すべての、白いものたちの
生と死のあわいの白きひかりを詠う、物語でなく散文詩。 丁寧につくられた特別な本で、日本翻訳大賞の最終候補に残ったのも頷ける。
手にしてまず気づくのは、本文に使われている紙が、5種類の白であること。 32ページ、48ページ、3…
本が好き! 1級
書評数:791 件
得票数:12258 票
小学校時代は図書室に入り浸って子供向け全集を読破したり、本の続きが気になってランドセルを背負ったまま読みながら歩く子どもでした。小遣いでポプラ社のルパンを全巻揃えていたので、本屋の店頭で280円が380円になっていたときは大ショックでした。
中高時代は親に貰った昼食代で文庫を買ってしまい、昼食を摂らずに読んでいたことも・・・当時の愛読書はG・K・チェスタトンと「銀の匙」。
大学進学後は生身の人間の方が面白くなり読書量は減りましたが、30すぎてからまたぼちぼち読むようになりました。
出産を機に哲学の古典をソクラテス以前から読んでみたり(途中であえなく挫折)、シェイクスピア全集を読破したりしました(もちろん日本語)。
長距離電車に乗るのに本を持っていないと耐えられない体質でしたが、最近は年をとったのか、パズルでも大丈夫になってしまいました。
息子たちも本を語れる年になってきました。
息子らはアクションが好きなのですが、私は結局のところ、北村薫やら宮部みゆきの方が落ち着きます。
生と死のあわいの白きひかりを詠う、物語でなく散文詩。 丁寧につくられた特別な本で、日本翻訳大賞の最終候補に残ったのも頷ける。
手にしてまず気づくのは、本文に使われている紙が、5種類の白であること。 32ページ、48ページ、3…
台湾の言葉では、自転車は「孔明車」か「鐵馬」と言う。 人生の節目に失った自転車を通して、主人公は家族の歴史に、戦争の歴史に出会う。 第5回日本翻訳大賞最終候補作。 この作者&訳者の次作を読めないのは残念。
何台の自転車が盗まれ、何人の父親が失踪したのだろう。 1905年に生まれた母方の祖父。 字の…
「嫁いでみたアラブの国の不思議体験」という副題どおり。 なみへいのイラストがかわいい。 カヴァーの上に3分の2程の丈の帯が重ねてあり、めくるとアッバーヤとスカーフの下の素顔と普段着が出てくる。
1967年埼玉県生まれの日本女性が高校卒業後に留学したアメリカでサウジアラビア人と知り合った。幾多の…
アメリカの研究者がルイス・キャロルとその生涯を描く。 ドジソン(キャロル)の撮影した写真や、本の挿絵などを中心にふんだんに図版が使われており、 1冊で概要を知るには最適。
原題を直訳すると「不思議の国のルイス・キャロル~アリスとその作者の生涯と時代」 1898年に亡…
横浜に縁や関心のある読者なら楽しめる軽いエンターテイメント。 縁もゆかりもない方が読んでどこまで面白いかは少し疑問。 横浜に転勤が決まったが土地鑑がないのでどこに住もうか、という方はご参考にどうぞ。
東京23区は都民以外にも知られているようですが、政令指定都市横浜にはいくつの区があるか、市民以外でご…
在京テレビ局記者といういじめ被害者の父による匿名の体験記。 極端に非常識な当事者や、特別非常識な対処はなくても、これだけ深く傷ついてしまう子もいるという実例。 いじめ問題を考える端緒に。
筆者は在京テレビ局の記者であり、我が子がいじめにあった体験を広く共有すべく、匿名で本書を書いたとのこ…
KGB方式で記憶力を訓練せよ! ロシアで諜報部員の養成に使用されている演習で、情報処理を学ぶ本。
真面目に取り組んでいくと時間がかかりそうで、途中で諦めてとりあえず通読に切り替えてしまいました。 …
ルイス・キャロルによる、あの訳のわからない不思議な詩が、 今度は戯曲になっちゃった。 それも手掛けるのはあのミヒャエル・エンデ。 キャロルとドジソンのシャム双生児まで登場だ。
