そして〈彼〉は〈彼女〉になった 安冨教授と困った仲間たち(集英社インターナショナル)
自分らしく生きることを許さない家族に縛られ続けた長い闇を抜けて、戦友となった二人を描くコミック。家庭は本当に千差万別でワンパターン。闇が深いですね。
きわめて個人的な感想なので、不愉快な方はスルーしてください。 頼りになるかは別として意…
本が好き! 1級
書評数:791 件
得票数:12258 票
小学校時代は図書室に入り浸って子供向け全集を読破したり、本の続きが気になってランドセルを背負ったまま読みながら歩く子どもでした。小遣いでポプラ社のルパンを全巻揃えていたので、本屋の店頭で280円が380円になっていたときは大ショックでした。
中高時代は親に貰った昼食代で文庫を買ってしまい、昼食を摂らずに読んでいたことも・・・当時の愛読書はG・K・チェスタトンと「銀の匙」。
大学進学後は生身の人間の方が面白くなり読書量は減りましたが、30すぎてからまたぼちぼち読むようになりました。
出産を機に哲学の古典をソクラテス以前から読んでみたり(途中であえなく挫折)、シェイクスピア全集を読破したりしました(もちろん日本語)。
長距離電車に乗るのに本を持っていないと耐えられない体質でしたが、最近は年をとったのか、パズルでも大丈夫になってしまいました。
息子たちも本を語れる年になってきました。
息子らはアクションが好きなのですが、私は結局のところ、北村薫やら宮部みゆきの方が落ち着きます。
自分らしく生きることを許さない家族に縛られ続けた長い闇を抜けて、戦友となった二人を描くコミック。家庭は本当に千差万別でワンパターン。闇が深いですね。
きわめて個人的な感想なので、不愉快な方はスルーしてください。 頼りになるかは別として意…
気象観測官が極地の孤島で出会うのは、神か悪魔か。 他者との相互理解とは。そして自我とは。 カタルーニャ地方もカタルーニャ人も登場しないカタルーニャ文学。
”私が大英帝国という全能の化け物に立ち向かったのは、よく似た小型の化け物を後釜に据えるためではなかっ…
他からの評価を気にし、自分など毛虫だと自認する乙女には、恋に目覚めて羽搏いている蝶としての魅力も、恋多き男と一時舞った後ピン止めされ捨てられる未来も、見えているようで見えていない。
どちらかといえば聞き役、家族関係は良好だけど、タイミングは悪いかも。 でも他の要素はない自分って最…
実は初めて読んだ。 元は30年近く前の本だと思うが、新鮮に読めた。 最近読んだ「惨憺たる光」とどこか通じるものがある。
キッチン 私桜井みかげは両親が若死にし祖父母に育てられた大学生だが、祖母の死で天涯孤独となる。祖母…
格好悪く、しぶとい主人公の、なんとも忙しい四日間。 なぜこれを読み損ねていたのだろう。 これは楽しい。続きも読まなければ(あと5冊あります)。
ロンドンから70マイル離れた田舎町デントンで、仕事中毒で下品で書類仕事の苦手な主人公ジャック・フロス…
故郷にいたとしても、人は孤独な異邦人だ。 愛する者の死や、望まなかった別れに傷つきながら、生きてゆく。 過去を悔い、傷を抱いて生きる一人一人に心を寄せ、読者は自分でも忘れていた自分とふと出会う。
短編が十。それぞれ題名の後に本文の一節が引かれている。 主人公は男も女もいるが、皆まだ若く、作者の…
自分の記憶や意識は連続しているのに、毎朝違う宿主の身体で目覚める16歳のA。 人種や性別や年齢や集団内での立ち位置などの属性を超えた自分の本質とはいったい何なのか。 そんなAの恋の行方は?
