母親が、自分の子供を病気にしたて、自ら悲劇のヒロインになることで満足を感じる異常行動。その背景にあるのは何か。そして法律は、僕らはそれをどう裁くべきなのか？　医学と法律の両面から現代の暗部にメスを入れた貴重な本。

親が自分の子供を重篤の病気に仕立てる。 　食塩、利尿剤、催眠剤、下剤、ぜんそく薬、もしくは子供…

人並みならぬ才能の持ち主でも、人生は穴ぼこだらけ。それでも、人は目に見えない衝動に突き動かされていく。

「青ひげ」は、シャルル・ペローによる童話だ。ある娘が、金持ちだが青ひげを生やした恐ろしい風貌の男か…

ふとしたときに、何度も何度も読み返してしまう。それは、単なる実体験の迫力だけでなく、壮絶な内容にも関わらず、吾妻ひでおの人生に対する達観と不思議な暖かさが、読む者の心に安らぎをもたらしてくれるから。

僕らの世代にとって、吾妻ひでおは常にラジカルな改革者だ。 「ふたりと五人」のエロチックギャグに含ま…

空を飛ぶ飛行機と、地を翔けるクルマ。興味のない人には何の共通点も見いだせないだろうが、この２つに惹かれるメカニック好きも多い。そして文化的にも技術的にも、実は共通点が多い。メカオタクとしても有名な岡部いさく氏ならでは技術文化論。

大人のファンタジー、というよりも寓話というべきか。教訓的なわけではないけど、死神・千葉に出会った人々の生き様が、人生のあり方を見つめ直す機会を与えてくれる。

平成の泣かせ屋、浅田次郎の珠玉の短編集。大人のためのしっとりと落ち着いたファンタジー。8つの短編のどれもが素晴らしいが、ラブ・レターは何度読んでも泣ける。

自分の夢や愛を信じ続け、それに殉じる男ギャッツビー。華やかで刺激的な生活を求めながら、自分の良心を曲げられないニック。2人の男の生き方が、じんわりと心の響く。華やかさや儚さの裏に、人間性を描いた良作。

今日（2010年5月14日）開催の Book Talk Cafe のテーマは。「LOVE is al…

伊坂幸太郎による、「ホテルニューハンプシャー」。この世でもっとも卑劣な犯罪に関する物語。ただしミステリではない。

突然、このレビューを書こうと思ったのは、ネットを漂流して、「底が浅い」「犯罪を軽々しく扱っている」「…

古代から現代、丸山真男、沢庵、レヴィ・ストロース、落語、漫画、武道と武士道…。さまざまな分野を縦横無尽に行き来しながら、「辺境」というネタで日本人論を展開。ためにはならないが、抜群に面白い。

ひたすらテンポよく、高校３年間の陸上競技生活が展開し、そこの部分もエキサイティングなんだけど、主人公の高校生らしい不器用さとか真面目さが気に入りました。