シルエット

島本さんの描く物語は好きなんです。好きなんですけどなにか素直になれないんです。少し病的な、少し脆い、少し危うい。そんな印象をどれを読んでも受けるんです。
第44回群像新人文学賞優秀作。鳩よ!掌編小説コンク-ル第2期10月号当選(年間MVP受賞)。 …

本が好き! 1級
書評数:112 件
得票数:69 票
レビューは約300文字縛り。
でも時々約束を破っちゃいます。
村上春樹さんは新刊でもつい買ってしまいます。
よしもとばななさんはハードカバーでも持ち歩いちゃいます。
川上弘美さんはやっぱり最後には開いてしまいます。

島本さんの描く物語は好きなんです。好きなんですけどなにか素直になれないんです。少し病的な、少し脆い、少し危うい。そんな印象をどれを読んでも受けるんです。
第44回群像新人文学賞優秀作。鳩よ!掌編小説コンク-ル第2期10月号当選(年間MVP受賞)。 …

部長さんに聞かれたので、トルーマン・カポーティは読んだことがあります、と言ったら感心された。その意味は今も分からない。けれど読書なんて個人的なものですから。
『誕生日の子供たち』『感謝祭の客』『クリスマスの思い出』『あるクリスマス』『無頭の鷹』『おじいさんの…

太宰は大人の女になった今、なんて可愛い人なんだろうと思います。ヘタレで可愛い。不器用で可愛い。そして天才だと思う。
メロスに苦い思い出があるゆえに、太宰なんて読むかと思ってたんですが、それは損だと気づきました。太宰…

この表紙みたいなベッドカバーがあったらいいのに。世界は自分のために回ってるんじゃないって、当たり前のことを突きつけられる。そんな長編小説。
天才少年の紡ぎだす物語とここで繰り広げられている現実と、どちらが残酷なんだろう。 ひらがな…

いしいしんじさんは大好きです。大人向けの童話、なんて一言で表現してほしくないっていつも思う。でも誰かに本を貸すとき「大人向けの童話」って言っちゃう。自分に幻滅。
タイトルが楽しそうだったから読んだのだけども「♪」なんて全然遠い。悲惨で滑稽。与えてくれたのは「ひ…

春樹さんの文章は小説でもエッセイでも同じように独特で同じように安心します。だからついつい読んでしまうし、それは悪くないんだけど他の作家さんに手が伸びなくなっちゃうので困ります。
古いエッセイ。時代は変わっても変わらないものがあるのだと、手ごたえで感じることもある。 村…

この本、文庫になっても分厚いんです。でもぼろぼろになるまで読みました。まだ読みます。だってここには本当の意味での「物語」があるから。
長編は絶対にめげると思っていたけど、なんてこった! 楽に読めてしまった。自分が一番驚き。そして重さ…

内田百閒と川上弘美はどうにも切り離せない。それは落としどころの美しさが近いからか? ともかく、日本語の美しさを再確認できる、怖くて美しいお話たち。
「花火」「尽頭子(じんとうし)」「烏」「件(くだん)」「柳藻」「冥途」が収められている絵本? …

人間関係が複雑であればあるほど、わたしは混乱しやすい性質です。でも事象が入り組めば入り組むほど、物事は単純になるんじゃないかと思います。
キャリアウーマンとセックスフレンドと愛しい彼女。そこにいたのは大人になりきれない大人のように見えた…

しばらく読んでいないので、また読んでみます。これは始めて読んだ直後の感想。まだわたしは大人になりきれていなかったのか、感想読む限りでこれはラブストーリー(だけどラブストーリーだとは思っていないようだ)
村上春樹全作品 1990~2000 第2巻 国境の南、太陽の西 スプートニクの恋人 より。かいつま…

人生は難解にも単純にも表現できるものだと思う。でもできれば、単純な言葉で締めくくりたい。そう思わせる短編たちです。
著者の死後新たに発見された新しい短編5編。 「薪割りから」「破壊者たち」が印象に残っている。…

表紙が綺麗だから借りたんでしょう。今は少し哲学を知ったのでもう一度読むと面白いかもしれないな。でも哲学なんて知っていようといまいと、別にどっちでもいいんじゃないかな。
友人が消える。水子に顔ができる。ラット。引きこもり。誰もいない家。生まれたばかりの卵と羽化する直前…

海外の作家さんはあまり得意ではないけれど、でも何冊か読みました。これは読みやすかった。もちろん、春樹さんが好きな作家さんだからチョイスしたわけですが。
手失い、手を与えられ、また手を失った男の話。というとあまりにも短縮しすぎか。でもそうだと思う。時間…

一人の作家さんの1冊だけを読むのはフェアじゃない気がします。だから何冊も立て続けに読んでしまいます。アジアンタムブルーも良い本でした。
「一度出会った人間は二度と別れることはできない」 読み終わったとき、この言葉はわたしの中でとんでもな…

強引に涙を引きずり出されるのは嫌いです。でも読んでしまうのは体が「泣きたい」っていってるからだと思う。それにしても、女より男の方が絶対にロマンチスト。
筋はなんとなくわかるくせに泣けた。なんとなく悔しい。けど二度目読んでも泣くでしょう。 大切…

表紙を見て思い出しました。やっぱり表紙って大切だよね。分からないままにもなんとか感想かいてます。涙ぐましい(読解力のなさは目をつぶって)。
第3回リトルモア・ストリートノベル大賞受賞。20代半ばの女性たちの日常生活。 友達が手紙を…

「地震のあとで」と題して「新潮」に掲載された5編の連作短編に書き下ろしを加えた短編集。阪神大震災をテーマにしています。
かえるくん。もしかして神さまだったのかも。 なんだか「えええ」という本だった。放っておかれ…

この作者の小説は映画にもなってますね。イン・ザ・プールははっちゃけていて好きでした。人間洞察力が鋭いからこそ遊べてしまうんだろうなと思います。
リアリティとユーモア。そしてエゴ。 これを読んだらおじさんたちはへこんでしまうんじゃないだ…

今では手放せない村上春樹の小説。はじめて読んだときの感想って意外なほど自分にとって大切なものなんだなと思った。この本はなんだかんだと5回は読んでる。
古い本をわざわざ待ってでも借りるほど、本を選ぶことが恐くなっているとも考えられる。(この頃は自分が…

瀬尾さんは国語の先生だそうで。今は退職されているようですが、彼女から国語を教わるということはとても上等なことだと思うんです。
坊ちゃん文学大賞受賞。大人な子どもの話が2編。 愛情に溢れている女性は食べることにも全力を…