源氏物語 02 帚木【Kindle】



普段は「真面目らしく慎しんでおられる」人がときたま見せる「似合わしからぬおん振舞い」──それこそが一番恐ろしい;;
『源氏物語』第2帖「帚木」は、別名「雨夜の品定め」と称されるように、 源氏を含めた男たちが、自身の…
本が好き! 1級
書評数:242 件
得票数:3991 票
読むことも書くことも孤独な作業ですが、言葉はいつも語られ受け取られるためにあるものだと思っています。誰かに喜んでもらえる言葉を語ることができれば嬉しいです。できることならば…。
近・現代日本文学を中心に、外国文学、児童文学、医療・健康関係の本、必要に応じて読んだ実用書などについて書いていきたいと思っています。
不定期でアロマテラピーインストラクター、セラピストの仕事をしています。



普段は「真面目らしく慎しんでおられる」人がときたま見せる「似合わしからぬおん振舞い」──それこそが一番恐ろしい;;
『源氏物語』第2帖「帚木」は、別名「雨夜の品定め」と称されるように、 源氏を含めた男たちが、自身の…




闇ってる人の恋愛見本帖?…人間の業や因縁に対する語り手の嘆息が聞こえてくるような。
『源氏物語』の巻頭「桐壺」の帖は、古典の教科書でも 長年とり上げられていたので、その出だしの部分を…





世界はきっと、共有され、共感され、そして変容されていくに違いない──望まれたように、<永遠>に。
ただ望めばいいのよ。でも心から何かを望むのは、 そんなに簡単なことじゃない。時間がかかるかも…




複雑に絡み合った世界の中で、揺れ続ける心を一人抱えるのが辛くなった夜に、 そっと開いてほしい作品集
生と死についてのノンフィクション作品を多く発表されてきた 作家・佐々涼子さんの、これまでのエッセイ…



「ある女」の物語を書き終えた時、作者自身の「ある女」の物語が始まった
肉親あるいは近しい人の死は、互いに共有しているものが 大きければ大きいほど、生きつづける側に圧倒的…



風景と言葉が、人を未知の世界に誘いながら、同時に懐かしい処へと引き戻す
詩画集というものを手に取らなくなってずいぶん経つ。 あるいは、手紙というもののやりとりをしなくなっ…




書くことを職業にしたい人への、具体的で実践的な文学論
この本の存在は、ずいぶん前から知っていたのですが、 個人的に好きな作品を書いてくれた作家でも、 …





ファンタジーでもユートピアでもなく、確立したシステムや合理性でもない、 「個」としての人間の境界さえ曖昧な、不確かな世界
まだ存命中ではあるが、村上春樹の前期ともいえる時期の集大成であり、 今でも多くのファンが、おそらく…



闘いの時代を生きた作家が求めた、すべての人の生きる糧となる言葉
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名前は、『星の王子さま』の作者として 日本でも広く親しまれて…



ドラマになり難いごく普通の人の苦しみと、本当の強さを内に秘めた人間の物語
人間は常に二通りの種類に分けられるということをどこかで読んだことがある。 例えば外向的な人と内向的…



愛という喜びを喜びのまま自身の中で燃やし続けることができるかどうか。
これは自分の<核>を探すために旅立ったばかりの若い女性にささげられた、 彼女の祖母からの愛に満ちた…




「永遠の夜の国」を抜け出た人々の葛藤とその運命
サマセット・モームの短篇集というだけでもう、 面白いだろうということは予感されたが、実際に読んでみ…




自分自身のもつ絶対感覚によって外界を捉え、冴え冴えとした言葉で捉えた世界を彷徨する孤独な作家
尾崎翠、という名前を聞いたことがある人は、 もしかしたら、私が思うよりずっと少ないのかもしれない。…




命が尽きた後も、形が失われたとしても、永遠に生き残る精神性、あるいは生命の痕跡
デビュー作 『廻廊にて』 が単行本として上梓されたのが1963(昭和38)年、 それから3年後の1…





いつか生まれる「シェイクスピアの妹」のために──百年前に書かれた、百年後の私たちのための本。
ヴァージニア・ウルフというと、私の読書経験の中では、 かなり難解な作家(もちろん日本語訳で読んだの…



照れながらも真剣に…1980年代を生きた若者たちへ送る言葉
この本は、私にしては珍しく発刊当時にリアルタイムで読んでいない (おそらくは…)単行本だった。 …




深い闇を抱えながら、自分の運命を力強く生き抜いた女性の物語
最近賞をとった作品や、ベストセラーになっている作品は 基本的にはすぐには手に取ることは少ないのだが…



新しい社会を生きる、新しい価値観を持った若者を「素材としての人物像」として描いた作品
テキストとして選んだ新潮文庫には、「二百十日」、「野分」の 漱石の二つの作品が所収されているが、こ…



誰か「わたし」を救ってあげてほしい。この「凄まじい孤独」のラビリンスから。
読書が楽しみのための行為だとすると、この本をその目的のために読む人が 一体、どのくらいいるのだろう…




せいいっぱい手をのばし、言葉を探し、大切な人の心を探す旅を続ける決意
今(2023年)からほぼ40年まえに出版された、村上春樹の4冊目の短篇集。 …40年! 作家も読者…