言葉にして伝える技術――ソムリエの表現力(祥伝社新書214)

田崎の本は5冊ぐらいは読んでいるはずだが、本書は文章もいいし、主張もはっきりしている。薄い新書だが、私の読んだうちでは最高作だ。
まず田崎は、一般食品についてグルメレポーターがよく使う表現、たとえば「肉汁がじゅわっと広がる」「プリ…
本が好き! 1級
書評数:608 件
得票数:3207 票
基本的にベストセラー以外は、なんでも読む雑読派です。活字中毒ですが、最近はアルツ気味で、忘れないようにブログにメモしています。

田崎の本は5冊ぐらいは読んでいるはずだが、本書は文章もいいし、主張もはっきりしている。薄い新書だが、私の読んだうちでは最高作だ。
まず田崎は、一般食品についてグルメレポーターがよく使う表現、たとえば「肉汁がじゅわっと広がる」「プリ…

いまどき明治維新史など研究して何になるのか?
かつて私は三谷の明治維新論を読んだとき、科学の「複雑系」で説明しているのに当惑したことがある。なにか…

晩年の加藤周一の日本の大学での最終講義を中心に、いままでとりあげたことがないマルキシズムやウェーバー、分析哲学などが、じつにユーモラスな語り口でわかりやすく語られる。
さて私は最近、いままで書いたことがないほどの長さの文章を書いた。 自称「睡眠の達人」である私が…

モームは、かっては大学受験英語副読本の筆頭だったが、いまはあまり話題にされない作家だ。
本書はしかし開高健、塩野七生らの推薦がある。それが活きのいい新訳で蘇った。 なにしろ登場人物がマキ…

なんともツッコミどころ満載の小説である。
設定は20XX年の日本。第111代総理大臣になったのが、才色兼備の初の女性だというもの。 一体…

フィレンツェ史の碩学による、いわゆるミクロヒストリー。公証人登記簿やカタストという納税申告書などの地味な解読から掘り起こした庶民の実態。
15世紀フィレンツェ社会での結婚制度は家同士の結び付きの為であり、持参金が重要だった。女性の権利は無…

久しぶりに手にした堅牢豪華な表紙の本。内容は中級者向けの感じだが、最新の知見を取り入れて分かり易く書かれている。500頁だが長さを感じない。
最近の美術史の特徴は社会史との融合である。本書は15世紀フィレンツェ芸術とパトロンとの関係だ。もちろ…

今回再読して、改めて数ある塩野の作品の中でも最高作ではないかと思った。
マキアヴェッリへの共感がほとばしりでて、全文が激流のごとく流れる。500ページ近くなのにもかかわらず…


わが国では「オリーブも含めて」で一部の話題をさらった作者の2ツ目の紹介作。イタリア・コモ湖の近くの田舎町が舞台。時代は戦後まもなくだ。
この町は実在し、いま人口は3000人ほどらしい。当時もそんなに変わらなかったのではないか。 作者は…

幕末の歴史本や小説は、あまたある。何が起こったかは知ってるつもりだ。しかし何故起こったかについては、単純明快な説明は、あまり聞かない。
歴史家の中には、複雑系で説明している人もいる。が、井沢は実に単純で分かりやすい。キーワードは、技術革…

筆者夫婦は、フィレンツェ在住20〜30年。大学で日本語を教えている。あたかも郷土史家のようにフィレンツェに詳しい。
街の石壁に残るラテン語の碑文を読み解いて往時を偲ぶ。文学や歴史書に言及して、薀蓄を披瀝してくれる。 …

NHKTVは、1991年、フィレンツェ•ルネサンスを特集している。このとき刊行されたのが全6巻、本書はその第1巻である。
当初、取材班は、ジオットは取り上げないつもりだったらしい。しかし現地イタリア人に、それではダメだと説…

「レオナルドについては、まだまだ語られぬことが多いのである。」本書のあとがきは、この一文で閉じられる。
モナリザのモデルは、商人の妻ではなく、マントヴァ侯爵夫人イザベラ・デステであった。何故なら、レオナル…

「罪のスガタ」の作者が書いた本。原題は「キルギシアからの手紙」。
キルギシアは、アジアにある小さな国。人びとは幸せそうに暮らしている。ブータンじゃないの?いや、もっと…



現代イタリアの短編3ッ。作者は別々に発表した。訳者がまとめて「罪のスガタ」と名づけたもの。
宣伝文句には「イタリアの『罪と罰』」とある。そうかもしれないが、内容はドストエフスキーではない。分か…

四方田の著作は120冊くらいあるという
私はほとんどを読んだつもりだが、驚くべきは、ちょっと油断しているとすぐ新刊が4、5冊現れることだ。最…

わずか2km四方の街中に、絢爛豪華百花繚乱の芸術品を満載しているフィレンツェの魅力。
著者は、まず石材から説明する。灰色がかった黄褐色のピエトラ・フォルテは外壁に。青みがかった明るいグレ…

澁澤龍彦は、4回渡欧している。1970年42歳のときが最初。そのときは三島由紀夫が見送りに来ている。三島の「サド公爵夫人」は澁澤の本に基づくものだ。その年、三島は自決している。
2回目の旅行は74年、3回目は77年、最後が81年53歳のときだ。旅の写真と文章の抜粋が入ったのが本…

「とんぼの本」シリーズは、写真、本の薄さ、が良い。
この巻では、ラヴェンナ、ヴァラッロ、アオスタ、ミラノ、ヴェネツィアが取り上げられているが、中村好文の…

自称ものぐさ精神分析学者の世界史論。日本も含めて世界に蔓延る欧米中心主義への反論である。
たとえば、いまだに世界史の教科書の古代のところには、アーリア人のインドへの侵出、という記述があるらし…