シナリオというのは面白い創作ジャンルで、それ自体では完成品とならない。
では、完成品とは何か。シナリオをもとにして出来上がったドラマであったり映画であったり、あるいはこの本でも取り上げられているラジオドラマの類であったりする。
だから、シナリオを設計図という人もいる。
そんなシナリオであるが、それを勉強しようという人は多い。
小説や俳句短歌といった文芸の創作教本もあまたあるが、シナリオだってかなりの数が出版されているのではないだろうか。
というのも、シナリオは独自の書き方がある。
それに私たちは完成品である映画などは目にするが、その設計図たるシナリオを読む機会は少ない。
そういうこともあるかもしれない。
さらにいうならラジオドラマの類は映像ではないから、シナリオといっても映像のそれとはまた違う。
かなり違う。
ところが、この方は教本といってもそれほど多くはない。
もっというなら、書き方の技術を教えてくれる教本が少ない。
ところがこの本は映像ドラマだけでなくオーディオドラマについても丁寧に説明している。
ページの分量もほぼ同程度であるから、映像ドラマ優先ではない。それがうれしい。
書いているのは舞台やテレビだけでなくラジオのシナリオも書いている森治美氏。
決して突飛な意見や説明ではなく、しごくまっとうながら、これはマスターした方がいいと思える技術がたくさん書かれている。
シナリオを勉強したい人、今されている人には、欠かせない一冊だ。
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