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文芸部・はるほん先生版「桃太郎」執筆室
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「ホンノワ」テーマ:
文芸部・はるほん先生版「桃太郎」執筆室
登録日:2013年04月02日 18時06分
タイトル:
桃太郎
著者:
芥川竜之介
出版社:
発売日:
2012-09-27
価格:
円
平均レート:
★★★
テーマ主催者:
みさわなおき
さん
テーマの説明
はるほんさん版の桃太郎が読みたい! というレビュアーの声が殺到したので、掲示板を用意しました。
はるほん先生の新作、どうぞご期待ください。
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最新20件を表示
1
主催者
みさわなおき
さん
(掲示板で、淡々と連載し、読者が応援コメントを書き込んでいくスタイルなどいかがでしょう>はるほんさん)
投稿日:
2013年04月02日 18時10分
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4
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みさわなおき
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5
04/02 19:03
>悪ノリ率w
や、一気はお願いしませんけれど、blog準備したりAmazonのKindleで発売したりパブーで公開するより、掲示板立てた方が、読者もコメントしやすいからいいかなぁと(´・ω・`)<出来心なんです。お代官様。
>ブッシュマン勘定
3まで数えられれば、同じ本をダブって買わずに済むんですよー(何の話だ
あずま
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7
04/02 19:30
うわーい、はるほん先生専用掲示板ができてる-!
実は書評そのものが既に「はるほん先生版桃太郎」だと
思ったのですが、是非完成版を読みたいと思ってしまい、
あのようなコメントを残してしまいました。
楽しくまっております!
2
はるほん
さん
序章「原罪」
先ず此れ、門外不出と心得られよ。
今より語るのは、桃太郎の裏物語也。
さすればこの門をくぐる者は一切の希望を捨てよ───
簡単に言うと、期待すんなって話である。
====================================
桃から生まれ出ずる桃太郎。
何故そのような奇々怪々な出生となったか、理由がある。
天は人間を作り、後に命の木と知識の木を作ったと言う。
何処かで聞いたような話であるが、それはさておき
男の名を亜太郎という。
亜太郎がぼっちで寂しかろうと、神は対の人間を作った。
女の名をイネという。
「楽園にある果実は何れを食べてもよい
だが知識の木になる実だけは食べてはならぬ」
しかしイネは果実を口にするのである。
柔らかな和毛に包まれた、瑞々しいその桃色の果実を。
だがそれは、魔性に唆された訳ではない。
投稿日:
2013年04月03日 07時59分
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3
はるほん
さん
この時、亜太郎は75歳。イネは72歳。
互いの釣り合いは取れているものの、少々高齢過ぎた。
二人の耳に神の声は届かぬし
三歩歩けば朝食メニューも忘却するという
儚い学習能力よる過失であった。
せめて知識の実を食べていれば、何とかなったのかも知れないが
命の実を口にしたイネは、新しい命を孕んでしまう。
神は過ちを隠すため、二人を楽園から追放する。
そうして後世、かなり年齢設定を若くして
アダムという男を作るのだが、それはまた別の話だ。
過ちの果実よりできちゃった子。
これが後の桃太郎である。
投稿日:
2013年04月03日 08時00分
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みさわなおき
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4
04/03 23:03
桃太郎→タツノコ太郎→
みたいに、ずっと連載が終わらなかったりして(ボソッ
あずま
GOOD!
3
04/03 23:08
(それは是非是非)
4
はるほん
さん
第二章「桃太郎の憂鬱」
恥の多い生涯を送って参りました。
幼少の頃より、どうにも周囲と比べて
己の両親がしなびているとは思っておりました。
恥かきっこという言葉通り、両親も体裁が悪いと思っていたらしく
「あれは桃から生まれたんですの、おほほ」
などとトンデモ発言をした為に、いじめが絶えませんでした。、
私は次第、家に閉じ籠るようになりました。
出生と育ちに闇を抱えている上
両親も早や80を超え、未来にも不安がのしかかります。
毎日山へ行って、苦行の如く芝を刈る父と
毎日川へ行って、素麺の如く洗濯ものを流している母と。
既に家屋を押し潰さんとする膨大な芝に
パンツの方は明日の分も心もとないのです。
投稿日:
2013年04月04日 07時41分
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そのじつ
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2
04/12 09:06
両親の高齢化とニートの若者…昔ばなしに風刺を織り交ぜるなんて、はるほんさんの凄腕ぶりは天上知らずだわ…芥川桃太郎の継承者!(^^)
みさわなおき
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2
04/12 13:24
>そのじつさん
「読みたい」ってコメントが数件(比較的瞬時に)ついたので、この掲示板を用意したら「1,2,3...たくさんって」とはるほんさんに呆れられましたw それでも、書いて下さるナイスガイなのです^^
5
はるほん
さん
このままではいけないと分かっているものの
父の跡を継ぐのは只の自然破壊ですし
