傍聞き




誰かが誰かを思う気持ちは、行き違い、行ったり来たりして、そして時たまストンと胸に落ちる。
「迷い箱」「899」「傍聞き」「迷走」の4作。 私が知らないだけかもしれないけれど、そしてもの…

本が好き! 1級
書評数:253 件
得票数:704 票
約2年間、ありがとうございました。
ズレが大きくなってしまったので、ひとまず退会いたします。
献本に55冊応募して、いただいたのは9冊。ご参考まで。
またどこかでお会いしましたら、よろしくお願いします。




誰かが誰かを思う気持ちは、行き違い、行ったり来たりして、そして時たまストンと胸に落ちる。
「迷い箱」「899」「傍聞き」「迷走」の4作。 私が知らないだけかもしれないけれど、そしてもの…




日々の中で、拾ってもらいたい気持ち、拾ってもらいたい思いやり、が、そっと掬いあげられます。
「陽だまりの偽り」「淡い青のなかに」「プレイヤー」「写心」「重い扉が」の5編。 物忘れがひどく…




これはまた豊穣な。どれもいずれ劣らぬ競演。
講談社文庫の日本推理作家協会編のアンソロジーって実は結構出ているけれど、え、いつの間に出ていたの…と…



![クロワッサン 2011年 11/25号 [雑誌]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51BuybCNI%2BL._SL160_.jpg)
まるさん、まこさん、モアレさん…。有名人(猫)がたくさん。でも、みんな心の奥底では、そうは言ってもやっぱり自分ちのが一番可愛い!と思いながら見てるんだろうな。ウムウム、それでいいのです。



こんなにも、力に溢れる「四季」。一つの調べには、悲しさも激しさも歓びもある、ということ。
子どものころから父親にヴァイオリンを教わり、作曲もするようになり、司祭になったアントニオ・ヴィヴァル…



「ちび、でぶ、禿げで、頭はいい」マイケルは、5人目の妻に今にも逃げられようとしている。この理屈っぽさがツボなんだよなあ、と読み進めていくうちに、次第にイギリス小説的風刺がぴりぴりと刺してくる。




思い出されない記憶は、どこへ行くのだろう。物語は静かに、人と、自然と、記憶とを巡る。
静かだ。 「シェル・コレクター」のアンソニー・ドーアの静かな短篇集。記憶を巡る6編。 「メモリー…





誰もが持っている、ただそこにあるというだけの孤独。
「人生のちょっとした煩い」「最後の瞬間のすごく大きな変化」(グレイス・ペリー/文藝春秋) 「ベンジ…




少女たちは、子どもと大人の間の小さな隙間にいる。
まあどの小説でもそうだけれど、これは特に、誰に気持ちを移入して読むかで、見えてくるものは違ってくるだ…



テレビゲーム、テレビヒーロー、アニメなどの変遷を丁寧に分析。でも、成長しなくてもいい、とは、とても思えないのだけれど。
テレビゲーム、テレビヒーロー、アニメ(男の子編)、アニメ(女の子編)、世界名作劇場、マンガ、児童文学…



猫や、猫本への愛情たっぷり。
書評、或いはブックガイドとしてはいささか難あり。 なぜなら、引用が多めであることと、あまりにも、猫…



ビッグ・ブラザーからリトル・ピープルへ。虚構の時代から拡張現実の時代へ。村上春樹と、ヒーローのことと、東日本大震災のこと。
論なので、好きも嫌いもない。フムフムなるほどね、そう分析するわけね、それもアリだよね、と頷いたり、う…




普段は人と口もきけないほどの人見知りなのに、本のこととなると、目が輝き饒舌になって、本への愛が炸裂する栞子さん。深まっていくのは、本の謎というより。。。
北鎌倉、古書店、古本に秘められた謎、若く美しい店主…と、お膳立てはばっちり。 しかもこの店主、普段…




子どもに寄り添う14編。こんなことがあったような、なかったような。残酷で真っ直ぐでそれでいて心細そうな瞳が、見つめ返してくるような。





あげられているもの、全て読みたい。読書に(いえ、ジンセイに?)疲れたり迷ったり煮詰まったりしたら立ち戻りたい、大事な1冊が出来ました。
非売品だった小冊子「岩波少年文庫の50冊」(宮崎駿・選)を元にまとめた第一部と、3月の震災の前と後の…




人よりちょっと先へ行っていて、ジャンクでおしゃれで、なにがなんだかわからないけど面白そうで。J・Jおじさんのような人は、きっともう現れないんだろうなあ。
ニューヨークへ行けば、たぶん大抵の人には価値のわからないものに(奥様曰く)「家が買えてしまうほど」散…




ミステリに「密室」は欠かせない。「不動産のチラシに間取りが描いてあると、中に死体の絵を描いてしまう癖」って、ミステリ作家はどれだけ密室好きなの?!
本格ミステリの有栖川有栖さんと、建築家でありミステリファンの安井俊夫さんが、ミステリ作家と建築家の立…




この始まりには、どの終わり? ロダーリが3つの結末を用意する。自分だったらどれを選ぶか、ロダーリはどうしてそれを選んだのか…お話を作る楽しみの一片を味わえます。
グリム童話やピノッキオなど、あれ?これどこかで?というモチーフをロダーリがアレンジした入り口が用意さ…





1993年の「神様」には出てくるのに、「神様2011」には出てこないもの。逆に「神様」にはなかったのに、「神様2011」にはあるもの。「くま」も「神様」も、変わらないのにね。
怒っているのだな、ということがわかる。川上弘美は、怒って、怒りながらこれを書いたのだな。 だって、…




やっぱり、文字の向こうに絵が、漫画が見えてくる。「世界観」なんて言葉がまだ一般にお目見えしていない頃から、この人は自分だけの世界を作っていたのだ、と再認識させられる。
思えば、この人の場合、見えるのは常に後ろ姿だったよう気がする。 ラブコメ全盛の少女漫画界にあっ…