第七官界彷徨

某漫画でこの本のタイトルが出てきて、文字の羅列だけで衝撃を受けた。なんだろう。この言葉自体がもうショック。
初恋・詩人の靴・歩行・こおろぎ嬢・木犀・臭い・山村氏の鼻・アップルパイの午後・途上にて・神々に捧ぐ…

本が好き! 1級
書評数:112 件
得票数:69 票
レビューは約300文字縛り。
でも時々約束を破っちゃいます。
村上春樹さんは新刊でもつい買ってしまいます。
よしもとばななさんはハードカバーでも持ち歩いちゃいます。
川上弘美さんはやっぱり最後には開いてしまいます。

某漫画でこの本のタイトルが出てきて、文字の羅列だけで衝撃を受けた。なんだろう。この言葉自体がもうショック。
初恋・詩人の靴・歩行・こおろぎ嬢・木犀・臭い・山村氏の鼻・アップルパイの午後・途上にて・神々に捧ぐ…

山本文緒さんはたぶん「アカペラ」以外読破したんじゃないかな。コバルト時代も読んだと思う。なんていうか、女の人なら一度ぐらいどっぷりはまっちゃうんじゃないかな。
31歳、31個の物語。短編集。 難破船を涙ながらに熱唱する女。両親から離れなれない女、うさ…

わたしは勝手に「男性の男性のための男性小説」と呼んでいます。とっても読みづらかった。読みやすい小説なはずなのに。だからもう一度読もうと思う。
完璧な恋人、スナックのママとその子ども、色狂な金持ち夫人、眉目秀麗な弟分と家庭教師の元生徒。桁外れ…

江國さんの描く食べ物は必要以上に美味しそうに見える。そしてついそれを食べると、今まで自分が知っていたそれより美味しく感じる。
とても短い一冊の本。こんなのドキドキするじゃない。 姉の元彼に思いを寄せる小学生(途中で中…

感想中に出てくる「死者の奢り」は大江さんの初期の作品です。すごく良い物語。もちろんこれもよい物語なんだけど、勉強不足でした。伊丹さんの自殺から生まれたと、どこかで読みました。
瑞々しさを残している死と、想像のつかない生の物語だと思った。なんて一言でいえるわけがない。 …

同郷なんて知ったのはずいぶん後のことです。たくさんは読んでいないです。なぜかというと、この荒々しい彫刻のような文章は時にわたしを打ちのめすから。伊丹十三さんで映画化。
脳に障害を持つイーヨーとマーちゃんの静かではないけれど静かな生活物語。 初めて読んだときは…

今では源ちゃん大好きと言いまくっているけれど、やはり最初に読んだときはガーンと来たようです。でもこのNHKっぽいっていう感想は正しいなぁ。
短編集。初めて読んだ。うはー。 グロかったりばかばかしかったりしたけれど、なぜかNHKの番…

どんな大先生だって人間だから食べて排泄して病気になって死ぬわけだ。そこにあるのは非力な人間の姿。でも、食べることは、生きることはやめられない。
文人たちの食卓。 今と昔とでは作家という職業のイメージは真逆のようにわたしなんかは思うのだ…

またもamazon検索であわあわしてしまった。タイトルがタイトルなだけに、男性は飛びつくんだろうか。まさかそんな浅はかな! しっかり文学です。
森鴎外と樋口一葉の「不倫」を軸に、明治と現代、ふたつの文学空間が睦みあう。「日本文学盛衰史」の外伝…

奇妙な結末をぽーんと放られて呆然としたり、ふと路頭に迷った気分になったり。それぞれいろんな味を少しずつ。そんな短編たち。
短めの18の物語。 短編はあっという間に終わってしまう。ちょっと寂しい。でも目次にたくさん…

高かったのよ。でも買ってよかったって思うぐらい素敵な本だったのよ。今だってたまに装丁眺めるために引っ張り出しちゃうもの。
よしもとばななの書き下ろし小説+奈良美智の書き下ろし絵画&刷り下ろし写真。英訳同時掲載。わたしは英…

結局ばななさんをストーキングしているようです。というか、たぶんストーキングしています。だって彼女の言葉は遠慮がなくて好きなんだもの。
よしもとばななと、イタリアでよしもとばななの本を翻訳しているアレッサンドロ・G.ジェレヴィーニとの…

そういえば、ばななさんのお父さんは吉本隆明さんでした。普段「ばななの父ちゃん」って呼んでるし、哲学なんてしらねーと敬遠していたから、偉大なる大衆哲学の父の顔を知らずに読んでたんだな、これ。
書き下ろしエッセイ。 彼女の父親のことが出てきた。正確には父親の影が、だ。わたしは「娘から…

食べることは身体を作ること。そして心も育てること。という教えの元育ちました。だからこれを読もうと思ったんですが、それ以上に得るもののある本でした。
文人暴食の続編のようなもの。小泉八雲、武者小路実篤、若山牧水、平塚らいてう、向田邦子、寺山修司など…

本気なんだがギャグなんだかわかんない。わかんないけど満足させてくれる。安易じゃない。エンターテイメントってこういうのじゃなかろうか。
長かった。頭が割れそうなのに目が日常をクリアに写す。この満腹感はすべてを帳消しにしてくれる。 …

最初に読んだ高橋源ちゃん文学。読み終わったときの衝撃は今でも忘れていない。だからまた、いくつもの高橋源ちゃん文学を読もうとしているのだけど、今は対談が多いのよね、この人。
なんて悲しいポップ。これからどちらに進めば前へ進んだことになるんだろうか。と、どうしようもなく思っ…

ばななさんの本はわたしにとってライナスの毛布です。だからもう、なに書いていいのか分からない。回復効果という意味では抜群だと思う。
東京での八年続いた愛人生活が終わりを迎え、雪降るふるさとに帰ったほたる。特別で平凡な「癒し」を描い…

偉そうな感想を書いているわりに、自分自身は下戸なんですけどね。ウィスキーなんて舐めただけで死んじゃうよ。でも、だから、飲めないかわりに読んだんだ。
僕は黙ってグラスを差し出し、あなたはそれを受け取って静かに喉に送り込む、それだけですんだはずだ。と…

わたしは旅があまり好きではないけれど、旅に関するエッセイは好きだ。森茉莉の空想旅行みたいにしてるのが一番好きなんだ。だってこの本読んでる間は、春樹さんと一緒に旅行してんだぜ?
村上春樹が行った、辺境・近境のエッセイ。イースト・ハンプトン、無人島・からず島、メキシコ、讃岐、ノ…

春夏秋冬、いつの季節だって本を読みます。でも一番好きなのは、秋の夜長にゆっくりと舐めるように文章を読むのが好きです。この本はそうやって最初から最後まで楽しみました。
ちびりちびりと酒を飲むように、長い時間をかけて読んだ、10の短編小説とエッセイと2つの詩。 …