スナークっていったい何なのか ルイス・キャロルのあの不思議なナンセンス詩を あのミヒャエル・エン…
1876年4月1日に世に出た、ルイス・キャロルの問題作を、 トーベ・ヤンソンの挿し絵と穂村弘の訳でお楽しみください。
同じ船に乗り組んで、 「スナーク」 なるものを捕まえに行くのは、 Bで始まる職業の男たちと、 …
美術、英語のスキルを武器にどこでも適応できる柔軟な著者と、写真や文の才はあってもプライドや思い込みに縛られた夫のパートナーシップ。息子ラフルは1976生。たくましい日本女性の生き方。#彩流社祭
メンタリティにおいて日本とは対極にあるインド亜大陸でこんな自然体で生きられたら、世の中に怖いものはな…
引き込まれて一気読み。 主人公たちと同じ中学生やその前後の年齢層に読まれることを想定した読みやすい本だが内容は深い。 子ども騙しでない、ほんものの児童文学、つまりは大人が真摯に読んで裏切られない本だ。
主人公は公立中学校3年のクラスで出会った二人、山之内和真と佐野樹希。 和真は医師の息子。塾で必死に…
挿絵がトーベ・ヤンソンで、翻訳が村山由佳。 アリス好きのあなたに贈るもうひとつのアリス。
挿絵がトーベ・ヤンソンで、翻訳が村山由佳。 あなたのご存じのアリスとは、ちょっと感じが違うと思…
メメントモリ 死を想え 死すべき身のいのちを意識することで、より良く生きよ
2月10日後輩の訃報に接し、13日通夜に行く。 14日同期の逝去を知り、17日告別式に赴く。 2…
イギリスはヴィクトリア時代への旅はいかが? ビジュアル重視のオールカラーで、アリス好きイギリス文学好きはもちろん、その文化に関心のある方に楽しい本。 アリスがここまで時代の子だったとはねえ。
ヴィクトリア時代ってどんな時代だったかと聞かれたら、何を説明すればよいでしょう。 本書の最初に置か…
戦争に負けたり、力の弱い少数派なら、故郷を追われたり、誘拐されて奴隷扱いされても仕方ない?女が男に従うのは当たり前? いいえ、自分には関係ないと目をつぶることは、暴力を奮う側を応援することになります。
クルド人の中でも少数派ヤズィディ教徒の村。 ISISの抹殺対象にされ襲撃された。 当時21才の学…
死刑囚監獄にいる者たちを自分とは違う種類の生き物のように上から目線で見て、好奇心を向けてきた読者は、最後に気づく。自分もまた死刑を宣告された身であることに。 #はじめての海外文学
下巻は ドラクロアの悲惨な死 夜の果てへの旅 闇の彼方へ 殺人を隠すため放火して、さらに…
スティーブン・キングの名作。6分冊で公刊され、合本になり、映画化もされた作品を読みやすい上下巻で初めて読んだ。 #はじめての海外文学
ディケンズばりに分冊で刊行された作品。 日本語訳も1997年に分冊刊行され、その後加筆再編された1…
ただより高いものはないって、大人のあなたならわかってますよね。 え、自分も引っかかりそうだって? コミカルだけど、とても教訓的な児童書です。 #はじめての海外文学
いたずらずきのティエリーが、自分の誕生日の数字を押して電話してみた先は、「なんでもただ会社」。 会…
圧倒されるのは70年前の性と暴力の過激な描写にか、 それとも70年経ってなお根強い黒人差別自体にか。 アメリカの黒人作家の作品の翻訳と称して、フランスのジャズ・トランペット吹きが発表した衝撃作。
弟は黒人でありながら白人と恋をしたために殺された。 白い肌の俺は復讐を誓い、田舎町の白人社会で良家…
ルビ付きで背伸びして読める。 「話上手」に出てくる若者のように、サキは教訓話をせせら笑い、暴力や仕返しを後押しし、陰で舌を出す。 良い子は読んではいけない。嵌まると本好きになっちゃう。#はじめての海外文学
子ども向けに編集したサキ。 子どもや動物の登場するものが多い。 ルビ付きでかなり背伸びして読むこ…