレクター』、…



本格小説5編。「赤い博物館」という警視庁犯罪資料館の館長緋色冴子という安楽椅子の名探偵が、捜査資料だけで犯人を割り出す。ワトソン役は元警視庁捜査第一課巡査部長寺田聰。
京都大学推理小説研究会出身という作者による本格ミステリー。 「赤い博物館」とは警視庁付…




佐藤正午さんの長編作。ダメ男の作家くずれと彼を取り巻く女たちの会話が楽しい。
<上下通しての感想です> 先ごろの直木賞受賞作家佐藤正午の作品『月の満ち欠け』が購読雑誌「オール…



いつまでも過去の出来事にこだわり続ける中国人と韓国人。その根っこには儒教の呪縛があると信じさせる。
著者はアメリカ・カリフォルニア州弁護士にして日本人・日本文化に関する評論等 をものし、かつTV等…




新撰組近藤勇と芹沢鴨の関係、伊東甲子郎の変節と龍馬の暗殺現場再現…。天皇すり替え策を覆い隠そうと武力革命に執着した薩長土など面白い史観が楽しめる。
「禁断の幕末維新史」、センセーショナルな副題である。禁断とは広辞苑では 「ある行為を差し止めること」…