母の跡を継ぐのは家庭崩壊です。
桃から生まれたと言う肩書を背負ってしまったからには
凡人で終わるつもりもありません。
富士山より高いプライドと膨大な言い訳があれば
即席ニートが出来上がるのですから、仕様もありません。
世間では鬼の存在が話題となっていました。
身丈は7尺余りあり、燃えるような髪と肌
異形の目をもって、巷を震撼させています。
私はうすらぼんやりと考えました。
…そう言えば、聞いたことがあります。
鬼は尋常でない神通力を持ち
そのパンツは10年たっても破れないと言います。
身の振り方とパンツ問題を一気に解決するには
格好の手立てではありませんか。
私は意を決すると、立ち上がったのです。
投稿日:
2013年04月04日 07時42分
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6
はるほん
さん
両親は喜びました。
息子が部屋で一人、双六や歌留多ばかりしている様子は
哀れを通り越して、いっそ薄気味悪かったのでしょう。
せめて歌留多は、読み手か若しくは
捕り手になる友人を作って欲しいと思っておりましたでしょう。
母は楚々と、キビ団子をこしらえ始めました。
またか、と内心私は思っていたのです。
母は楽園出身の所為か、少々現実感に乏しいのです。
こんな時は弁当を持たせるのが常でしょうに
「米が無ければ団子を食べればいいじゃない」と
平然と夕餉にも饅頭を並べる始末なのです。
両親と私の血糖値がどうにかなる前に
鬼退治で名を挙げ、ゆくゆくは「桃太郎」の冒険譚を出版し
印税でゆうゆうと暮らすことが、私の細やかな夢なのです。
そんな腹積もりとキビ団子を懐に、私は旅立ったのでした。
投稿日:
2013年04月04日 07時42分
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Kurara
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8
04/04 20:41
今頃ネズミ―で、さらにイマジネーション膨らませているはず(^◇^)ますます楽しみです☆
はるほん
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6
04/06 07:35
ネズミーでいろんなものを使い果たしました…。
行列2時間も待ってたら、薄い本が1冊読めるよ…!
(↑本読みにおける価値換算)
もうしばらく続きそうです。まこと申し訳ない。
7
はるほん
さん
第2章「犬」
いやだ、と思った。
すぐ後ろを歩いている、不健康な肌色をした男である。
どうも何か話しかけたそうな顔をしているのだが
その目は常にオドオドとして、振り向くと目を反らされてしまう。
腰から団子をぶら下げているのも、妙だ。
関わりになりたくなかったが、このままにしておくのも剣呑だ。
「あの、何か御用でしょうか?」
牽制のつもりで勢い振り向くと、男はびくりと肩を震わせて
そのまま固まってしまった。
口をパクパクとさせて失語する様子に
どうも人と不慣れであるらしいと、少々物腰を和らげてみた。
「いえ、関所から方向が同じようなので
道中のご挨拶でもと思いまして」
優しげな物言いに、男は目に見えてほっとしたらしかった。
投稿日:
2013年04月06日 07時36分
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8
はるほん
さん
男は、桃太郎と名乗った。
こちらも、犬山ですと名乗る。
蚊の鳴くような声でぽつりぽつりと身上を語るが
何を言っているのかサッパリ分からない。
どうやら立身を企てているようだが、相当な甘ちゃんだ。
関所を超えるのも駕籠に乗るのも生まれて初めてらしく
こんな様子で海を越え、あの「鬼ヶ島」へ渡れるのか心配になった。
犬山は、もともと情の深い男であった。
「…宜しければ、私がご一緒しましょうか」
その言葉に、ぱぁと桃太郎の顔が輝く。
どうやら初めから、その算段で話しかけようとしていたらしい。
だがここは、社会人としての心構えを説いてやるべきである。
「これはビジネスですよ、桃太郎さん
南蛮風に言えば、ギブ・アンド・テイクと言う奴です
私の労働への対価を支払う事で、契約は成立するんです」
途端に桃太郎の顔が、絶望に曇る。
投稿日:
2013年04月06日 07時37分
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9
はるほん
さん
芝刈りの小倅に、給与を支払う余裕などあろう筈もない。
明日の分のパンツすら危ぶまれる身である。
一寸騙されやすそうな、否、人の良さそうな風をしている癖に
これだから世間は信用できないのだ、と思う。
あのまま家に引き籠っていれば良かった、と思う。
両手に余る無力さに堪え切れず、桃太郎の眸には
いっぱいの表面張力が膨れ上がった。
犬山はぎょっとした。
「い、いえ、ほら!キビ団子をお持ちじゃないですか!
私は団子には目がないのです
これをお供の契約と致しましょう」
無論、契約の半分は犬山のやさしさで出来ている。
だが世間知らずの桃太郎が、そんな気遣いを理解する筈もない。
黙ってじいっと、食い飽きる程に口にした団子を見やる。
、
腰に結んだ革袋に手を入れると
フンと高飛車な鼻息を鳴らして、団子を1つだけ差し出した。
母のキビ団子に、過剰な価値を見い出したらしい。
投稿日:
2013年04月06日 07時42分
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10
はるほん
さん
犬山は一瞬瞠目したが、それを受け取った。
「……ありがとうございます」
桃太郎は頷くと、意気揚々と歩き出す。
犬山は一つきりの団子を口に放り込むと、のろのろと後に続いた。
妙にむちむちした団子が、喉に詰まりそうだった。
投稿日:
2013年04月06日 07時43分
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はるほん
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1
04/07 09:53
いえいえこっそりと言わず皆様
後を引き継いでくだすってもよろしくってよ…?