自分の記憶や意識は連続しているのに、毎朝違う宿主の身体で目覚める16歳のA。 ジャスティンという男…
モンスターとは、理解を超えた他者。もうひとりの自分。見果てぬ夢。隙間に入り込んだ影。 無名の作家を中心に、無名の編者が小さな出版元から出したアンソロジー。 アメリカっぽいです。 #はじめての海外文学
無名の作家を中心に、無名の編者が小さな出版元から出したアンソロジー。 テーマはモンスター。 あな…
エピソード記憶のみによる二〇世紀ヨーロッパ史とでもいうべき奇書。 書いたのはチェコの作家。
エピソード記憶のみによる二〇世紀ヨーロッパ史とでもいうべき奇書。 書いたのはチェコの作家。 …
あのハチャメチャなジジイ、ミスター20世紀ともいうべき迷惑野郎、アラン・カールソンが帰ってきた。 それも黒いタブレットを手にして!!もっと迷惑な野郎どもをぶっ飛ばし、世界を救うのか??
ここまでやり切ればかえって文句を言われないレベルのぶっとんだセンスのドタバタ歴史改変小説、 窓か…
私もそう思っていた、私もそれが言いたかった、どうしてそれがわかるのだろう。 読者はみな、どこかしらでそう思うのではないか。 自分の殻の中に隠れ忘れられたかつての自分を、詩人の言葉は呼び起こす。
ボルヘスからカルヴィーノまで9人のオマージュを掲げ、 詩や散文、書簡等(異名によるもの含む)からの…
♪されば~みな~との~数多~かれど~ このよ~こはまに~まさるあらめや~ (森林太郎作詞 横浜市歌より) 亡国のカジノは絶対お断り。
前作 横浜大戦争 は地元書店では売れていたようで、文庫化されるとの噂も。 市内18区それぞ…
弱い人間にこそ神は呼びかけるはず・・・ 「沈黙」で有名な遠藤周作の講演録。 自著について、海外文学の中のキリスト教について、率直に語る。
弱い人間にこそ神は呼びかけるはず・・・ 2017年の本。なぜ20年も前に亡くなった遠藤周作の講…
ヒロインのイノセントは無垢というより無知、無自覚、無防備。 ここで裁かれているのは彼女ではなく、読者(一般人、傍観者)の想像力と人間理解の貧しさだ。
誰か一人でも、自分の存在を絶対的に肯定してくれる相手がいれば、人は生きるための最低限の活力、生命力を…
物理的には重いのだが、内容は軽快な金融ブラックコメディー。大河小説ではない。 勢いに乗って読み飛ばせ!
本文だけで870頁ほど、登場人物一覧が8頁、訳註が30頁はあるから、物理的には大変重い。 通勤電車…
新しい記憶を保持できない前向性健忘症の17歳が、本当に自分を探す物語。 イギリスのコーンウォールからノルウェーのスヴァールバル諸島へ。 景色がきれいでシロクマを見た気になる。 #はじめての海外文学
主人公のフローラは、前向性健忘症の17歳。 小川洋子の『博士の愛した数式』の博士と同じ、新しい記憶…
150頁ほどの作品だが、重いので、覚悟されたい。 「先住民虐殺によってもたらされる苦痛と恐怖を味わうためには、虐殺の当事者や証人である必要はない。」とは作者の言葉。
本文中には明記されていないが、題材はグアテマラ内戦(1961~96)中の先住マヤ民族に対する虐殺から…
64人もの作家、翻訳家、漫画家、芸人らが、とっさに出てしまう方言を通して、生まれ育った土地や思い出の地への郷愁を語る。地方ごとに幕間に方言学者、社会言語学者の篠崎晃一解説。
64人もの作家、翻訳家、漫画家、芸人らが、とっさに出てしまう方言を通して、生まれ育った土地や思い出の…
男の妄想の中の女カタログか? 男の身勝手を絵に描いたようで、女性読者としては愉快ではない。
「女がいる。」に始まる断章が97続く。 僕を愛している。・・・ 僕を憎んでいる。・・・ な…
ここは20世紀末のアメリカだ。 俺はクスリをやってラリってるド阿呆だ。 酒やセックスや暴力は日常だ。 何か文句あるか。
ここは20世紀末のアメリカだ。 俺はクスリをやってラリってるド阿呆だ。 酒やセックスや暴力は日常…