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祐太郎さん
祐太郎
レビュアー:
シンデレラは自分の力に自覚的だった。男のバディとして活躍できる華の人生活劇 #カドフェス2026
日本にはごく一部の者だけが知ることが許された国家機密がある。
この島国は遥か遠い昔から五つの柱石によって支えられているということ。
もし、五つの内一つでも失われたら、日本に災厄に見舞われてしまうだろう。


そして、そんな命綱ともいえる柱石は、一ノ宮、二条院、三光楼、四ツ門、五葉木という五つの家系が守ってきた。この家系の者は、術者として柱石を狙ってくる妖魔と日々戦っている。

一ノ宮の分家である一瀬家には双子の姉妹がいる。葉月と華である。葉月は幼いころから術者としての才能を開花していたが、華は落ちこぼれだった。そして、両親も葉月の才能に分家の将来をかけていたし、周囲も華のことをバカにしていた。

と、ここまで書くと、よくあるシンデレラストーリー展開と思ってしまうだろう。しかし、違う。

華は15歳の誕生日の際に、自らの体内から術者としての大きな力が湧き出ることに気づく。一級の術者でも作ることが難しいという人型の式神を2体、人語を介する蝶の式神も有している。しかし、周囲にはわからないように隠し、18歳の今まで劣等生として生きていた。

蔑み、失望し、嘲笑い、放置してきた両親や周囲の者達のしたことを華は忘れてはいない。それが、力を得た、ただそれだけのことでころりと変わる姿など見たくない


事態は急変する。一瀬の本家である一ノ宮の当主が24歳の一ノ宮朔に交代し、朔の花嫁探しが始まる。一族の妙齢の女性たちが集められた。その時に朔は華を初めて見るが、その時はそれほど気にしなかったが、すぐ後に華が式神たちを使って妖魔を退治するところを見てしまう。

その力をみた朔は、華を妻として迎える。その裏には柱石をめぐる一つの秘密が隠されていた。

ライトノベルのシンデレラストリーでは、ヒロインは彼女を迎え入れる男性の力によってそのうちにある素朴な良さを磨かれていくことが多いのに、この作品では、すでにヒロインは力を持っているのである。そして本家当主である朔とタメ口でやりあっている。朔のバディとしてのヒロイン華が成立している。

ライトノベルにしてはキスシーンが多いなという点はあるけれど、これは本当に面白い。表紙のひ弱そうなヒロインの姿がせっかくの作品の良さを手に取る者に気づかせないのは非常に残念。
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祐太郎
祐太郎 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2381 件)

片道45分の通勤電車を利用して読書している
アラフィフ世代の3児の父。

★基準
★★★★★:新刊(定価)で買ってでも満足できる本
★★★★:新古書価格・kindleで買ったり、図書館で予約待ちしてでも満足できる本
★★★:100均価格で買ったり図書館で何気なくあって借りるなら満足できる本
★★:どうしても本がないときの時間つぶし程度ならいいのでは?
★:う~ん
★なし:雑誌などの一言書評

※仕事関係の本はすべて★★★で統一します。

プロフィールの画像はうちの末っ子の似顔絵を田中かえが描いたものです。
2024年3月20日更新

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