みさわなおき
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1
04/07 14:30
(僕の文才の無さはリレー小説で実証済みなので、はるほんさんの更新をただひたすら読みますっw)
11
はるほん
さん
第3章「猿」
オレは山生まれ HIPHOP育ち
悪そうなヤツは大体友達
何時でもANGRY 朝からHUNGRY
よこせKIBIDANGO
YO!HO!SAY!KIBIDANGO!
お前意味不明 でも団子うめぇ
今日から兄弟 だから頂戴
お前に惚れたぜ KIBIDANGO
マジだぜ 本気だぜ HONKY MONKY CRAZY
君に感謝 キビにヒャッハー
LET'S G0 LET'S G0 鬼ヶ島
8×4 8×4 腋が臭い
【犬山補足】
イカつい男が加わった。
名を猿川と言うらしいが、何を言ってるのかよく分からぬ。
しかし恐るべきは桃太郎だ。
ずっと自分の背中に隠れて怯えながらも
件のキビ団子を半分にして猿川に与え
更に欲しがるところに残り半分を与え
報酬を2倍に見せて契約を成功させた。
意外と頭が切れるのか、猿川がサルなのか。
取り敢えず猿川とは、生理的に何かが合わない気がする。
投稿日:
2013年04月07日 09時25分
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はるほん
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04/08 23:10
♪オレは滋賀生まれ滋賀育ち
実家の回りは大体門前町♪
(もうええっちゅうねん)
みさわなおき
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2
04/09 08:07
はるほんさんは、詩人を突き抜けてラッパーになってしまわれたw
12
はるほん
さん
第4章「雉」
デュフフコポォ オウフドプフォ フォカヌポウw
【犬山補足】
妙な男が加わった。
名を雉畑と言うが、もう何が何だか分からない。
桃太郎と妙に気が合い、道中もずっと
「独り歌留多の極意」だの「裏双六完全制覇」だの
児戯のような大人げないような話で盛り上がっている。
何を言っているのか分からぬので、二人の会話には入れぬし
猿川はずっと歌っているし、そもそも虫が好かぬ。
何とも身の置きようが無い。
桃太郎はついに、1/4のキビ団子で
雉畑との契約を成立させた。
あれはいずれ天下を取るか
稀代の悪党になるのではないかと思うと、背筋が寒くなる。
猿川などはすっかり奴に心酔しているが
団子半分で踊らされているのだから、哀れなものだ。
そこへ行くと私などは、団子を1つ丸々得ている。
桃太郎からの信頼が、他の二人とは違うということなのだから
道中の孤独など、さしたる問題ではない…。
投稿日:
2013年04月07日 09時26分
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みさわなおき
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2
04/12 20:40
「オウフwwwいわゆるスレ乱立ですねwww
おっとっとwww拙者『スレ』などとついネット用語がwww
まあ拙者は、スレを乱立した挙句にwikiまで作っており
http://w.livedoor.jp/honn_no_wa_url/
ツッコミどころありまくりでございますのでwww何の影響でwww
フォカヌポウwww拙者これではまるでオタクみたいwww
拙者はオタクではござらんのでwwwコポォ」
>はるほんさん
その妖怪は、もしかしてこんな感じかもしれませんコポォ
はるほん
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3
04/12 21:00
デタ━━━━━━(|||゚Д゚)━━━━━━!!!!!!
って、どちらかと言うと世話好き妖怪のような(笑)
一日一善。一日一スレ。
13
はるほん
さん
ところで、さっきみたら先週の書評ランキングの桃太郎の票数が
ものすごいことになってて、思わず爆笑しました。
===============================
第5章「鬼」
ハイ、ドーモドーモ。
私、オニーイイマス。
ニポン来テ、モウ随分ニナリマース。
ハジメテ来タ時ハ、モウ大変ナ騒ギデシタ。
沢山ニポン人ガ出迎エテクレテ
エエト、拍手喝采?大歓声?阿鼻叫喚?
