フランスには、なぜ恋愛スキャンダルがないのか?
隠し子の存在をスッパぬかれた某大統領、記者に問いつめられて「いますよ。それが何か?」と答えたのはつとに有名ですが、 フランス人にとってすべての恋愛は芸術で、その潔さはお見事。恋愛ですけど、それが何か?
本が好き! 1級
書評数:253 件
得票数:704 票
約2年間、ありがとうございました。
ズレが大きくなってしまったので、ひとまず退会いたします。
献本に55冊応募して、いただいたのは9冊。ご参考まで。
またどこかでお会いしましたら、よろしくお願いします。
隠し子の存在をスッパぬかれた某大統領、記者に問いつめられて「いますよ。それが何か?」と答えたのはつとに有名ですが、 フランス人にとってすべての恋愛は芸術で、その潔さはお見事。恋愛ですけど、それが何か?
これほど「断崖」の似合う作家というのが、ほかにいるだろうか?断崖から飛び込み、断崖に痕跡を残し、断崖で心情を吐露し断崖で真相を明かし断崖で決意して、断崖で人生を取り戻す。。。「断崖作家」と呼びたい。
伝説も多い人だけれど、普通の偏屈じいさんっぽさも持ち合わせていて。何より、自分にとっての映画は、「どですかでん」のロクの電車と同じだ、と。 ロクの電車を持つ人生の、なんと幸福なことか。
時間がきちんと流れている。スローな、スローな小説である。スローでなければ描けないことがあるのだと思う。赤ん坊の密度のある重たさや、人と人との間に流れる空気のようなもの。
なんかへんだ、なんか妙だ、ここには絶対何か(誰か)がいる!と思っていた新明解国語辞典、やっぱり潜んでいたんだ。そんなことに誰が気づいて、誰が名前を与えてあげるだろう、「新解さん」などと。
和田誠、片岡義男、来生えつこ、渡辺貞夫、内藤陳、タモリなどなどに聞き込み。改めて植草さんの残したものの多さ、多彩さ、そして素晴らしき無駄さ?を実感。いやはや、こういうおじさんはもう現れないんだろうな。
期待と危惧と。変わりつつある「本」の形に、本を愛する人のほとんどが、その両方を感じているに違いない。でも、紙だろうが電子だろうが、出発点は「本が好き」ということ。
例えば、読み終えて、あれはどのへんに書いてあったっけなあ?ともう一度手にとってぱらぱらとめくってあた…
東京大森の小さな古本屋「山王書房」店主が綴る、作家さんたちとの交流、古本の話は愛情に溢れている。それにふさわしい布貼り装幀で、本は目で読むだけでなく、手で触って読むものだな、と思い出させてくれる。
うぐいす色の布貼りの表紙。 手渡してくれた書店主さんは、「汚れやすいからね、早く何かカバーをかけた…
ゴールを揺らす1点に、我を忘れて歓喜の雄叫びをあげたり、落胆して頭を抱えたり。そしてボールさえあれば、どこでもどうしても蹴りたくなるのは、きっと大人も子どももどこの国も一緒です。
ベンは犬が飼いたくて飼いたくて、でも犬はどうやっても手に入らない。思うようにならない現実を、それでも生きていかなくちゃならないのは、いつの時代も、オトナもコドモも同じだ。
存在するというただそれだけで、人は、誰かに何かを贈っているのだ、ということがとてもよくわかる。そして読み終わると、シナモンロールがとても食べたくなります。
古本屋の青年が主人公で、派手さも蘊蓄も啓蒙もない。でも本への知識と愛情はたっぷり。こういう小説が、あってよかった。
近頃の新刊書店ではあまり出会えないタイプの小説。 新刊台に積んであるのはどうしても、ストーリーのめ…
ありふれた日常とその寂寥感、と言ってしまえばそれまでかもしれないけれど、そんな中にもあるユーモアや皮肉っぽさが、今日的なのではないだろうか。
「失われた夢。燃え残った願い。21世紀のアメリカン・ショート・ストーリーズ」などという帯を目にすれば…
2匹の猫と、その飼い主である恋人たちの物語。ふくふくと温かくて、時々透明で。愛することは、やっぱりかなしいのだった。
女中小説(執事含む)のジャンルで、「日の名残り」と双璧をなす、いや越えたと言ってもいいかもしれない。女中という設定で最初から組み込み済みの切なさを、存分に噛み締められます。
それは「主」ではない「従」の人。 決して対等とは言えない、対等とはなりえない、あくまで従。光ではな…
透明感、清潔感、可憐。これらのお洋服や小物の素材を買った人縫った人、着て鏡にうつして見た人、お母さんや姉妹やお友だちにちょっと自慢した人、好きな人に見てもらいたかった人。 もういない。その朝から。
こんな時に見えてくる風景を、うつくしいと思ってはいけない。”帰れなくなってしまった人”の話。「リップ・ヴァン・ウィンクル」や「ウェークフィールドの妻」のような。
アラン・シリトーやカーソン・マッカラーズなど本のこと、長崎や諫早のこと、創作のこと、ネコのこと…「随筆」ってこういうものだったよね、と、随筆を読む至福を思い出します。
そう、誰にだって「黄色い本」があったと思う。 読んでるとすっかりその世界に吸い込まれてしまって、夢中で、一緒に生きている気持ちになってしまった本。そんな幸福な読書。
ただならない。「人質」である。「人質」の「朗読会」である。まったく小川洋子はただならない。どんな小さな、もの言わぬ人生にもお話は秘められていて、それをうやうやしく美しく宝石箱に収めてくれる。
「人質」は非日常である、異質である、全くただならない。 「朗読会」だけならまだしも、なぜ「人質の」…