書楼弔堂 破暁





「本は内容に価値があるのではなく、読むと云う行いに因って、読む人の中に何かが立ちあがる・・・そちらの方に価値があるのでございます。」と、その店の主人は言った。
書楼弔堂は、帝都の中でも林と畑に囲まれた静かな場所にある。店の看板は板戸の前に貼られた半紙で、墨痕鮮…
本が好き! 免許皆伝
書評数:862 件
得票数:25661 票
「本が好き!」に参加してから、色々な本を紹介していただき読書の幅が広がりました。





「本は内容に価値があるのではなく、読むと云う行いに因って、読む人の中に何かが立ちあがる・・・そちらの方に価値があるのでございます。」と、その店の主人は言った。
書楼弔堂は、帝都の中でも林と畑に囲まれた静かな場所にある。店の看板は板戸の前に貼られた半紙で、墨痕鮮…




それは犬たちにとっても、激動の時代だった。
現代ではあらゆる種類のワンコが住む日本だが、明治の開国までは、三角の立ち耳に巻き尾の和犬と、大きな目…





ひとつの秘密を抱えやってきた青年と、住人たちの10数年。「どこの誰か」よりも「どんな誰か」が大切な、昭和最後の時代の築地魚河岸通り。
本書は昭和60年度下半期の直木賞受賞作である。出版されたのは、日本がバブル景気に湧き始める頃のこと。…




理想の生活は「ホビットの穴暮らし」だけれど、自分の背中を自分で蹴飛ばして世界へ。忘れられない旅の思い出を綴るエッセイ集。
作家の上橋菜穂子さんのもうひとつの顔は、アボリジニを研究する文化人類学者である。タフで活動的な女性に…





「天と地の間よ、言葉の満てる大地となれ。」 言葉の力に託された作者の思いよ、飛び散る星の欠片となって人々の胸に宿れ。
「オーリエラントの魔道師シリーズ」は、物語としての面白さもさることながら、構築された世界の完成度の高…


![([か]10-1)四月一日亭ものがたり](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51RVprZkGYL._SL160_.jpg)
大正ロマンの花咲く帝都の片隅の人生。
大正時代末期、銀座裏通り、西洋料理店。背表紙の3つの単語が目に飛び込んできた。そこで頭に浮かんだのは…




その男は少年と母のためにパイを焼き、キャッチボールのコツを教え、切れた電球を全て取り換えてくれた。殺人罪で服役中の脱走犯との、夏の最後の6日間。
13歳のヘンリーは、ニューハンプシャー州の小さな町で、母と静かに暮らしていた。両親は離婚し、母には訪…





老後を過ごすため、夫婦でプロヴァンスに移住したイギリス貴族夫人の随筆。美しい土地柄の魅力、純朴な住人たちとの交歓を描いた、1935年の記録的ベストセラー。
1930年代の初め、フォーテスキュー夫妻は老後を気候の良い土地で過ごそうと、プロヴァンスに家を購入し…




優しい温かみのある絵は、物語を紡ぎ出す。
その絵は、行きつけの美容院の壁にかかっていた。淡い桃色の日傘をさしたお母さんの腕には、野の花を入れた…





移ろい去ってゆく日々の愛しさを描いた作家、庄野潤三。
村上春樹氏はデビュー作『風の歌を聴け』に、 あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできな…




うまくいかない人生に立ち向かう家族の絆、誰かの苦しみに共鳴する純な魂。本書が問いかけてくるのは「人の愛」についてだ。
この作品をジャンル分けするとしたら、どこに収めるのが適当なのだろう。ミステリー、ホラー、家族小説、ど…




ラベルデザインが語る庶民の暮らし。「電車では出入口ではなく窓口でお買上を願ひます。」
平成の世では、旅のスピードはグンと速くなり停車駅も少なくなってしまったけれど、「駅弁」というアイテム…





アルハンブラ宮殿の名を一躍世界に広めた、伝説とロマンスに彩られた旅行記。
☆上下巻合わせた書評です。 スペイン南部のアンダルシア州グラダナにはその昔、モーロ(ムーア)人…





世の中の子どものために、自分の中に生きている子どものために。
彼女がいなかったら、日本の「子どもが読んで楽しむ本」はどうなっていたのだろう。『クマのプーさん』をは…




家族とどういう関係を結んできたのか、最後には問われちゃうんだと思う。
20歳年上の伊藤さん(54歳・パートの給食調理補助員)と同棲中の彩(34歳・アルバイトの書店員)の、…





悲しみと祈り、絶望と怒り。万葉から現代までの、24の反戦詩。
好きな花は? と問われると 梨の花なのよ 迷わずにいつも答える 四月 故里は梨の花で白い村と…




「おやつ」の思い出は、ほんのり甘く時々ほろ苦く、郷愁を誘うのだ。
冒頭を飾る森茉莉「シュウ・ア・ラ・クレェム」は、ケーキの箱を開けた時にふわっと漂う、あの“洋菓子”の…




作ってもらう人も作る人も庶民も天皇陛下も、お弁当には色んな気持ちが詰まっているから美味しいのだ。
このアンソロジーシリーズ、図書館に3種類予約しておいたら、偶然3冊いっぺんに回ってきてしまいました。…




シュパ!トクトクトクトク・・・ジュワ~~~ 40話のエッセイ+天才バカボンの、ビールのお話勢揃いなのだ。
本書は、物書きの皆さん40人の文章と、赤塚不二夫の漫画「天才バカボン・お酒のにおいをよこすのだ!」が…





私の「つづき」を見守ってくれた本たちにありがとう。
この本にはたくさんの書評があり評価が高いので「早く読まなくちゃ。」と思っていました。夏休みの最後ギリ…