兎ニ角、コノ島ヲ私ニプレゼントシテクレタノデス。
ニポン人、トテモ親切デース。
時々役人ト言ウノガ来テ、ウチヲ遠回シニ見ニ来マス。
オ茶ニオ誘イスルノデスガ、直グ帰ッテシマイマス。
長居ヲシナイノガ、ニポン人ノ美徳ラシイデース。
ニポン人、遠慮深イネ。
デモチョット、涙ガ出チャウ。
投稿日:
2013年04月08日 23時21分
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14
はるほん
さん
毎日、小鳥サンノサエズリデ起キテ、朝ゴハン作リマス。
一日ニ玄米四合ト、味噌ト少シノ野菜ヲ食ベマス。
東ニ病気ノ私アレバ
誰モ居ナイノデ、自分デ看病シテヤリ。
西ニツカレタ私アレバ
誰モ居ナイノデ、自分デ稲ノ朿ヲ負ヒ。
南ニ死ニサウナ私アレバ
誰モ居ナイノデ、怖ガラナクテモ良イ訳アルカ。
北ニ喧嘩ヤ訴訟ガアレバ
是非行ッテ私モ混ゼテ欲シイデス。
褒メラレモセズ
相手ニモサレズ
最近、一人歌留多ト言ウノヲ始メマシタ。
結構面白イデース。
投稿日:
2013年04月08日 23時21分
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そのじつ
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4
04/12 09:29
面白すぎて、心拍数が上がりっ放しです!
続きが楽しみ♪
はるほん
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2
04/12 19:18
こちらも馬鹿が漏れていないかとドキドキです…。
(もうダダ漏れだよお前…)
一気に畳みました。すいませんっ!
15
はるほん
さん
本日休みでしたので、一気に畳みます。
==================================
第6章「闘い…!」
己の体を両の腕で抱えても、震えが止まらぬ。
其れは心の臓が潰れるかと思う程、恐ろしい光景であった。
桃太郎は変貌した。
くわと見開かれた愚鈍そうな目が血の色に染まり
薄い唇をにたぁと釣り上げたその様は
まるで彼の人こそが悪鬼か、夜叉の如くあった。
その背後では猿川の大柄な躯体が
桃太郎の手で築かれたむごたらしい戦歴を
狂ったように踏み潰している。
此の世の物とは思えぬ地獄絵図に目をそむけるが
毒気にあてられたかのような
雉畑の甲高い奇声が、内耳の奥にねっとり絡みつく。
地獄だ、と犬山は思った。
鬼は燃えるような色の髪を振り乱し
周囲の空気を唸らせるほどに、太ましい腕を振り回している。
獲物を狙うその眼は爛々と輝き
異常な歓喜に漏れる咆哮は聞き取れぬ。
投稿日:
2013年04月12日 19時10分
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風竜胆
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04/13 13:09
えっ、なんて急激な展開w
はるほん
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2
04/13 21:54
とにかく畳みたかったのです…。(白状)
16
はるほん
さん
誰も正気とは思えなかった。
それを正義と名乗るのは人の高慢であり
また人と名乗るには余りに残酷な所業であった。
このままでは自分まで、この狂気に感染してしまう。
犬山は恐怖に滲んでいく視界を堪えながら
喉も裂けんばかりに叫んだ。
「や…、やめて下さい!
もうこれ以上、耐えられません!」
桃太郎がのろのろと振り返る。
その目には遊戯を邪魔された無垢な憤りがあるばかりで
他に一切の感情は無い。
犬山の背筋が冷たく凍る。
「♪どうした兄弟 なんか問題 茶でもどうだい♪」
「…その妙な歌もやめて下さい」
「ブホォw犬山殿ww殿中でござるwww
もちつけでござるwwwいや拙者とした事がつい慌ててコポォw」
「ソウデス、犬山サン
男ノ闘イニ水差ス、イケマセン
孔子ノタマワーク、君子ハ坦トシテ蕩蕩タリ…」
「何が男の闘いですッッ!
全員、一人歌留多やってるだけじゃないですかッッッ!」
投稿日:
2013年04月12日 19時10分
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あずま
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2
04/12 21:54
ラストのツッコミにリアルで茶をふきました。
そして泣いた…
風竜胆
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3
04/13 13:10
えっ、カルタだったのw
17
はるほん
さん
終章「終わり良ければ総て良し」
鬼ヶ島には、燦々と陽光が降り注いでいた。
青い空。白い雲。輝くビーチ。たわわな果実。
そうして、腰に一枚布を巻いたのみの
惜しげもなく晒されたダイナマイトバディがあった。
猫背気味に歌留多札を並べて札を読み、自分で札を取り
そうして喜んだり悔しがったりしている大男の姿である。
その本気度にも背中が薄ら寒くなったが
隣で対抗意識を燃やしている桃太郎が、一番恐ろしかった。
当然、その話で盛り上がっていた雉畑の目の色も変わる。
無言のゴングが──ヲタク特有のコミュ障に因る───鳴り響き、
壮絶な歌留多大会が始まった。
それは、異様な光景であった。
3人が3人とも背を向け、一人歌留多に熱中しているのである。
己で札を読み、己で札を取り、
時には何かに邪魔をされたのか、悔しそうに頭を抱え
泣き、笑い、怒り、励まし、談笑すらしているのだ。
投稿日:
2013年04月12日 19時12分
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18
はるほん
さん
猿川は文字が読めないらしく、ただ無関係に暴れまわっている。
こんなに美しい島に居ながら、5人が5人とも
心を通わせていないという状況に犬川は激しく嗚咽した。
「どうかしてます!アンタ達、ホントにどうかしてますよ!
