沈黙の春




化学工業、資本、当局が結びついた環境破壊の最初の過ち。これに対し、ペンで立ち上がったのがレイチェル・カーソン。たぶんグレタ女史のおばあちゃんの時代か。
地球は誰のもの系の古典。 手に取ったきっかけは「利益至上の株主資本主義」vs「SDG's」の僕の心…
本が好き! 1級
書評数:455 件
得票数:6611 票
仕事、FP活動の合間に本を読んでいます。
できるだけ純文学と経済・社会科学系のものをローテーション組んで読むようにしています(^^;
相場10年、不良債権・不動産10年、資産形成(DC、イデコ)20年と、サラリーマンになりたての頃は思っても見なかったキャリアになってしまいました。




化学工業、資本、当局が結びついた環境破壊の最初の過ち。これに対し、ペンで立ち上がったのがレイチェル・カーソン。たぶんグレタ女史のおばあちゃんの時代か。
地球は誰のもの系の古典。 手に取ったきっかけは「利益至上の株主資本主義」vs「SDG's」の僕の心…




今読むと主人公の佐久間平蔵、相場師より投資家と言ったほうがしっくりくる気がする。 なお本書再読中に新コロナウイルス騒動が発生し、相場が大暴落している。
主人公佐久間平蔵のモデルは是川銀蔵という実在の人物。 是川銀蔵は一匹狼の相場師で、誠備グループの加…





ベルリン陥落。 絶望と混乱のなか死を選ぶ人、ひたむきに生き抜く人。 そんななか勢力を広げる闇社会に入り込んだオッペンハイマー。 混沌のなか、ソ連軍将校との密かな友情も生まれる。
ベルリンを舞台にした「ゲルマニア」、「オーディンの末裔」の続編、かつ驚きの最高傑作。 第二次大…



著者のいう「超資本主義」から地域社会を救うための教育面からの議論。表題を見て僕が期待した内容とはズレがあったけど、地域再生を前提とした教育論として新鮮。
著者(日本社会)が持っている問題意識の前提には「超資本主義」(ロバート・ライシュ、「暴走する資本主義…



戦国の世、ポルトガル人の手で日本人奴隷は世界に渡った。
本書で取り上げられる時期は16世紀後半から17世紀。 ポルトガル人分学者ルシオ・デ・ソウサという方…



最底辺の現場レポートが凄い迫力。そして、間違いなくこれは日本の根幹を揺るがす問題。
著者は特別支援学級の教師として、障害のある子ども達をサポートする一方、川崎市の桜本教会で牧師としてホ…




滅びゆく帝都ベルリンを題材にした、叙事詩的要素が強いと思う。敗者かつ、ユダヤ人への加害者ゆえ、民族として今まで言えなかったことを書いた?
前作「ゲルマニア」同様、ベルリンに住むユダヤ人の元殺人捜査官、オッペンハイマーが主人公。 ユダヤ人…





元老院の権益維持のため、僻地にやられた遅咲きの男。 しかし、そこで今のEUの基礎を創ったのもこの男だった。
僕のカエサルについての今までの知識は、受験に必要な範囲にシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」(主…



パンク・ロックの世界か?「逡巡」という文字から、富山らしい控えめな内容と思ったら、見事はずれ(^^;
僕は大学に入るまで富山市の隣の滑川で育ち、五十前後の十年間を富山市のほぼど真ん中で勤務した。 著者…




生命保険が中心だけど、同時に公的制度、ライフステージの考え方が解きほぐされているので、自分に本当に必要な保険にたどりつきやすい。
期待以上の内容で、本棚に常備の一冊。 「間違いだらけのクルマ選び」という本があるけど、それの生命保…




地獄絵。親兄弟、最愛の人、子ども達が次々と死の淵に……。ただ眺めているしかないワルシャワのユダヤ人たち。
本書は元ネタの小説とは別物で、写真集を含む映画のシナリオ版。 舞台は1939年のポーランドの首都ワ…




(上下巻まとめて)ロストジェネレーション。すべてを失いつつあったヘミングウェイを癒してくれたのがカリブの海と猫だった。
本書はヘミングウェイが自殺した後、遺稿を編集、遺族の了承を得て出版されたものだという。 生前、…





都市国家から領土国家へ発展したことが、やがて共和政破綻につながる。しかし、挫折したグラックス兄弟が後世、称えられるところがローマの偉大さなのだ。
もしかしたらローマ人の物語のなかでも、本巻のグラックス兄弟の部分が一番好きかもしれない。 自…





ジェイコブ・ソールの「帳簿の世界史」の続編のイメージ。特に面白い部分、アメリカ以降の財務会計、管理会計の進化が、なんと画家やロックンローラーを通して語られる。
「帳簿の世界史」の焼き直しかと思ったけど、とんでもない(^^; 第一部「簿記と会社の誕生」 …





ストーリーの組み立てが見事。そして、後の史実に繋がる伏線があちこちに埋まっている。学生の頃、軽いと思ったのはなぜだろう?
実は十五年ほど前、僕は「山本勘助の墓」から2キロの場所に単身赴任していた。 墓は、長年丁寧に手入れ…



いったんレールから外れると、立ち直りが効かず、誰も助けてくれない都市空間。その課題解決について七名のメンバーの異なる視点をまとめたもの。奥が深い(^^;
自分が実際に近隣、武蔵小杉周辺で見聞きしている、地域コミュニティ運営に携わる人たちをイメージして本書…



高校まで、僕が毎日のように見ていた山。 本書の背景には海辺の街に迫るように超然とそびえる剣岳の、太古から連なるドラマがあった。
僕が生まれ育った滑川は富山県の東に位置する海辺の街。 そこで日本海を背にして真正面、街に迫るように…



ハワイに絡んだ六つの短編。すべて日本人が語り部で、太平洋の真ん中のハワイと、日本との距離感がそれぞれの作品で異なる。飛び抜けて良いと思ったのは「この世でいちばん居心地の良い場所」。
碧野圭さん初読みで、ハワイに惹かれた題名買い。 「この世でいちばん居心地の良い場所」が飛び抜け…



人類は古代から統治形態の異なる民族どうしが、衝突と融合を繰り返してきた。そこに宗教と理性が複雑に絡み、帝国ができ、国民国家が形成された。この次に来るものは何なのか?
対談ゆえ、テーマがあっちこっちに飛びまくる。 世界の歴史を新書一冊で語るという恐ろしい試みだが、歴…




「カルメン」を初めて読むのだが、奴隷貿易もの「タマンゴ」とのセットにより、著者メリメの文化人類学的な立ち位置が見えてくる。
「カルメン」の名前は子どもの頃から知ってはいたが、小説を読んだのは初めて。 本書には「カルメン…