羆嵐





まるでパニック映画のような展開であるが、これが事実だというのだから恐ろしい。特に羆による襲撃のシーンは酸鼻を極める。
毎日のように、誰かがクマに襲われて怪我をしたり、下手すると死亡したり、ということが起こっている。こん…

本が好き! 1級
書評数:578 件
得票数:4589 票
サービス終了となったブクレコから漂着いたしました。
とりあえずブクレコのレビューをサルベージしてどばどば貼り付けてます。
てことでひとつよろしくお願いしますです。





まるでパニック映画のような展開であるが、これが事実だというのだから恐ろしい。特に羆による襲撃のシーンは酸鼻を極める。
毎日のように、誰かがクマに襲われて怪我をしたり、下手すると死亡したり、ということが起こっている。こん…




主役は壺ではない。壺の周辺に現れる人たちの、他愛もない話ばかりだ。本人にとってはかなり深刻であろう話もあったりするのだけど、まあ他人事として見ると、実に他愛もなく、時に滑稽ですらある。
書店で『青い壺』なんていう小説を見かけて、あらすじの紹介もロクに読まずに、何だか面白そうな気がしたの…




「日本を代表する企業の創業者たちの言行は、中国の歴史や古典の中に不思議なほど類似例がある」って、書かれている実例を読んでも、正直あんまり類似しているようには思えなかった。これはこれで面白いけども。
PとかDとかいうおっさん向けの雑誌というのは、やたら戦国武将が好きで「戦国武将の経営理論」とか「戦国…




我々はどうやら破局に向かっているらしい。それにどう向き合い、対処していけば良いのか。そんなことを、あれこれ時事ネタも盛り込みつつ、例によってラカンやらマルクスやらヘーゲルやらを引き合いに出しつつ語る。
大体がジジェクの本なんてのは、何だか面白そうだなと思って手に取ってみたまでは良いが、読んでみたら何の…





これはSFというより、権力と科学技術の関係、生命と倫理、国家と戦争、など様々なお題についての思考実験、と見た方が個人的にはしっくりくる。そのツールとして科学を使っている、みたいな感じか。
『まず牛を球とします。』というタイトルを見て、あ、と思った。 数年前に読んだ『物理学者のすごい思…

じゃ世襲貴族でなければ良いのかっていうとそうでもなくて、世襲ではないけどキ⚪︎ガイみたいなのが幅を利かしている状況にうんざりする。でもそんな時代だからこそ、改めて読まれるべき本なのかもしれませんな。
『大衆の反逆』は、以前から気になっていた一冊だ。ついに手を出してしまった。 いくつかのバージョンが…




これからの世の中でサバイブできる気の利いた優秀な若者は大丈夫か知らんけど、その他大勢、有象無象の連中はどうなるのよ、なんてあれこれモヤっとしたりする。
少子高齢化の進んだ日本はこれからどうなっていくのか。なんていう話は、割といろんなところでされていて、…





「口車」とか「思う壺」とか、よく聞くけど実物を見たことがない、というものたち。それらを売り物としてビジュアル付きで解説している。いずれもふざけていて、しかし上手いこと言いやがって、という感じ。
新聞の書評欄だったかで『ないもの、あります』という、人を食ったようなタイトルの本を見つけた。 あ、…





各エピソードに付けられたキレの良いタイトルのワーディングに痺れ、はんなりテイストの4コマ漫画にクスっとしつつ、自分がやらかしてきたアレコレを思い出して嫌な汗をかいたりする。こんな本なかなか無いですよ。
あの 『ソフトウェア開発現場の「失敗」集めてみた。』 から一年。早くも第二弾が出てきた。今度は『エン…





合理性と論理性を徹底するがあまりに、周囲からは浮いてしまい、普通の人間にはなかなか理解されないが本人はあまり気にしていない。最高の主人公というか、何だかターミネーターみたいだ。
今までその作品を読んだことがないし、作家の名前も名前も聞いたことがなくてスルーしていた『成瀬は天下を…





「国語力」が致命的に欠如しているために起こっている悲惨な事案、というのをこれでもか、というぐらいに紹介してくれていて、読んでいてなかなかに気が滅入る。
たまたま 文春オンラインの記事 を読んで、ちょっとばかし驚いた。 『ごんぎつね』を読ませ、兵十の母…





単行本では、様々な怪異を引き起こす原因とされる過去の事案について語られた時点で、一気に怖さが薄らいだのを覚えている。でも今回は、なぜかそうならなかった。結末もイヤな感じに寄せていっている気がする。
『近畿地方のある場所について』が文庫になっている。どうやら映画化もされるらしい。 この本は、 出て…





この小説、やたらと食べるシーンが出てくるのだけど、なかなかのフードポルノっぷりだと思う。ちょっと胸やけするけど。その辺も含めて、タイトル通り、バターのようにこってりした濃厚な小説だ。
今から15年以上前、首都圏連続不審死事件というのがあった。 ずいぶんと話題になり、その犯人の写真は…

規律権力をどのような知識体系が正当化し、誰がどのように監視し、規範はどのように内面化されているのか、と批判的に問い直すことが、規律と監視からの解放に向けた第一歩である。 って、そこまで書いてあったかな?
今年の3月に、WESTERポイントが失効してしまうというので、残ポイントを全て突っ込み、さらに3千円…





コンビニは明るく清潔で正確無比な「規律と訓練のための施設」。主人公はある種の社会不適合者だが、普通の人間の持つ煩悩のようなものがない。だからコンビニの明文化されたマニュアルに、過剰なまでに適合できる。
先日読んだ『信仰』 がなかなか衝撃的で、こりゃちょっと他のも読んでみないと、ということで代表作と思…




大多数の人にとって世界との接点は、ヴァーチャルが圧倒的にリアルを超えているのだから、そこに流れるコンテンツをコントロールできるということはつまり、世界の見え方をコントロールできるということだ。
話題の『テクノ封建制』を読んでみた。 「アテンション・エコノミー」という言葉を初めて聞いたのは、も…





畳みかけられる剥き出しの暴力に、目を背けたくなりながらも、読むのをやめられない。どこかで聞いたことのある話のようなそうでもないような。と思っていたら、後半でありゃーそうきましたか、と一本取られた。
『ババヤガの夜』というインパクトのあるタイトルには、何となく見覚えがあった。それが今回、ダガー賞受賞…





いずれも、まあまあえげつない怪異が起こっているのだけど、その原因を追及するわけではなく、解決するのかも定かではない。それでも、きっと悪くはない方向に行くんだろうなという感じはする。不思議な小説だ。
『営繕かるかや怪異譚』シリーズ「その参」が文庫になった。そら読まなあかん。 このシリーズに登場する…




日々の行動において、100%「自分の意志でやった」と言えることって、実はほとんど無いのではないか、と指摘されて、少しばかり愕然とする。たびたび取り上げられるカツアゲの喩えはわかりやすい。
『暇と退屈の倫理学』は面白かった し、だったらやっぱり『中動態の世界』もいっとかなあかんのかな…





この主人公、コラーゲンが云々なんてふざけたことを言ってるように思えるが、実はけっこう真面目な人なんだろうな。
『この世にたやすい仕事はない』。何だか面白そうじゃないか、と思いつつ手に取る。 前職で燃え尽き…