せめて一緒にやって下さい!歌留多なら!!!
見てるコッチが切なくて、胸が張り裂けそうになります!」
犬山はそう言って、わあわあと泣き出した。
深いぼっちの闇は、一般人には余りに辛かったのだ。
戦いすんで日が暮れて
夢は未来を駆け巡る────
こうして桃太郎にはぼっちに打ち勝ち
歌留多札を囲む友という、パンツに勝る宝を得た。
故に桃太郎は今も尚
ジャ●プで言う「努力」「勝利」「友情」をすべて満たした
不朽の名作となったのだ。
努力をしたのは主に犬山であり
問題部分をすべて抹消し
それっぽい武勇伝に改編して、後世に伝えたと言う。
投稿日:
2013年04月12日 19時12分
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19
はるほん
さん
コレは酷い、と思われるであろう。
だが安心したまえ。こんな無茶苦茶な戯言も
それっぽい昔話に変える魔法があるのだ。
とっぴんぱらりのぷう。
投稿日:
2013年04月12日 19時12分
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22
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はるほん
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4
04/13 22:43
>みさわなおきさん
おお、このアボガド丼は火も使わなくて
簡単そうでいいですねえ!
ってもう鬼ヶ島接待決定っすか。(笑)
>Kuraraさん
自分もこんなに桃太郎月になるとは思いませなんだ。
結構図太く生きてるので、ここに来てないと綺麗に忘れてます。(笑)
おやさしいお気遣い、ありがとうございます!
みさわなおき
GOOD!
3
04/13 23:16
>はるほんさん
暑い夏、台所で火を使わないで済む料理として重宝しておりますw
20
主催者
みさわなおき
さん
//タツノコ太郎など、続編を執筆される方をゆるく募集しています...
投稿日:
2013年04月12日 21時02分
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かもめ通信
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5
04/12 21:27
まめちゃん、かる~く無視されてるしww
いいのよ。自分で書いても(^_-)
みさわなおき
GOOD!
3
04/13 00:20
(いえいえ、滅相もないw 鬼ヶ島担当で手一杯ですがな)
//掲示板を閉じてしまうのももったいないので、一応書いてみました^^
21
はるほん
さん
最後のお詫びにアニメ化してみました。
気が付いたい人だけ
「見なければよかった」と後悔してください。(笑)
投稿日:
2013年04月13日 21時55分
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あずま
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7
04/13 23:48
うわ、すごい!
こんなにあれもこれもと才能を披露していただくと、
「他にどんな才能をまだ隠しているんだろう?」
と気になりますね。
>「みさわなおきプロデューサー&クリエイターはるほん」の新作に期待
同じく~!
はるほん
GOOD!
5
04/14 10:44
いえ、実生活に役立つ才能はなにもありませぬ。
あ。今頃思い出しましたが、これは芥川ではなく太宰でした。
芥川がイマイチ似なかったので
途中から太宰に描きなおした(つもり)だったんでした。訂正。
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や、一気はお願いしませんけれど、blog準備したりAmazonのKindleで発売したりパブーで公開するより、掲示板立てた方が、読者もコメントしやすいからいいかなぁと(´・ω・`)<出来心なんです。お代官様。
>ブッシュマン勘定
3まで数えられれば、同じ本をダブって買わずに済むんですよー(何の話だ
実は書評そのものが既に「はるほん先生版桃太郎」だと
思ったのですが、是非完成版を読みたいと思ってしまい、
あのようなコメントを残してしまいました。
楽しくまっております!
先ず此れ、門外不出と心得られよ。
今より語るのは、桃太郎の裏物語也。
さすればこの門をくぐる者は一切の希望を捨てよ───
簡単に言うと、期待すんなって話である。
====================================
桃から生まれ出ずる桃太郎。
何故そのような奇々怪々な出生となったか、理由がある。
天は人間を作り、後に命の木と知識の木を作ったと言う。
何処かで聞いたような話であるが、それはさておき
男の名を亜太郎という。
亜太郎がぼっちで寂しかろうと、神は対の人間を作った。
女の名をイネという。
「楽園にある果実は何れを食べてもよい
だが知識の木になる実だけは食べてはならぬ」
しかしイネは果実を口にするのである。
柔らかな和毛に包まれた、瑞々しいその桃色の果実を。
だがそれは、魔性に唆された訳ではない。
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互いの釣り合いは取れているものの、少々高齢過ぎた。
二人の耳に神の声は届かぬし
三歩歩けば朝食メニューも忘却するという
儚い学習能力よる過失であった。
