刑事のまなざし




短編ながらも、思わず唸りたくなるような『救いの無さ』は健在
「ぼくにとって捜査はいつも苦しいものです」―通り魔によって幼い娘を植物状態にされた夏目は法務技官の…

本が好き! 1級
書評数:133 件
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新刊の文庫小説を中心に書評を書いています。ネタばれは少なめです。ブログもよろしくお願いします。




短編ながらも、思わず唸りたくなるような『救いの無さ』は健在
「ぼくにとって捜査はいつも苦しいものです」―通り魔によって幼い娘を植物状態にされた夏目は法務技官の…



小柄な人物が大柄な人物を肩車しているのを見ているようで…
父の遺骸を前にして泣く自分に「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った幼い少年の姿。作法も知らぬまま、ただ…


平凡なわりに後味だけは悪い
無職の夫・引きこもりの息子・反抗的な娘…ホームヘルパーと家事の両立で身を粉にし、日々の生活に疲れ切…




希望とその三倍の絶望 ※上下巻の感想です。
三つの町が合併してでできた人口12万人のゆめの市。古くからある商店街はさびれ、国道沿いの大型商業施…




愛すべきバカファミリー
恋の気配すらない息子に業を煮やし、親同士のお見合いセミナーに参加した父。親族達も巻き込んで、息子と…

『告白』>『少女』>『贖罪』
誇るべきところは空気のきれいさ、そんな穏やかな田舎町で起きた惨たらしい美少女殺人事件。犯人と目され…





何気ない一コマにも自然と涙が溢れる良作(上・下巻の感想です)
天はその村の傍らに大きな川を与えた。しかし、大河を流れる水は一滴も――。嘆きの声すら掻き消す水流。…





単細胞の美学がそこに…
明治初期、琉球王朝の末裔として生まれた本部朝基は、王家に伝わる武術、手の実戦修行を繰り返していた。…



20年後にまた読みたい…
かつて小説家の緑川未来男は、愛人の存在に嫉妬した妻の狂乱を『無垢人』という小説で赤裸々に書いた。そ…



女子高生×超絶バイオレンス
親友であったはずの遥が自殺した。私達がお金をたかっていたせいなのか…??周囲の冷たい視線に晒されな…


過剰な演出がことごとくマイナスに作用
斜視を理由に『ロンパリ』というあだ名を付けられ、執拗ないじめを受ける僕。ある日、筆箱に「わたしたち…



凄いことが描かれている一方で…
2033年、宇宙船DAWNは、有人宇宙船として人類史上初めて火星に降り立つ。医師である佐野明日人(…



BL(ボーイズラブ)要素満載のスパイ小説!?
在日米軍情報部の下請け情報機関に所属するアナリスト・葉山隆。本部からの指令で、親北朝鮮派の元国際政…



興味深いテーマですが、押さえるべき所が押さえられていないので…。
ハネムーンから戻るなり、“さよなら”を決めた二人。けれど、結婚仲介を行うPM社の相性判定で『特A』…




期待していたモノとは全く別種の感動がある作品です。
夜勤から戻ったキャットは、自宅のあるアパートメントの中庭で暴漢に襲われる。幾多の住人が犯行の模様を…


二昔前のRPGゲームのような作品です。
「日本のどこかに、誰も知らない廃線跡がある。それを最初から最後までたどると、ある奇跡が起こる」…奥…



主人公・母親・助手…シリーズ化して、この三人のキャラクターは是非とも活かして欲しい。
ミミズの研究一筋に生きて四十数年、女性とは全く縁のなかった柿本書彦が出会った美女・中山紗十子。東京…





女性同士の複雑な心情……その静かな迫力に圧倒されます。
"30歳"という岐路の年齢に立つ、幼馴染のみずほとチエミ。年齢を追うごとに、疎遠になっていった二人…



いくらなんでも、『訪問者』が多過ぎて…
山中にひっそりとたたずむ古い洋館-。三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館…




読む者の『怖いもの見たさ』を存分に刺激してくれる作品です。
嵐の夜に多摩川べりで出逢った男は、私と妻を相手に、長い奇妙な打ち明け話を始めた。エロ同人誌を販売す…