子らと妻を骨にして――原爆でうばわれた幸せな家族の記憶




祖父の笑った顔は見たことがなかった。
平田周さんは、俳人である祖父・松尾あつゆきに、かわいがられた記憶がなく、祖父が笑った顔も見たことがな…

本が好き! 免許皆伝
書評数:1750 件
得票数:42235 票
いつまでも読み切れない沢山の本が手の届くところにありますように。
ただたのしみのために本を読める日々でありますように。




祖父の笑った顔は見たことがなかった。
平田周さんは、俳人である祖父・松尾あつゆきに、かわいがられた記憶がなく、祖父が笑った顔も見たことがな…




人を見誤りつづける。
古川ミチル。23歳。地方都市の書店に勤めている。 長く付き合っている恋人がいる。 どちらかと言え…




#棚マル だから、ジョン・グレイディは、親友のロリンズとともに、それぞれの愛馬に乗って家を出た。ハイウェイを越え、川を渡ってメキシコへ。
生まれたときから馬に親しんできたが、そういう風にではなくあたかもかりに不運と何者かの悪意によって馬…




ナイジェリアからアメリカに渡って13年めのイフェメルは今、ナイジェリアに帰ろうとしている。
イフェメルがナイジェリアからアメリカに渡って13年。 何度か、激しい恋をしたが、嘗ての恋人オビンゼ…




その気持ちよさそうな耳さわらせろ、肉球の匂いをかがせろ。
お江戸日本橋、長谷川町三光稲荷並びの三日月長屋にて、猫の手屋を営む近山宗太郎は、もともと直参旗本の嫡…





「きついよ、きらわれるって」
子を授ることは、限りない歓び。わが子は、ただただ愛おしい存在。 それは、改めて言うことが恥ずかしく…





23の体験を、ビナードさんの案内で聴く。
この本は、2015年4月~2016年3月に放送された文化放送「アーサー・ビナード『探しています』」の…




犬と人とが、単体の犬・人、ではなく、二人になったとき、何かが生まれる、何かが始まる。
ロス市警の警察犬隊に配属になったばかりのスコット・ジェイムズ巡査と、元・軍用犬、ジャーマンシェパード…





プラテーロは、ふわふわの毛のロバ。お月さまの銀の色をしている。
『プラテーロとわたし』は、小学生のころ、お世話になった先生にいただいた本でした。( 岩波文庫版『プラ…




三人の少女たちが、三人の魔法使いのように思えてくる。
『明るく輝かしい道のり――フローレンス・ナイチンゲールの一生』という本は、図書館司書の先生が「夏休み…




「政治が変わると社会がどう変わるかは、最も低い場所を見るとよくわかる」 著者は底辺(緊縮)託児所の保育士。
正直に言えば最初、ガキ、ガキって、その言葉が不快だと思ったのだ。上を向いて、きれいなお空を見上げて、…





ペーター・ヘルトリングさんが亡くなったとのこと。懐かしい本を久しぶりに手にとりました。
町はずれにあるこのホームは、行き場のない子どもたちが、「つぎのゆくさきがきまるまで、とりあえず入れら…




人が人でなくなっていくそのはじまりはいったいどこにあるのだろうか
フランス人の父と、ツチ族でルワンダ難民の母をもつギャビーは、ブルンジの首都ブジュンブラで育った。 …




この本の「すきま」から、与那国島のよい風が吹いてくる。気もちいいな。
「カディと暮らしはじめて、5年が経ちました。」 著者は、与那国島で、与那国馬のカディと暮らしている…





2012年の『八月の光』の短編三篇と、2015年の「あとかた」二編、そして、今、新たな物語を二つ加えて計七編のヒロシマの物語が『八月の光 失われた声に耳をすませて』として、刊行されました。
ヒロシマのむごい物語だけれど、この作品集は、りんと美しいのです。 どんな時代、どんな瞬間にも、もし…




一つの言語を身につけていくということは、確かに大冒険なのだ。
>私たちは小さいころにいつの間にか、日本語をいとも自然に身につけ、大人になった今は、立派に使いこな…




生まれてすぐ別れた父と、「わたし」は、二十歳の頃、「再会」する。別れ際に父が「わたし」にしたキスは、親子のキスではなかった――
生まれてすぐ別れた父と、「わたし」は、二十歳の頃、「再会」する。 別れ際に父が「わたし」にしたキス…





作者は、「人(あるいは生物)の身体は、細菌やらウィルスやらが、日々共生したり葛藤したりしている場である」ということから、「それって社会にも似ているなあ」と思ったそうだ。
作者は、「人(あるいは生物)の身体は、細菌やらウィルスやらが、日々共生したり葛藤したりしている場であ…




ハードボイルドなおとぎ話。
表題作を含めて5つの中・短編が収められた作品集です。 「不愛想に見えて、気配りのあるやさしいお…




南ポルトガルの小さな漁師町モンカラパーチョ。ここは、犬たちが多い。放し飼いにされた彼らは町じゅうを自由自在に闊歩し、町の人々に愛嬌を振りまき、そこここに危険な「落とし物」を置いていく。
青い空、おもちゃのような漁船が浮かぶ青い海。 太陽に照らされて輝く白い家並みの一日は、教会の鐘の音…