せめて知識の実を食べていれば、何とかなったのかも知れないが
命の実を口にしたイネは、新しい命を孕んでしまう。
神は過ちを隠すため、二人を楽園から追放する。
そうして後世、かなり年齢設定を若くして
アダムという男を作るのだが、それはまた別の話だ。
過ちの果実よりできちゃった子。
これが後の桃太郎である。
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みたいに、ずっと連載が終わらなかったりして(ボソッ
恥の多い生涯を送って参りました。
幼少の頃より、どうにも周囲と比べて
己の両親がしなびているとは思っておりました。
恥かきっこという言葉通り、両親も体裁が悪いと思っていたらしく
「あれは桃から生まれたんですの、おほほ」
などとトンデモ発言をした為に、いじめが絶えませんでした。、
私は次第、家に閉じ籠るようになりました。
出生と育ちに闇を抱えている上
両親も早や80を超え、未来にも不安がのしかかります。
毎日山へ行って、苦行の如く芝を刈る父と
毎日川へ行って、素麺の如く洗濯ものを流している母と。
既に家屋を押し潰さんとする膨大な芝に
パンツの方は明日の分も心もとないのです。
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「読みたい」ってコメントが数件(比較的瞬時に)ついたので、この掲示板を用意したら「1,2,3...たくさんって」とはるほんさんに呆れられましたw それでも、書いて下さるナイスガイなのです^^
父の跡を継ぐのは只の自然破壊ですし
母の跡を継ぐのは家庭崩壊です。
桃から生まれたと言う肩書を背負ってしまったからには
凡人で終わるつもりもありません。
富士山より高いプライドと膨大な言い訳があれば
即席ニートが出来上がるのですから、仕様もありません。
世間では鬼の存在が話題となっていました。
身丈は7尺余りあり、燃えるような髪と肌
異形の目をもって、巷を震撼させています。
私はうすらぼんやりと考えました。
…そう言えば、聞いたことがあります。
鬼は尋常でない神通力を持ち
そのパンツは10年たっても破れないと言います。
身の振り方とパンツ問題を一気に解決するには
格好の手立てではありませんか。
私は意を決すると、立ち上がったのです。
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息子が部屋で一人、双六や歌留多ばかりしている様子は
哀れを通り越して、いっそ薄気味悪かったのでしょう。
せめて歌留多は、読み手か若しくは
捕り手になる友人を作って欲しいと思っておりましたでしょう。
母は楚々と、キビ団子をこしらえ始めました。
またか、と内心私は思っていたのです。
母は楽園出身の所為か、少々現実感に乏しいのです。
こんな時は弁当を持たせるのが常でしょうに
「米が無ければ団子を食べればいいじゃない」と
平然と夕餉にも饅頭を並べる始末なのです。
両親と私の血糖値がどうにかなる前に
鬼退治で名を挙げ、ゆくゆくは「桃太郎」の冒険譚を出版し
印税でゆうゆうと暮らすことが、私の細やかな夢なのです。
そんな腹積もりとキビ団子を懐に、私は旅立ったのでした。
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行列2時間も待ってたら、薄い本が1冊読めるよ…!
(↑本読みにおける価値換算)
もうしばらく続きそうです。まこと申し訳ない。
いやだ、と思った。
すぐ後ろを歩いている、不健康な肌色をした男である。
どうも何か話しかけたそうな顔をしているのだが
その目は常にオドオドとして、振り向くと目を反らされてしまう。
腰から団子をぶら下げているのも、妙だ。
関わりになりたくなかったが、このままにしておくのも剣呑だ。
「あの、何か御用でしょうか?」
牽制のつもりで勢い振り向くと、男はびくりと肩を震わせて
そのまま固まってしまった。
口をパクパクとさせて失語する様子に
どうも人と不慣れであるらしいと、少々物腰を和らげてみた。
「いえ、関所から方向が同じようなので
道中のご挨拶でもと思いまして」
優しげな物言いに、男は目に見えてほっとしたらしかった。
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こちらも、犬山ですと名乗る。
蚊の鳴くような声でぽつりぽつりと身上を語るが
何を言っているのかサッパリ分からない。
どうやら立身を企てているようだが、相当な甘ちゃんだ。
関所を超えるのも駕籠に乗るのも生まれて初めてらしく
こんな様子で海を越え、あの「鬼ヶ島」へ渡れるのか心配になった。
犬山は、もともと情の深い男であった。
「…宜しければ、私がご一緒しましょうか」
その言葉に、ぱぁと桃太郎の顔が輝く。
どうやら初めから、その算段で話しかけようとしていたらしい。
だがここは、社会人としての心構えを説いてやるべきである。
「これはビジネスですよ、桃太郎さん
南蛮風に言えば、ギブ・アンド・テイクと言う奴です
私の労働への対価を支払う事で、契約は成立するんです」
途端に桃太郎の顔が、絶望に曇る。
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明日の分のパンツすら危ぶまれる身である。
一寸騙されやすそうな、否、人の良さそうな風をしている癖に
これだから世間は信用できないのだ、と思う。
あのまま家に引き籠っていれば良かった、と思う。
両手に余る無力さに堪え切れず、桃太郎の眸には
いっぱいの表面張力が膨れ上がった。
犬山はぎょっとした。
「い、いえ、ほら!キビ団子をお持ちじゃないですか!
