さようなら、オレンジ (単行本)




タイトルや表紙から、海外を舞台にしたほろ苦い恋愛小説を想像していたのだけれども、いい意味で裏切られた。
第150回芥川賞候補作。タイトルや表紙から、海外を舞台にしたほろ苦い恋愛小説を想像していたのだけれど…
本が好き! 1級
書評数:382 件
得票数:2900 票
村上主義者。




タイトルや表紙から、海外を舞台にしたほろ苦い恋愛小説を想像していたのだけれども、いい意味で裏切られた。
第150回芥川賞候補作。タイトルや表紙から、海外を舞台にしたほろ苦い恋愛小説を想像していたのだけれど…




「女流歌人の悲恋」と書くと甘いラブロマンスを想像してしまうけれども、そうした読者の期待は見事に打ち砕かれることとなる。
第150回直木賞受賞作。幕末から明治にかけて生きた女流歌人・中島歌子を主人公とした物語である。歌子が…




絵柄やギャグのセンスは鳥山明、ちょっとシリアスな場面には浦沢直樹の影響が見て取れる。女の子は士郎正宗か。つまり人気漫画家のいいとこどりをしているわけで、おそらくは器用なひとなのだろう。
中世ヨーロッパ風の世界を舞台にしたファンタジー。「七つの大罪」とはもともとはキリスト教からくる言葉だ…





何を書いてもネタバレになってしまうが、ひと言でいうならこれは「本」にまつわる話である。
何を書いてもネタバレになってしまうが、ひと言でいうならこれは「本」にまつわる話である。京極さんは常々…





ずいぶんと長い年月をかけて、細野不二彦は自分の作風というものを模索し続けてきたのだろうと思う。それが今『電波の城』という傑作につながっていることは間違いない。
細野不二彦である。僕らの世代にとっては『さすがの猿飛』の漫画家として馴染み深い。彼が現在『ビッグコミ…





一コマ一コマの背後に、じつに細かな「裏設定」が仕込んである。『ファイブスター物語』を描く際に、永野護が詳細、かつ壮大な歴史年表を作りあげたのに近いか。
作者のひらりんさんは、大塚英志の「物語環境開発」所属の漫画家らしい。僕は大塚の熱心なファンというわけ…





主人公のヨリさんは、どうしてろくでもない「ホワイトポーク」なんぞに惹かれてしまうのだろう?
主人公のヨリさんは、どうしてろくでもない「ホワイトポーク」なんぞに惹かれてしまうのだろう?――西炯子…





安彦さんがこの本のタイトルに「戦争」を含めたことは、とても深くて重い意味を持っている。
『クラッシャー・ジョウ』を再読していて、そういえば安彦さんと高千穂さんの対談がどこかに収録されていた…




電子書籍版には安彦さんの挿画がない。表紙さえもない。高千穂さんには悪いのだけれど、やはりこのシリーズには安彦さんの絵が欠かせない。
初読は中学生の頃だから、30年ぶりの再読となる。ガンダム人気に伴って『クラッシャージョウ』も流行した…




「真実」を求める藤沼に感情移入してしまうのは、殺人事件などと大仰な経験ではないものの、だれしもが忸怩たる思いを過去に残しているものだからだろう。
カドカワの電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」にて第一巻が無料ということで試し読みしてみたら、こ…





関川さんの昭和は、どちらかといえば「古き良き昭和」というよりも「猥雑でハチャメチャな昭和」のことが多いけれども、それがいい。
ぼくにとって関川さんは「昭和」のひとだ。や、僕だって昭和生まれなのだけど、関川さんは、僕が生まれるち…





いかにも立花さんらしいのは「現代史の中に自分の人生を重ねる」という点で、これはつまりジャーナリズムの手法だ。
立花さんは2008年より立教セカンドステージ大学の特任教授を務めていて(2011年-2012年までは…




川上さんはドワンゴの会長だからニコニコ動画誕生の舞台裏が大部分かと思っていたら少々違っていた。
川上さんはドワンゴの会長だからニコニコ動画誕生の舞台裏が大部分かと思っていたら少々違っていた。かとい…





「読書の未来」と仮題のついていた立花さんの書評集がようやく出た。
「読書の未来」と仮題のついていた立花さんの書評集がようやく出た。立花さんは1992年から「週刊文春」…





ドラマのほうはほとんど観ていなかったのに、シナリオ集を買ってしまった。だが後悔はしていない。
ドラマのほうはほとんど観ていなかったのに、シナリオ集を買ってしまった。だが後悔はしていない。まだ読了…





「聞く」という行為は、人間同士がコミュニケーションをする上で、とてもたいせつなものだ。それと同時に、自分自身と対話するということも可能にしてくれる力である。
今年(2013年)の年間ベストセラーが発表された。取次大手の日販のデータによれば、第一位は村上春樹の…





オースターの「ニューヨーク三部作」は、村上春樹の初期三部作『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』ととてもよく似ている。
ある日、文筆を生業とする主人公のもとに、友人の妻を名乗る女性から連絡が届く。その友人は幼馴染で、主人…





多少の乱れはあるものの、オースターのストーリーテラーとしての実力は、その第一作から抜きんでていた。
これもまた探偵が主人公の物語で、『幽霊たち』の前作となる。とはいえ、物語としての関連はなく『ガラスの…





ニューヨークは歴史ある町で、みなが「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」と憧れるけれども、じつはゴーストタウンでしかない。
じつは(というのが多いのだけれども)、僕はオースターの熱心な読者ではない。この『幽霊たち』が柴田元幸…




「ちょっとした謎」と「ハンバーガーショップ」と、そしてなにより「悠木まどか」という女の子の存在が、男の子たちの未来をちょっとだけ変える。男の子って本当に馬鹿だよね。
週末に書店で見かけた一冊。表紙といいタイトルといいラノベかと思って手に取ったら、新潮文庫だったので驚…