ハリネズミ・モンテカルロ食人記・森の中の林




“東北ルネサンス”を代表する中国若手作家の注目作。その不思議な魅力と読後の余韻を感じる秀作
“東北ルネサンス”という言葉があるのをご存知だろうか。 私がこの言葉を知ったのは、第11回日本…

本が好き! 1級
書評数:927 件
得票数:17352 票
プロフィール写真変更してみました(2016/11/03)




“東北ルネサンス”を代表する中国若手作家の注目作。その不思議な魅力と読後の余韻を感じる秀作
“東北ルネサンス”という言葉があるのをご存知だろうか。 私がこの言葉を知ったのは、第11回日本…




嫌悪を誘うオリヴァーの存在が、最後になって不思議な安堵感を生み出している
読んでいる間ずっと緊張が途切れない、圧倒的なスリルに満ちたサスペンス小説。それが、本書「夜明けまでに…



混沌とするスリランカを舞台に皮肉屋の亡霊が紡ぐユーモアと幻想の物語
スリランカといえば紅茶がパッと思い浮かぶ。インドのとなりに浮かぶ島国で、なんとなく平和そうな、南国の…




ロシア、アラスカ、フィンランド。時代を超え、場所を変えて展開する物語。絶滅したステラーカイギュウを軸に描かれるフィンランド文学の注目作
現在、世界にはおよそ158万種の動物がいる。そのうち、絶滅の危機にあるとされる動物種の数はおよそ4万…





私たちが生きる現実世界とこの物語に描かれる世界。本当に別物と言い切れるだろうか?
読み終わって、精神的にキツイ小説だと思った。どうしたらこんな小説世界を考え出せるのだろう。読んでいる…



残された写真から想像力で写真家の人生を紡ぎ出す。物言わぬ写真と作家の語りが交錯する物語
中学校の校舎には暗室があった。1階の階段下にある物置のような窓のない部屋が暗室として使われていて、1…


悲劇の中に浮かぶ微かな希望、それは救いだったのか
2025年上半期第173回直木賞は『該当作なし』という結果になった。同じく選考が行われた芥川賞も『該…





「読みやすさ」の裏側にある努力と工夫――翻訳って、ほんとうにすごい仕事だ!
『失われたスクラップブック』を読み終えて、「確かにこれは翻訳大賞だ」と感じた。 私が本書を読み…





熟した柿が自然に落ちるように、いつか時期が来て幸せになってほしい。読みながら苦しくなり、読み終えてそう思わずにいられない。
読んでいて苦しくなるような作品があります。登場人物の境遇や物語の中で起きる事件、そういったことのひと…





「どうしても直木賞が欲しい!」作家と編集者の歪んだ執念がもたらす衝撃の展開
出版不況と言われ続ける中で年2回のお祭りとも言えるのが芥川賞、直木賞です。2025年1月に発表された…



それぞれの関心領域の中で繰り広げられる物語
1945年1月27日、ポーランドに進軍したソ連軍によってアウシュヴィッツ強制収容所は解放されました。…



ペットを飼うことはその命に責任をもつこと。終生飼育で殺処分ゼロを実現したい。
環境省が公表している「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」という統計資料によれば、2…



“中国のスティーヴン・キング”と称される作家によるゴーストストーリー。託された木匣と幽霊客桟に蠢く謎とは?
スティーヴン・キングは世界中にいます。 スティーヴン・キングといえば言わずとしれたホラー小説の…



近しい者を失うこと。親しき者を失うこと。その喪失の悲しみは深く胸に刻まれる。
シーグリッド・ヌーネス「友だち」に描かれるのは“喪失”です。主人公である女性作家の一人称で紡がれるの…




説明不能な本。次々と本筋を外れていくストーリー。いや、そもそも本筋なんてないのだ
いろいろな本を読んでくると、時に奇妙としか言いようのない作品にあたることがあります。最後の最後まで読…




圧倒的迫力のストーリーと魅力に溢れた個性的な登場人物たち。最後までワクワクとドキドキとハラハラが止まらない!
前巻「両京十五日Ⅰ 凶兆」のラストで呉定縁を梁興甫に連れ去られて離れ離れになってしまった朱瞻基一行。…




南京から北京まで1000キロ。次々と襲いかかる試練に打ち勝って北平を目指す決死の旅路を描く大迫力冒険小説
毎年年末になると様々なジャンルでその年のベストテンが発表されます。文学の世界では、ミステリー小説に関…




過去の忌まわしき歴史を題材に静かに刻まれる物語
2024年のノーベル文学賞は、韓国の女性作家ハン・ガン氏が受賞しました。韓国人作家として初の受賞であ…



事実を冷静に淡々と描くことで浮かび上がってくる真実の物語
中東情勢の不安定さにはいくつかの要因がありますが、イスラエルの存在がそのひとつであることは間違いない…



富士山の噴火が人々に与えた爪痕と再生への道。災害がもたらす人間の本質を描く時代小説
日本が世界に誇る名峰富士山。年間20万人以上の登山客が訪れるこの山は、1707年(宝永4年)に大規模…