私は団子には目がないのです
これをお供の契約と致しましょう」
無論、契約の半分は犬山のやさしさで出来ている。
だが世間知らずの桃太郎が、そんな気遣いを理解する筈もない。
黙ってじいっと、食い飽きる程に口にした団子を見やる。
、
腰に結んだ革袋に手を入れると
フンと高飛車な鼻息を鳴らして、団子を1つだけ差し出した。
母のキビ団子に、過剰な価値を見い出したらしい。
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「……ありがとうございます」
桃太郎は頷くと、意気揚々と歩き出す。
犬山は一つきりの団子を口に放り込むと、のろのろと後に続いた。
妙にむちむちした団子が、喉に詰まりそうだった。
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後を引き継いでくだすってもよろしくってよ…?
オレは山生まれ HIPHOP育ち
悪そうなヤツは大体友達
何時でもANGRY 朝からHUNGRY
よこせKIBIDANGO
YO!HO!SAY!KIBIDANGO!
お前意味不明 でも団子うめぇ
今日から兄弟 だから頂戴
お前に惚れたぜ KIBIDANGO
マジだぜ 本気だぜ HONKY MONKY CRAZY
君に感謝 キビにヒャッハー
LET'S G0 LET'S G0 鬼ヶ島
8×4 8×4 腋が臭い
【犬山補足】
イカつい男が加わった。
名を猿川と言うらしいが、何を言ってるのかよく分からぬ。
しかし恐るべきは桃太郎だ。
ずっと自分の背中に隠れて怯えながらも
件のキビ団子を半分にして猿川に与え
更に欲しがるところに残り半分を与え
報酬を2倍に見せて契約を成功させた。
意外と頭が切れるのか、猿川がサルなのか。
取り敢えず猿川とは、生理的に何かが合わない気がする。
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実家の回りは大体門前町♪
(もうええっちゅうねん)
デュフフコポォ オウフドプフォ フォカヌポウw
【犬山補足】
妙な男が加わった。
名を雉畑と言うが、もう何が何だか分からない。
桃太郎と妙に気が合い、道中もずっと
「独り歌留多の極意」だの「裏双六完全制覇」だの
児戯のような大人げないような話で盛り上がっている。
何を言っているのか分からぬので、二人の会話には入れぬし
猿川はずっと歌っているし、そもそも虫が好かぬ。
何とも身の置きようが無い。
桃太郎はついに、1/4のキビ団子で
雉畑との契約を成立させた。
あれはいずれ天下を取るか
稀代の悪党になるのではないかと思うと、背筋が寒くなる。
猿川などはすっかり奴に心酔しているが
団子半分で踊らされているのだから、哀れなものだ。
そこへ行くと私などは、団子を1つ丸々得ている。
桃太郎からの信頼が、他の二人とは違うということなのだから
道中の孤独など、さしたる問題ではない…。
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おっとっとwww拙者『スレ』などとついネット用語がwww
まあ拙者は、スレを乱立した挙句にwikiまで作っており
http://w.livedoor.jp/honn_no_wa_url/
ツッコミどころありまくりでございますのでwww何の影響でwww
フォカヌポウwww拙者これではまるでオタクみたいwww
拙者はオタクではござらんのでwwwコポォ」
>はるほんさん
その妖怪は、もしかしてこんな感じかもしれませんコポォ
って、どちらかと言うと世話好き妖怪のような(笑)
一日一善。一日一スレ。
ものすごいことになってて、思わず爆笑しました。
===============================
第5章「鬼」
ハイ、ドーモドーモ。
私、オニーイイマス。
ニポン来テ、モウ随分ニナリマース。
ハジメテ来タ時ハ、モウ大変ナ騒ギデシタ。
沢山ニポン人ガ出迎エテクレテ
エエト、拍手喝采?大歓声?阿鼻叫喚?
兎ニ角、コノ島ヲ私ニプレゼントシテクレタノデス。
ニポン人、トテモ親切デース。
時々役人ト言ウノガ来テ、ウチヲ遠回シニ見ニ来マス。
オ茶ニオ誘イスルノデスガ、直グ帰ッテシマイマス。
長居ヲシナイノガ、ニポン人ノ美徳ラシイデース。
ニポン人、遠慮深イネ。
デモチョット、涙ガ出チャウ。
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一日ニ玄米四合ト、味噌ト少シノ野菜ヲ食ベマス。
東ニ病気ノ私アレバ
誰モ居ナイノデ、自分デ看病シテヤリ。
西ニツカレタ私アレバ
誰モ居ナイノデ、自分デ稲ノ朿ヲ負ヒ。
南ニ死ニサウナ私アレバ
誰モ居ナイノデ、怖ガラナクテモ良イ訳アルカ。
北ニ喧嘩ヤ訴訟ガアレバ
是非行ッテ私モ混ゼテ欲シイデス。
褒メラレモセズ
相手ニモサレズ
最近、一人歌留多ト言ウノヲ始メマシタ。
結構面白イデース。
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続きが楽しみ♪
(もうダダ漏れだよお前…)
一気に畳みました。すいませんっ!
