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morimoriさん
morimori
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昭和元年生まれの4人が激動の戦後を司法、実業、報道、娯楽とそれぞれの道で生き抜いていく昭和史三部作の完結編。
 とうとう、すべて読み終わりました。3冊のシリーズを通して昭和史を学び驚き思い出し、先人たちの努力や苦悩、命を懸けて生き抜いた思いが文章のあちらこちらから伝わってくるようでとても読み応えのある感動作でした。

 アメリカ留学し、卒業後はAP通信社本部へ押しかけジャーナリストになった森村ノラはその後、大日本テレビに転職し、ベトナム戦争の取材で功績をあげた。報道局担当役員からは社長賞受賞が決まったと国際電話で告げられたが今後、情報収集にあたることを告げられ講義をしたが
「前線取材は記者の感覚を麻痺させる。ときには危険をかいくぐることが快感になる。でもそれはジャーナリズムじゃない」
と言った役員の言葉に驚いた。ジャーナリストの感覚でそんなことがあるのかと。

 芸能プロダクションを興し、プロレス興行へ参入し力道山と思しきレスラーを育て、ビートルズと思しきイギリスの4人組アーティストの武道館公演を大成功させその後も、世界的ミュージシャンの来日公演など大衆文化の中核を担う存在となる五十嵐満。

 任侠の世界で名を馳せた父の影響で、大物政治家から可愛がられ、自身の事業を成功させつつも右翼の大物となる矢野四郎。矢野四郎が行った硫黄島における旧日本兵の遺骨収集に関する記述には、胸が痛くなった。矢野四郎が、回天特攻隊の生き残りという設定がここにもつながってくるのかと戦後になっても戦争の傷は消えないと感じた。

 東大卒業後、検事となった竹田志郎。旧岩井財閥の出でエリート中のエリートと言われるが、志郎もアメリカ在住中に捕虜となりあやうく命を失いそうになった経験がある。東京地検特捜部の機動捜査班に配属されてからは、汚職事件を捜査し大物政治家の逮捕にまで至った。

 4人の職業から日本の歴史、世界の情勢まで知ることができて勉強になった。東京オリンピックをはじめ、日比谷公会堂で演説中の社会党浅沼委員が19歳の青年に殺されたこと。ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺、日航機ハイジャック事件、連合赤軍による浅間山荘事件などなど昭和の事件を背景に4人の仕事ぶりやその思い苦悩を想像すると、命ある限り平和な日本を築き維持していかなければと思った。


 

 
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morimori
morimori さん本が好き!1級(書評数:983 件)

多くの人のレビューを拝見して、読書の幅が広がっていくのが楽しみです。感動した本、おもしろかった本をレビューを通して伝えることができればと思っています。

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