テスカトリポカ

アステカ神話の神の一つ「テスカトリポカ」を背景にドンと据えたクライムノベル。 神話を使ったせいか、佐藤究の腕か、世界観というか建築の大黒柱が強くて、感心した。
577 佐藤究 「テスカトリポカ」 アステカ神話の神の一つ「テスカトリポカ」を背景にドンと据え…

本が好き! 1級
書評数:668 件
得票数:11751 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

アステカ神話の神の一つ「テスカトリポカ」を背景にドンと据えたクライムノベル。 神話を使ったせいか、佐藤究の腕か、世界観というか建築の大黒柱が強くて、感心した。
577 佐藤究 「テスカトリポカ」 アステカ神話の神の一つ「テスカトリポカ」を背景にドンと据え…

自動車の完全自動運転を道具に使った、サスペンス。 ソフトウエアエンジニアである著者が、臨場感があるストーリーを現している。
549 安野貴博 「サーキット・スイッチャー」 自動車の完全自動運転を道具に使った、サスペンス…

レスペクトしてきた先人や周りの人の書き方から、また彼の文体から、桑田佳祐の「素」が見えてくるだけでなく、 サザンオールスターズの歌々たちが、読後に改めて身近に感じられてきた。
550 桑田佳祐 「ポップス歌手の耐えられない軽さ」 週刊文春の連載エッセイ(2020年1月~…

あの「愛の不時着」の、リ・ジョンヒョク中隊長をど真ん中に据えた、ドラマの隙間のお話。 リさんが、生き生きと躍動している。 お見事、井上荒野。
576 井上荒野 「僕の女を探しているんだ」 あの「愛の不時着」の、リ・ジョンヒョク中隊長をど…

「責任」をチャラにするシステムを運営する、巨大企業CFを道具にした物語。 吉村萬壱らしい「不穏」な匂いが、そこらかしこに漂っている。
551 吉村萬壱 「CF」 「責任」をチャラにするシステムを運営する、巨大企業CFを道具にした…

文章をうまく書けたら、と思う人への20発(残りの5発はおまけだと)。 そんな軽い出だしなのだが、技術論は平易で的確だし、また彼の文には大きな熱量が秘められていて引き込まれた。
552 近藤康太郎 「三行で撃つ」 文章をうまく書けたら、と思う人への20発(残りの5発はおま…

「詩」を道具に使った連作短編集。 私にとって詩は「読むもの」だった。 しかし、詩は「作るもの」で「読み上げるもの」でもあり、それら2つを行うことには、大事な作用が秘められていそうだ。
553 岩井圭也 「生者のポエトリー」 「詩」を道具に使った連作短編集。 私にとって詩は「読…

海藻の押し花ならず「押し草」で、海の生き物を描いたヘレンの作品に、編集者のリリーが良い文を寄せている。 なぜか私は夏にこうした画集を手に取り、冬には写真集に寄りそうみたいだと気がつけた。
554 ヘレン・アポンシリ画 リリー・マレー文 「海のものがたり」 海藻の押し花ならず「押し草…

中央高速のPAで働く、70代の「ちとせ」の日々と、彼女が巻き込まれる、大変な事件のお話。 相変わらず、西尾潤さんのテンポは素晴らしかった(^^)/
556 西尾潤 「無年金者ちとせの告白」 中央高速のPAで働く、70代の「ちとせ」の日々と、彼…

「小さな世界」の「小さな視点」も大事だと、思い出させてもらった。 石井桃子の、少し舌足らずにしたプーのセリフは、とぼけた感じが沁みだしてきていた。
557 A.A. ミルン 「プー横丁にたった家」 「小さな世界」の「小さな視点」も大事だと、思…

相変わらず北海道を舞台とした短編集。 各編の毛色は違うが、「桜木紫乃が描く女性は強い」というところは今回も一貫していた。 強さは「力」とか「固い」という類ではなく、「折れない」「柔らかさ」といった強さだ。
558 桜木紫乃 「誰もいない夜に咲く」 相変わらず北海道を舞台とした短編集。 各編の毛色は…

かつて炭鉱があった町にある、理髪店の店主を主人公に据えたドラマ。 大きなストーリーは無いけれど、小さなストーリーから「普遍なこと」に想像が飛んでいった。
559 奥田英朗 「向田理髪店」 かつて炭鉱があった町にある、理髪店の店主を主人公に据えたドラ…

必殺の「隠し剣」を道具にして、人間の様々な「業」を描いている。 各々の「業」のあとに待っていた「果報」も、バラエティに富んでいた。 さすが藤沢周平♪
560 藤沢周平 「隠し剣 孤影抄」「隠し剣 秋風抄」 必殺の「隠し剣」を道具にして、人間の様…

吸血鬼を道具に使ったファンタジー。 そして「ある者が救済される話」。
561 万城目学 「あの子とQ」 吸血鬼を道具に使ったファンタジー。 そして「ある者が救済さ…

ルシア・ベルリンの小説には、独特の際立ちを幾つも見つけることができる。 乾燥、温かさ、生動、普遍・・・これらを合わせて世界観とでも呼ぶのかな。
562 ルシア・ベルリン 「すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集」 ルシア・ベルリン…

女形の夫と、武家から彼に嫁いだ妻との、ラブストーリー。 両者の想いをストレートではなく書いているところが、かえって迫ってきた。
563 蝉谷めぐ実 「おんなの女房」 女形の夫と、武家から彼に嫁いだ妻との、ラブストーリー。 …

戦時中末期から、自ら「密偵」として、中国奥地からインドまで旅した実在の男のお話。
564 沢木耕太郎 「天路の旅人」 戦時中末期から、自ら「密偵」として、中国奥地からインドまで…

テーマがいろいろと散りばめられているSF。 テーマの中には危険な例示もあるのだが、今の時代に投げかけるには、ちょうど良いのかもしれない。
565 エルヴェ ル テリエ 「異常【アノマリー】」 テーマがいろいろと散りばめられているSF…

「失踪した人」を道具に使った、連作短編集。 残された人が、「失った人の物語」を編んでいるように見えるが、 「残された人の物語」の方に、私は強く惹かれた。
566 桂望実 「残された人が編む物語」 「失踪した人」を道具に使った、連作短編集。 残され…

「12万円で世界を歩く」の下川裕治による「おくの細道」。 お年と共にゆるい旅にはなってきたが、時に下川らしい考察や感想が見て取れた。
567 下川 裕治 「おくの細道」をたどる旅 「12万円で世界を歩く」の下川裕治による「おくの…