==================================
第6章「闘い…!」
己の体を両の腕で抱えても、震えが止まらぬ。
其れは心の臓が潰れるかと思う程、恐ろしい光景であった。
桃太郎は変貌した。
くわと見開かれた愚鈍そうな目が血の色に染まり
薄い唇をにたぁと釣り上げたその様は
まるで彼の人こそが悪鬼か、夜叉の如くあった。
その背後では猿川の大柄な躯体が
桃太郎の手で築かれたむごたらしい戦歴を
狂ったように踏み潰している。
此の世の物とは思えぬ地獄絵図に目をそむけるが
毒気にあてられたかのような
雉畑の甲高い奇声が、内耳の奥にねっとり絡みつく。
地獄だ、と犬山は思った。
鬼は燃えるような色の髪を振り乱し
周囲の空気を唸らせるほどに、太ましい腕を振り回している。
獲物を狙うその眼は爛々と輝き
異常な歓喜に漏れる咆哮は聞き取れぬ。
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それを正義と名乗るのは人の高慢であり
また人と名乗るには余りに残酷な所業であった。
このままでは自分まで、この狂気に感染してしまう。
犬山は恐怖に滲んでいく視界を堪えながら
喉も裂けんばかりに叫んだ。
「や…、やめて下さい!
もうこれ以上、耐えられません!」
桃太郎がのろのろと振り返る。
その目には遊戯を邪魔された無垢な憤りがあるばかりで
他に一切の感情は無い。
犬山の背筋が冷たく凍る。
「♪どうした兄弟 なんか問題 茶でもどうだい♪」
「…その妙な歌もやめて下さい」
「ブホォw犬山殿ww殿中でござるwww
もちつけでござるwwwいや拙者とした事がつい慌ててコポォw」
「ソウデス、犬山サン
男ノ闘イニ水差ス、イケマセン
孔子ノタマワーク、君子ハ坦トシテ蕩蕩タリ…」
「何が男の闘いですッッ!
全員、一人歌留多やってるだけじゃないですかッッッ!」
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そして泣いた…
鬼ヶ島には、燦々と陽光が降り注いでいた。
青い空。白い雲。輝くビーチ。たわわな果実。
そうして、腰に一枚布を巻いたのみの
惜しげもなく晒されたダイナマイトバディがあった。
猫背気味に歌留多札を並べて札を読み、自分で札を取り
そうして喜んだり悔しがったりしている大男の姿である。
その本気度にも背中が薄ら寒くなったが
隣で対抗意識を燃やしている桃太郎が、一番恐ろしかった。
当然、その話で盛り上がっていた雉畑の目の色も変わる。
無言のゴングが──ヲタク特有のコミュ障に因る───鳴り響き、
壮絶な歌留多大会が始まった。
それは、異様な光景であった。
3人が3人とも背を向け、一人歌留多に熱中しているのである。
己で札を読み、己で札を取り、
時には何かに邪魔をされたのか、悔しそうに頭を抱え
泣き、笑い、怒り、励まし、談笑すらしているのだ。
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こんなに美しい島に居ながら、5人が5人とも
心を通わせていないという状況に犬川は激しく嗚咽した。
「どうかしてます!アンタ達、ホントにどうかしてますよ!
せめて一緒にやって下さい!歌留多なら!!!
見てるコッチが切なくて、胸が張り裂けそうになります!」
犬山はそう言って、わあわあと泣き出した。
深いぼっちの闇は、一般人には余りに辛かったのだ。
戦いすんで日が暮れて
夢は未来を駆け巡る────
こうして桃太郎にはぼっちに打ち勝ち
歌留多札を囲む友という、パンツに勝る宝を得た。
故に桃太郎は今も尚
ジャ●プで言う「努力」「勝利」「友情」をすべて満たした
不朽の名作となったのだ。
努力をしたのは主に犬山であり
問題部分をすべて抹消し
それっぽい武勇伝に改編して、後世に伝えたと言う。
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だが安心したまえ。こんな無茶苦茶な戯言も
それっぽい昔話に変える魔法があるのだ。
とっぴんぱらりのぷう。
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おお、このアボガド丼は火も使わなくて
簡単そうでいいですねえ!
ってもう鬼ヶ島接待決定っすか。(笑)
>Kuraraさん
自分もこんなに桃太郎月になるとは思いませなんだ。
結構図太く生きてるので、ここに来てないと綺麗に忘れてます。(笑)
おやさしいお気遣い、ありがとうございます!
暑い夏、台所で火を使わないで済む料理として重宝しておりますw
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いいのよ。自分で書いても(^_-)
//掲示板を閉じてしまうのももったいないので、一応書いてみました^^
気が付いたい人だけ
「見なければよかった」と後悔してください。(笑)
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こんなにあれもこれもと才能を披露していただくと、
「他にどんな才能をまだ隠しているんだろう?」
と気になりますね。
>「みさわなおきプロデューサー&クリエイターはるほん」の新作に期待
同じく~!
あ。今頃思い出しましたが、これは芥川ではなく太宰でした。
芥川がイマイチ似なかったので
途中から太宰に描きなおした(つもり)だったんでした。訂正。