江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉

こ、これは……。映画「腑抜けども悲しみの愛を見せろ」の原作者のデビュー作を含む三篇。ポップ? いやいや、これはホラー。
はっきり、なめてましたすみません。演劇というとらもさんを思い出し、らもさんというと大槻くんを思い出…

本が好き! 1級
書評数:112 件
得票数:69 票
レビューは約300文字縛り。
でも時々約束を破っちゃいます。
村上春樹さんは新刊でもつい買ってしまいます。
よしもとばななさんはハードカバーでも持ち歩いちゃいます。
川上弘美さんはやっぱり最後には開いてしまいます。

こ、これは……。映画「腑抜けども悲しみの愛を見せろ」の原作者のデビュー作を含む三篇。ポップ? いやいや、これはホラー。
はっきり、なめてましたすみません。演劇というとらもさんを思い出し、らもさんというと大槻くんを思い出…

この本は2冊セット。1冊だけ出すことはできない装丁の素敵なのろいがかかっています。奈良さんもよしもとさんも大好きだ。
久しぶりに読み返した。たぶん3回目ぐらい。短い物語なので気軽に読めると思いきや、いつも予想以上に泣…

ずいぶん前の本になりますが、本当にこれはおもしろい。家族は様々だということを目で実感する。吉本一家とどれだけ違っても、ある意味では吉本一家よりおかしな一家はたくさんいるはず。
文学偏差値が高いなんていうと、とっても敷居を上げてるようで嫌だなぁと思う。でも事実、これほど文…

うっかりポチッとしてうっかり2時間ぐらいで読みきった。アホーあたしのアホーもっと楽しめばよかった。58の死にまつわる書評集。
毎日新聞で書評を書いてらっしゃる方の書評です。戦後30年、死から遠ざかったといわれた作家たちは…

押し付けられた人形屋さんで繰り広げられる、人と人を模したものの物語。しゃべる人よりしゃべらない人形のほうが多くを語る。
この作家さんはワン公がこの記事(asahiの書評)を読んでどうだろうと勧めてきたんですネ。いろいろ…

物語が建設でなければならない理由なんてどこにもない。唐突に始まって不思議な気持ちにさせて最後に読者を放り出したとしても、それを物語だと思うことができれば、それは物語なのでしょう。
ファンタジー長編小説。でいいのだろうか。なぞ。 主人公栞の成長の物語としていいのかわからな…

なぜ4巻かというと、4,5巻の話が一番好きだからです。でも全部好きですけど。コミックのレビュー書いていいのかしらん、と不安になりつつ。
第45回小学館漫画賞少女部門受賞作。11の短編で構成。 少女漫画は好きだけど、典型的な「し…

川上弘美さんの本は寝る前や雨の日なんかに、ベッドで静かに読みたいものです。間違っても洗濯が終わるまでの間とかできません。
八つの物語からなる短編集。一組の男女の間の微妙な関係を描いている。 材料だけ見るとありがち…

コミックもぼちぼち読みます。でもけっこう内容忘れます。ただし、このコミックの読後感だけは忘れられない。怖くて怖くて怖くてもう。
借りて読んで、漫画喫茶で読んで、やっと読み終わった。ふー。粗筋なんて書けるわけがないですし、読んで…

ある作者の本を読んだとする。よくわからない→エッセイを読もう。または、すごく好きだ→エッセイを読もう。このエッセイは後者な理由で読みました。
彼女のエッセイは二冊目。目線が近いと感じる。ドキドキする。賢くなった気がする(気のせい)。 …

母性と母とは別のものだ。願わくは母から母性を感じたいけれど、父から母性を一番感じる人生だってある。この物語はただただうらやましい。作者はこれを書いたとき、免許持ってなかったそうだ。その抜けっぷりが!
第92回文藝界新人賞受賞作品「サイドカーに犬」と第126回芥川賞受賞作品「猛スピードで母は」を収録…

生と死は隣りあわせだろうか。一直線上だろうか。対極だろうか。その答えは誰も知らない。だから物語は思いの数だけ生まれる。
11の短編からなる連作長編小説(というのはありだろうか)。ひとつの短編の中に別の短編のキーポイント…

川上弘美さんの小説を読んでいると、行間を思わずにはいられない。もちろん他の作家さんでも行間を楽しむのだけど、彼女の小説は格別。
4つの短編「物語が、はじまる」「トカゲ」「婆」「墓を探す」を含む短編集。 川上弘美さんの本…

バイクで友人の彼女のお見舞いに行くシーンが印象に残る、さわやかとは言いがたいであろう夏のある日。春樹初心者の頃のレビューです。
世界が広がるということは、同じ香りや空気を感じるということと似ていて違うのだと思った。 い…

山本文緒さんのエッセイ。まったく身も蓋もない言い方をすれば、女が思うダメな女を書く人なんだけども、ダメさが生まれるのはここからなのだ。
どきっとするタイトルのエッセイが多い。 実は会社員をしていたときに読みかけていた本である。…

物悲しいクマの話。そうだね、ピクニック行きたいよね。でもキミはクマだからちょっと難しいことがあったりするよね。世の中の不条理に、わたしはこうやって立ち向かいたい。
くまにさそわれて散歩に出る。94年「神様」第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。99年『神様』紫式部…

小川さんの世界はひんやりと冷たくて、でも果てしなく人間の匂いで満ち満ちている。そこがどれだけ気味が悪かろうと、同じ温度を差し出してくれるからわたしは甘えてしまう。
8つの短編からなる短編集。発光する中国野菜、ヤモリのミイラを持ち歩く老婆、まぶたを切り取られたハム…

エロくないエロシーンはどうしたものかと思う。エロかったら文芸的なのかというとそうでもないわけだから、えーと、えーと。ただ、汚ければ真実だとも、わたしは思わない。
「女性だけではなかった。大学も友人も家族も、世のなかすべてつまらない」という日常を送っている普通の大…

ビッグマネー!という名前でドラマ化された作品。ビッグマネー!よりこっちのほうが断然好きです。この作家さんの特徴はそのままにビター。媚びないのがいい。
あやしげな老紳士と就職浪人の青年が手を組んで、預金量第三位の大都市銀行をはめ殺す。知略の限りを尽く…

江國さんの家族の書き方は好きです。たとえ恋愛小説を書いていても、そこには家族のにおいがする。家族というか、その人に染み付いてるにおいっていうか。
38歳の私の部屋には、金持ちで、彼女をとても大切に扱ってくれる恋人が通ってくる。恋人がいない時は、…