キャピタル



何とも落ち着かない陳腐な小説。それはなぜか。自分の世界に浸りきっているからか。
著者加藤秀行は2015年に『サバイブ』で文学界新人賞を受賞した。2016年『シェア』 が芥川賞候…

本が好き! 1級
書評数:528 件
得票数:7670 票
10年前に毎日が日曜日状況になってブログを開設しました。
内容は読書感想文、好きで描く水彩画作品の紹介などです。
読む本は雑食。推理もの、時代物、ノンフィクション、ハー
ドボイルドなど大好きです。



何とも落ち着かない陳腐な小説。それはなぜか。自分の世界に浸りきっているからか。
著者加藤秀行は2015年に『サバイブ』で文学界新人賞を受賞した。2016年『シェア』 が芥川賞候…




時代小説の大家池波正太郎が書いた現代小説短編集。浅草などを舞台にいろんな事情で娼婦になった彼女らと、需給の仲立ちをするクラブのバーテンダー堀井などの眼を通して売春防止法成立直後の世相を描く。
池波正太郎といえば時代小説の大家である。その池波氏がこのような現代小説を 書いていたとは正…





野沢尚の「奇跡的傑作」。殺人事件被害者の残された娘秋葉奏子は加害者の一人娘都築未歩はどんな苦しみを味わっているのか知りたいと思う。未歩に同じ苦しみを求めたその先には…。
第22回吉川英治文学新人賞受賞作。 選考委員であった高橋克彦は本作を「奇跡的傑作」と評した。…



女性のボディガードを主人公にした珍しいシリーズもの。要人警護の要諦を知ることが出来る。
ボディーガード八木薔子シリーズ。 アメリカあたりでは「トップシークレット」とか言って、大統領…



インターネット上に作り上げた疑似家族。その「おとうさん」が殺された。犯人はだれ?警察が仕組んだ 巧みな作戦は功を奏したのだが。
インターネットコミュニティの問題点は次第に明らかになってきていますが、すでに 15年も前に問題点の…



新聞記者甲斐明人。優秀な記者で本社社会部で活躍していたが、上司にたてつき横浜支局に左遷される。ところが初めて一緒に昼飯を食った後輩記者二階が突然失踪する。スクープを狙っている口ぶりであったのだが…。
何処の世界にもいる一匹狼。周囲の人と、とくに上司とそりが合わず、反抗的で独断的 なのですぐどこか…





東京湾からほぼ1000キロの小笠原島。2年ぶりに夏休みで島を訪れた木村洋介を待っていたものは…。 同級生の自殺とストーカー男の殺人事件。
物語の舞台は小笠原島…東京湾からほぼ1000キロ、フェリーボートで片道26時間。 飛行場はな…




中国を舞台にした経済小説。フィクションながら中国ビジネスの実態が実例で明かされ興味深い。
娘が読んで「面白いから」と言われて妻が図書館にリクエストして借りたものを 先に読んだ。 本の…




中国本土での翻訳計画が立ち消えになった。むべなるかな。こんな本の出版を中国政府が許すはずがない。何しろ20年以上中国ビジネスに携わったコンサルタントの綴ったノンフィクションまがいの著作である。
「お粗末な中国製品」 著者は大学で中国語と中国史を学び、広州を拠点に、永年中国で数百に及ぶ製造…




珍しく警察とマスコミの緊張関係をとりあげた警察小説。根っからの刑事畑人間が広報官という部署で悩む姿が、家庭でも問題を抱えているだけに痛々しい。
「64」という題名は奇異な感じを受けるが、作中のD県で昭和64年に起きた幼児誘拐 殺人事件を指す同…




他人の心の裡が読めるということは…。ただひたすら辛く苦しいこと。超常能力持って生まれたばかりに 正義を求めて、命を落としそうになった少年。
宮部みゆきの代表作の一つ。初出は1991年。第45回推理作家協会賞長編部門賞を 受賞した。 …



今野敏の警察シリーズもの。珍しく警視庁捜査第三課が主役で花の捜査第一課と張り合う話。
警視庁刑事部捜査第三課もの。警察ものは捜査第一課が舞台になることが多く、窃盗犯 を担当する第三課…




フランス大革命の恐怖時代(1793.5.31~1794.7.27)1年ちょっとで権力の座から引きずり降ろされ断頭台の露と消えたロベスピエール中心に、仏文学者辰野隆が表したエッセーと 翻訳の小品。
アロンザファンドラパトリウ ルジュルグロアレタリヴェ! (行こう祖国の子らよ 栄光の日が来た!) …



直木賞作家葉室麟の、女性中心の時代小説。謎解きも含めながらお家騒動の中したたかに立ち回った女たちの生き様が描かれる。
2012年に第146回直木賞を受賞した時代小説の名手葉室麟の最新作。 時代小説といえば剣豪物、…





今どきの中学生はこんなにも聡明?といいたくなるほど登場人物の造形が素晴らしい。語り部の名手宮部みゆきの面目躍如。
(第Ⅰ部から第Ⅲ部まで通しての感想です) 構想15年。作家生活25年の集大成というだけに、さすが…




『ミスティック・リバー』・『シャッターアイランド』などで知られたデニス・ルヘインの最新作。 アイルランド系移民の集まるボストンの下町と思われる一角に生きる男たちの怖い日常が淡々とつづられる。
従兄のマーヴとバーテンダーとして働くボブ。いい歳なのだが孤独で、内気な負 け犬。心優しいところが…



ローレンス・ブロックの<泥棒バーニーシリーズ>。事件の最後にバーニーが謎解き。
泥棒が本業ながら、最近古本屋を副業にしているバーニーのところに、なかなか魅力的 な女性が現れ、有…




美人で向こうっ気が強いアラサーの女性探偵サニー・ランドル。今度はストーカー行為を繰り返す精神科医の実像暴きに取り組む。パーカーの独特の語り口や洒落た会話が好調。
ロバート・B・パーカーの作品は、スペンサー・シリーズ中心に多分80%は読んでい るが、本書のサニ…



日本国の脆弱・貧困な国防力と我が国政治家・国民の希薄な国防意識に対するやりきれない気持ちが込められた作品。
圧倒的な人口を擁する中国とは比較しても始まらないが、国民と国土を守る自衛隊 の兵力はおよそ24万…




『容疑者』の続編。警察犬マギーとハンドラーのスコットが新しい勤務地ロサンゼルス警察犬隊で活躍する。しかも今回はクレイスの「コール&パイクシリーズ」のメンバーが加わり(17年ぶりとか)面白味を増した。
コールというハードボイルド調のキャラクターが登場し派手に立ち回るかといえ ばそうでもなく、警察…