アフターダーク


深夜のファミレスで出会った男女の朝までの物語。事件があったり会話を重ねたりしているうちにお互いの理解が深まっていく。所々に挿入されている、主人公(女)の姉についての観念的なエピソードが退屈。【55点】

本が好き! 1級
書評数:572 件
得票数:3215 票
テーマも主張も無いのにグイグイ読ませる本が好き。


深夜のファミレスで出会った男女の朝までの物語。事件があったり会話を重ねたりしているうちにお互いの理解が深まっていく。所々に挿入されている、主人公(女)の姉についての観念的なエピソードが退屈。【55点】


ショートショート×24本。各作品と著者自身の解説が1セットになっているのが珍しい。内容の多くはエッセイに近い。形は整っているが、とくに吸引力もなく、心に響くものも少なかった。【40点】

推理ものやファンタジー、人間ドラマなど、いろいろな短篇が10本入っている。短編ならではのキレはなく、ぼんやりした作品が多いので、ぼんやりしたい時に読むのが良さそう。【60点】



古書業界に生きる二人の男が主人公。ほのかにBLを匂わせる友情物語という感じ。業界の内幕話が興味深い。情景・心情描写の文字数が多いのでまだるっこしい。できるだけ行間から自然に吸収させてほしい。【60点】



38歳。独身無職。人生に敗北した存在価値ゼロの絶望男の「影男」が主人公の妄想漫画シリーズ。様々な場所で風変わりな美少女に出会い、なじられ煽られながら彼女達の妄想に振り回されるのが面白い。【70点】



38歳。独身無職。家族も友人も金もない絶望男の「影男」が主人公の妄想漫画シリーズ。様々な場所で風変わりな美少女に出会い、罵倒され蔑まれ説諭されながら彼女達の妄想に振り回されるのが面白い。【70点】



惨めな中年になった著者が、学生時代を過ごした八王子市堰場に、25年振りに「忘れ物」を取りに戻ると様々な幻影が去来するという妄想漫画(イスラト&文)。随所に描かれている謎の少女が可愛い。【70点】


人間関係のビミョーな何かを素材にした中編小説×3本。ダメ男が20年振りに帰郷する「ソリチュード」は楽しく読めたが、あとは内容も書き方もまどろっこしくて、あまり引き込まれなかった。【50点】


古道具屋でバイトする女性主人公の人間関係や心情を綴ったゆるい流れの小説。彼女の口癖は「はあ…」。同じバイト仲間との奇妙でぼんやりした恋愛関係が話の中核になっていて、やや女性向けの内容か。【50点】



相棒を壊した輩への復讐のために生身の犬に変身した狛犬と人間との交流を描いたシリアスタッチのファンタジー小説。狛犬は人間の言葉が分かるのだが、彼らに悟られないよう気を遣うところがかわいい。【60点】



副題の通りのサスペンス系の短篇集。いずれも興味を持たせる展開で最後に程良いサプライズが。唯一のホラー系の「憑かれる」は、普通の風景の中の異常がうまく表現されていて、ぜひ映像作品で観てみたい。【72点】



昭和30年代の地方の駐在さんが主人公の警察物語。当時の駐在警察官の仕事や生活の描写が生々しくて資料としても興味深い。著者は元警察官。実際に見聞きした話がベースになっているのか。【70点】




スーパーの女性保安士(万引きGメン)が殺人事件に関わっていく推理もの。最後まで犯人が分からなかった。こういうのもアリか。終始、興味を引く展開で飽きさせない。万引き取り締まりの内幕話も面白い。【80点】



主人公は母親。高校生の息子の謎の失踪にまつわるサスペンス小説。登場キャラも展開もそこそこ面白いのだけど、心情描写や風景描写がやたら冗長でやや読みづらい。【66点】



終戦直後の日本に存在した日本リーグなるプロ野球組織と1900年代前半に米国に存在した黒人リーグがモチーフの野球と友情の物語。題材が興味深く、あまり野球を知らないのだけど楽しく読めた。【68点】



未来から来た女の子がヒロインの謎解き含みのファンタジー純愛小説という感じ。最後に明かされた時間のロジックはかなり「?」だったけど、ツンツンしているヒロインが可愛くて楽しく読めた。【72点】



大リーグ1年目の日本人投手が主人公。晴れのデビュー戦の主審が高校時代の因縁ある先輩。納得できないジャッジを下され、そこからすべてが狂っていく…という話。大リーグの内側が垣間見られて面白い。【65点】


霊能力を使って事件を解決に導く心霊特捜班が主役の警察小説。全体的に緊張感がなく、かと言ってコメディでもなく中途半端。キャラは魅力に乏しく、ユニークな設定やストーリーもなく終始退屈。【30点】



新宿歌舞伎町の町医者が主人公の警察小説。謎含みの発砲事件に巻き込まれるや、複数の刑事やヤクザがそれぞれの思惑を持って接触してきた。誰を信じていいのか揺れ動きつつ最後に思い切った決断をする。【66点】



堂場、東、今野の短編警察小説3篇を収録。警察官の誇りをそれぞれの視点から描写。とくに地味な捜査第三課(盗犯係)と花形の捜査第一課(強行犯係)の対決を描いた今野さんの「常習犯」が面白い。【72点】